日本代表初招集のジョシュ・ホーキンソン、八村塁や渡邊雄太との共闘に意欲「脅威的なチームに」
代表練習でダンクをするジョシュ・ホーキンソン©JBA
バスケットボールニュース2for1代表。スポーツニッポン新聞社の編集者・記者を経て、2020年に現メディアを立ち上げる。日本代表やBリーグからNBA、WNBAまで国内外さまざまなバスケイベントを取材。スポーツライターとしても活動している。

 「FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選」Window6に向けて合宿を行っている男子バスケットボール日本代表。ホーバスJAPAN初招集となったジョシュ・ホーキンソン(Bリーグ・信州ブレイブウォリアーズ)が19日、オンライン会見に登場し、メディアからの質問に応じた。

2月6日に日本国籍取得 ホーバスHCや富樫も太鼓判

 今月6日に日本国籍を取得し、帰化選手として初めて日本代表活動に参加しているホーキンソン。所属している信州では今季37試合に出場し、平均18.3得点9.2リバウンド2.5アシスト1.4ブロックを記録している。柔らかいタッチのシュート(フィールドゴール成功率51.4%、3ポイント33.9%、フリースロー81.5%)とリムランが武器の27歳は、ホーバス体制のスタイルにフィットすると期待され、異例の“緊急招集”となった。

 今回の合宿に参加するまではトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)との関わりがなかったというホーキンソンだが、東京五輪の女子代表の試合や指揮官の過去のインタビューを見返し、しっかりと“予習”。ホーバスHCのもとでプレーするイメージを固め、今回の合宿に臨んだという。

 代表に合流して日は浅いが、ホーバスHCからは「ジョシュはいいですね。3ポイントシュートもよく入っている。身長もあって真面目な選手だし、カッティングも上手。楽しみです」とすでに高評価。代表常連組の富樫勇樹(千葉ジェッツ)も「Bリーグで何度も対戦していますけど、正直トムさんのバスケットにすごくフィットするシュートが上手な選手。一緒に試合ができるのがすごく楽しみです」と太鼓判を押す。

トム・ホーバスHC(左)と話すホーキンソン(左から2人目)©JBA

 ホーキンソン自身も「今は(ホーバスHCと)コミュニケーションを多く取っている段階。僕がどんなことができて、どんな強みを持っているのかを披露して、それをコーチがチームのスタイルや戦術に落とし込めるように話し合っている。コーチのスタイルと自分のスタイルはすごくよくフィットすると思います」とチームへの貢献に自信を見せる。

横浜ビー・コルセアーズ河村勇輝らと「ケミストリーを構築」

 信州のチームメイトでホーバスJAPANの“先輩”でもあるマシュー・アキノもホーキンソンの代表入りを喜んでいる一人だ。

 「彼が日本代表合宿に召集されたことはとても嬉しく思います。信州でも一緒にプレーして代表チームでも一緒にプレーできるのは光栄なことですし、常にコミュニケーションを取れることも嬉しいですね」

 ホーバスHCと信州の勝久マイケルHCのスタイルが異なることから、ホーキンソンには「信州でのプレーはすべて忘れて、コーチ・トムのプレーを覚えることに集中しろ」とアドバイス。「アドバイス通りによくできていると思います」と“後輩”の活躍に笑顔を見せた。

 普段は敵として対戦する富樫勇樹や河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)と同じチームでプレーすることも代表で活動する大きなモチベーションになっているとホーキンソンは話す。

 「もちろん(Bリーグで対戦して)彼らがとてもいい選手だということは分かっていましたし、選手としても相手チームとしても尊敬していました。彼らと同じチームでプレーしたり、ピック&ロールから組み立てたりするのはとても楽しいです。

 今はまだ知り合ったばかりなので、ケミストリーを構築したり、よい関係性を築いていくのは少し時間がかかるかもしれません。なので、いまはコート上でもコート外でもいろんな選手と話したり、コミュニケーションを取って関係性を作っている段階です。いろんなチームの選手とプレーできるのはとても貴重な経験ですし、この合宿でケミストリーが出来上がってきているのはとても楽しいです」

©JBA

今夏、国際大会での「勝利」に意欲

 今夏にはワールドカップ本戦を控える男子日本代表。NBAで活躍する八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)や渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)といった海外組にホーキンソンが加わる“フルメンバー”のホーバスJAPANには、前回大会や東京五輪でつかみ取れなかった「勝利」への期待も膨らむ。

 「(八村や渡邊は)すごくいい選手だし、アメリカでベストを尽くして頑張っている。彼らのプレーを見ながら『自分が一緒にプレーしたらどうなるだろう』と想像するのはとても楽しいです。もし僕らが同じチームでプレーする機会があれば、ワールドカップでは世界のどのチームにとっても脅威的なチームになり得ると思います。もしこの夏にそれを実現できるとしたら、すごく楽しみですね」

 日本でプロキャリアをスタートし、日本人として日の丸を背負う覚悟を決めたホーキンソン。アメリカでのニックネーム“Big Hawk”から、日本では「鷹大(タカヒロ)」の愛称が浸透しつつある。ホーバスHCのもと、自らの強みを最大限に発揮し、コート上で大きく羽ばたく鷹の姿に期待したい。

(滝澤 俊之)

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