B2優勝へのラストピースとなるか 信州ブレイブウォリアーズの新外国籍 J.J.オブライエンが躍動「チャンピオンシップ獲得へベストを尽くしたい」
デビュー戦で活躍を見せた信州ブレイブウォリアーズのJ.J・オブライエン©Basketball News 2for1
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 Bリーグ2部(B2)は2月27日から3月1日にかけて各地でレギュラーシーズンの第22節が行われ、東地区首位の信州ブレイブウォリアーズはホームのホワイトリング(長野市)で西地区5位のライジングゼファー福岡と対戦。両日ともオーバータイムまでもつれた熱戦は、第1戦を88-93、第2戦を91-85とし、一勝一敗で幕を閉じた。

 注目を集めたのは2月26日に契約が発表されたJ.J・オブライエンだ。第1戦では26分6秒の出場で17得点4リバウンド2アシスト。第2戦では10得点4リバウンド2アシストを記録してチームをけん引。Bリーグデビュー戦となった2試合でポテンシャルを存分に発揮した。

目次

2戦連続二桁得点 勝久HCが明かすオブライエン獲得の狙い

 米国出身のオブライエンは201センチ98キロのスモールフォワード。NBAのユタ・ジャズでのプレーした後、ヨーロッパや中央アジアなどでもプレー。2021年にはユーロカップ優勝、2023年にはモンテネグロ・リーグ優勝を経験したことのあるベテランだ。

 日本でのプレーは今回が初めてだったが、チームに合流していきなり2戦連続二桁得点を記録するなど、ポテンシャルの高さを見せつけた。特筆すべき点は、8カ月ほど試合から離れていたにもかかわらず、高いパフォーマンスを発揮したことだ。子どもが誕生したため、シーズンのスタートはどのチームとも契約しなかったオブライエン。ただでさえ勝久マイケルヘッドコーチ(HC)のバスケットボールにはフィットするのに時間を要するが、試合勘が失われていてもおかしくない中で、攻守にわたりチームに貢献した。

 オブライエンは自身の持ち味について、次のように話す。

「ボールを運ぶこともできるし、相手がスイッチしたり、自分がアタックできるマッチアップがあったりした時に自分でスコアできること。もしスコアできない状況ならディフェンスを二人引き付けているということなので、味方にパスを出すことができる。

ディフェンスではスイッチができるところで、足を動かして相手の3番や4番といった俊敏な選手に対してもディフェンスができる。そういうところで貢献して、残りのシーズンはこのチームの勝利に貢献していきたいと思う」

 第2戦では、その選手が出場していた時間帯のチーム全体の得失点差を示す+/-でチーム最多の「+13」を記録したオブライエン。とはいえ、試合前日にはシーズン序盤からチームを支えたアンジェロ・チョルとの契約解除が発表され、疑問符を浮かべたブースターも多かったはずだ。どのような狙いがあり、オブライエンの獲得に至ったのだろうか。

 勝久HCは「開幕前からロスター編成をしているにあたり、(渡邉)飛勇がいて、ウェイン(マーシャル)、マイク(ダウム)がいて、当然ナチュラルなチョイスは、4番3番(ポジション)の選手を3人目の外国籍として獲得することでした。そのポジションの選手を獲得することによって、本来の我々のスペーシングでプレーできると思います」と説明する。

「ディフェンス面でも、ペリメーターの外国籍選手にマッチアップすることに今シーズンはずっと苦しんでいる。アキ(チェンバース)が守れる選手もいれば、サイズ的に厳しい選手もいたり、マイクだと難しいマッチアップという時にJJがついてくれる。ハンドラーとしても、スクリーナーとしてもいろんなことができると思う」(勝久HC)

オブライエンに期待を寄せる勝久マイケルHC©Basketball News 2for1

 オブライエンの獲得によって、ラインアップの「幅」も広がる。勝久HCは「飛勇をもっと生かしたいという思いもあり、(オブライエンは)そこで一緒にプレーできる。飛勇、マイク、JJといったラインナップもできると思うし、JJはマイクともウェインともプレーできると思う。フィットはとても良いので期待しています」と展望する。

 振り返ればプレシーズン時点での編成では、そのポジションにジェイシー・ヒルズマンを据えていた。ヒルズマンとはシーズンを前に双方合意の上での契約解除となったが、そのことを踏まえるとオブライエン獲得の理由にも頷ける。

人間性にも定評 勝久HC「必要としていた部分を持っている」

 実際に2日間のプレーを見てみると、力強いドライブで得点を奪い、マークマンが寄っていれば冷静にパスを捌いてアシストを記録。ディフェンスでもテレンス・ウッドベリーらを自由にさせなかった。

 バスケットボールIQの高さや、冷静な判断力は勝久HCのバスケットボールには特に必要な要素だ。試合の約1週間前に合流したことで、習得できたセットプレーの数などは限られていたにもかかわらず、堂々たる活躍を見せた。オブライエンのパフォーマンスについては、指揮官も高く評価する。

「一番は頭の良さ。高いレベルの選手なのでもちろんオファーはあった選手だが、お子さんが生まれて今シーズンの最初はどことも契約しなかった。実際(プレーを見ると)試合から離れている中で8カ月ぐらい間が空いたゲーム勘ではなく、すぐにフィットして、全てしっかり見えているバスケの感覚。そこが一番すごいです。

 スキルセットで言えば、マイクにはどんどん3ポイントシュートを打ってもらいたい中で、(オブライエンは)スリーもあるけど、ドライブが本当に上手。そこからのパスも上手で彼(ダウム)とのフィットも良い。今までわれわれが苦しんでいた、フォワードタイプの外国籍選手にディフェンスでつくところのスキルセットも素晴らしい。まさに必要としていた部分を持っています」

 練習や試合中の様子を見ても、表情を大きく変えない選手でもある。冷静沈着でありながら、求められたプレーを遂行するクレバーな選手像は信州のバスケットにマッチするだろう。

 勝久HCによれば、選手として優秀なだけではなく、人間性も優れているという。2月25日の練習では次のように話していた。

「AC(アンジェロ・チョル)と実は大学のチームメイトなんですよ。ACは元々短期での契約とわかっていて、誰を獲得する予定なのかもわかっていたんですけど、JJだとわかった日には『誰かと代わるならJJで良かった』と言うぐらいとてもナイスガイだという話をしていて、すごく心が温まった話でした」

マイク・ダウム(中央左)とのコンビネーションにも期待だ©Basketball News 2for1

 そんなオブライエンは、来日してからチョルと会話する時間もあり、チームや、街のことなど細かい話ができたそうだ。

 プレーオフの優勝に向けてラストピースが揃った信州ブレイブウォリアーズ。レギュラーシーズンも残り18試合という中でチームに加入したオブライエンは、終盤戦に向けて意気込みを語った。

「このチームに加入することができてワクワクしている。自分にとって日本でプレーすることは今回初めてだが、すごく好きな部分もある。チームの勝ちに貢献して、チームのゴールであるチャンピオンシップを取るために自分のベストを尽くしたいと思う」

 代表活動に参加していた渡邉もチームに合流し、いよいよ5月に向けて追い込み期間が始まる。新たなメンバーで日々成長を積み重ね、リーグの頂点を目指す。

(芋川史貴)

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