
Bリーグ1部は17日、各地でチャンピオンシップ(CS)・セミファイナル(SF)の試合が行われ、宇都宮ブレックス(全体1位)はホームの日環アリーナ栃木で千葉ジェッツ(同5位)と対戦。第1戦を84-67で勝利し、ファイナル進出へ王手をかけた。
第1クォーター、千葉Jのディー・ジェイ・ホグに開始から連続得点を許すなど、9-0のランを決められ、主導権を握られる宇都宮。第2Q序盤には14-23と9点ビハインドとしたものの、その後は小川敦也がしつこいディフェンスやリムアタックからチャンスをつくり、ギャビン・エドワーズやD.J・ニュービルが得点を重ねるなどして、残り6分19秒には25-23とリードをつかむ。その後は両者譲らず一進一退の展開となり、前半を39-39の同点で折り返す。
第3Q、前半無得点に抑えられた比江島慎が2本の3ポイントシュートを含む8得点を挙げるなど気を吐き、徐々にリードを広げていく。52-59と7点リードで迎えた第4Q、開始から比江島の3P、アイザック・フォトゥのゴール下、竹内公輔のコーナーからの3Pで8-0のランをつくり、一気にリードを15点に広げる。千葉Jも富樫勇樹の3Pなどで食い下がったものの、宇都宮はニュービルやエドワーズが要所で得点を決めるなど、譲らず。最終的には84-67で第1戦を制し、3シーズンぶりのファイナル進出まであと1勝とした。
宇都宮は6本の3Pを沈めたニュービルがチーム最多となる24得点、エドワーズが17得点9リバウンド、比江島が14得点3スティール、小川が9得点6アシストを記録。後半だけで17本中9本の3Pシュートを決めるなど、得点力が光った。
試合後には、ジーコ・コロネルHC代行、竹内、比江島が記者会見に登場し、記者の質問に答えた。
ジーコ・コロネルHC代行の千葉J戦後のコメント
-千葉J戦の総括
本当に千葉さんは素晴らしいチームで能力も高いですし、コーチ陣も素晴らしく、組織としても優秀で、素晴らしいチームです。そんなチームに勝利するというのは、自分たちのベストなパフォーマンス、持てる全てを出し切れないと勝てないと思います。モンスターとも言えるようなチームに対して、選手たちが本当に素晴らしいパフォーマンスをしてくれたと思います。数字的には1勝を挙げて、(ファイナル進出まで)半分というところですけども、感覚的にはまだ半分も終えていないです。今日(第1戦)のパフォーマンスよりもさらに自分たちが成長して、さらにパフォーマンスを明日(第2戦)は出していかないと、このシリーズを勝ち切るというのは難しいと思っている。また今日から明日にかけても成長していきたいです。

-小川敦也のパフォーマンスについて
コーチが選手のパフォーマンスに対して、直接コントロールできる影響できる部分というのは、選手の出場時間だと思うんですが、小川選手がこの試合に向けて素晴らしい準備をして、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたので、これだけ出場時間を与えることができました。彼がいいパフォーマンスをしてくれる限り、彼をコートに立たせ続けようという意識になりました。彼がいい準備をして、チームに対して素晴らしい貢献をしてくれたと思うので、結果的に24分という長いプレータイムを与えることができたと思います。
竹内公輔の千葉J戦後のコメント
-千葉J戦の総括
(千葉Jの)9-0スタートで、ちょっと出だしはうまくできなかったかもしれないですけど、ホームの声援がすごく後押ししてくれて、そこで慌てず、しっかりその後は自分たちのバスケットをして、焦らずに前半を同点で終えられた。
個人的に印象に残っているのは、小川がすごく流れを変えてくるプレーをしてくれたなと思っている。先週(クォーターファイナルのシーホース三河戦)は高島がやってくれて、今週は小川がやってくれて。うちはDJ(ニュービル)だったり、比江島だったり、そういった素晴らしい選手がいますけど、こういったラッキーボーイというか、そういった選手がしっかり毎試合毎試合出てきている。本当に相手からしたら、的が絞りにくい一部になってなっているのかなと。去年と違う部分はそこなのかなと思います。

-小川が成長した部分について
判断力がシーズン序盤に比べてすごく上がったのかなと思います。あとは自分の持ち味をどういう時に出したらいいのかというのも、ゲームを経験するにつれて分かってきたのかなと。大学時代は身体能力で簡単にレイアップまで行けていたとは思うんですけど、Bリーグには能力の高いビッグマンがたくさんいる。何回も序盤はレイアップに行ってブロックされているのを見てきたんですけど、そういった経験を経て、彼自身、今どういうプレーをコールするべきだとか、どういう場面で誰を使うかとか、自分でいくのかといった判断力が非常に良くなっているかなと思います。
比江島慎の千葉J戦後のコメント
-千葉J戦の総括
出だしのところで相手にリズムをつかまれてしまったんですけど、そこからしっかり慌てることなく、控え選手もすごく頑張ってくれて、しっかり試合を戻すことができた。そこからもリバウンドだったり、ルーズボールだったりというところも集中してやれたので、昨シーズンの反省を生かして、気持ちを見せて、チーム全員で勝ち切れたんじゃないかなと思います。

-劣勢から逆転勝利できたことについて
本当にはこういう流れにしたくはなかったんですけど。チャンピオンシップに入る前もこういう展開を経験しているし、昨シーズンのチャンシップでもこういう展開になってしまった状況でも慌てることなく、ディフェンスからこうリズムをつかむじゃないですけど、慌てることなく対応できた。(千葉Jは)本当に能力が高くて、これ以上(点差を)開けられるとなかなか厳しい展開でしたけど、そこも我慢して流れをつかめたというのは、本当に若手も頑張ってくれたと思う。誰が出てきてもというか、流れを変える選手がいるので、そこはよかったのかなと思います。
(滝澤俊之)