信州ブレイブウォリアーズが東地区2位に再浮上 石川海斗「勝てたのはすごくよかった」 ホーム青森戦
信州ブレイブウォリアーズの石川海斗©Basketball News 2for1
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 Bリーグ2部(B2)は13日、各地でレギュラーシーズンの第31節が行われ、東地区の信州ブレイブウォリアーズ青森ワッツと対戦し、80-65で勝利した。プレーオフ(PO)の初戦をホームで戦うことができるのは各地区2位までとなっており、この日の試合の前まで東地区2位を走っていた富山グラウジーズ熊本ヴォルターズとの試合に敗れたことで、信州と富山が36勝21敗で並び、富山とのタイブレークを握っている信州が再び2位に浮上した。

 ホーム最終節の第1戦となったこの日、信州は生原秀将がけがから復帰したことで久しぶりに12人のロスター枠が埋まった。ウェイン・マーシャルも約1ヶ月ぶりにスターティングメンバーに復帰し、試合は第3クォーター(Q)まで両者譲らない展開となったが、第4Qに信州が15-0のランを成功させ、一気に青森を突き放して決着。会場に駆けつけた5357人のファンを沸かせた。

 信州はマーシャルが両チーム最多の27得点、ペリン・ビュフォードが23得点、石川海斗が13得点を記録。試合後の記者会見では勝久マイケルヘッドコーチ(HC)、マーシャル、海斗が記者の質問に答えた。

勝久マイケルHCの青森戦第1戦後のコメント

ー青森戦第1戦の総括

 前半、少し重い展開が続いて、良いシュートが作れていたときも、なかなかシュートのパーセンテージが良くなくて、ディフェンスで少しフラットだったときもありました。 でも、悪い方向に行くことは一度もなく、フラストレーションが我慢できないということも一度もありませんでした。今日(12日)はそういうスタートの中でも、みんなが「良くしよう」とか、何をしなきゃいけないかを分かっていて、正しい方向に持っていこうというメンタルがあったのは良かったです。

 第4Qで勝ったことが大きかったです。 相手はルースにフリーに思い切り良くシュートを打って、我々は少し重い展開があったんですけど、そこのバランスというか、勝たなきゃいけない試合、プレーオフでもハイプレッシャーな試合を我々は望んでやりたいわけですので、明日(13日)の試合も勝たなければいけない試合です。そういう危機感を持ちながらも、もう少しアグレッシブに強い気持ちでプレーしてほしいなと思っています。 

記者の質問に答える勝久マイケルHC©Basketball News 2for1

ー我慢して打開する展開にできていることについて

 今日の前半で少しフラットだった理由の1つでもあると思うんですけど、けが人だったり、プレータイム制限だったりがあって、やっぱり疲労は残ってはいる。その中であのように重い展開でも、良いシュートは打てていることは多かったので、 もちろん自信を持って打ち続ければそれは入ってくるので。ただ、その時間帯に我慢できなかったりして、 命綱を手放して、ディフェンスがルースになったりということだったら、先ほど言った話の逆で「フラストレーションが溜まりすぎて」とか違う展開になっていたと思うんですけど、メンタリティーは正しい場所にはあった。ディフェンスでもう少しギアを上げること、良いシュートを打ち続けてあとは決めるだけということ。 P(ペリン・ビュフォード)が引っ張ってくれた時間帯もありましたし、海斗もウェインも素晴らしかったです。我慢して正しいことをやり続ければ良い結果はついてくると思います。

ー復帰したメンバーがいる中でのローテーションの難しさは

 ショートローテーションの方が勝つ負けるという話ではなく、一人一人が必ずリズム取れてとか、そういう意味でローテーション自体は簡単は簡単です。秀(生原)はまだ大きい制限がありますし、今シーズンはそういうことが続いてはいるんですけど、短い時間しか今は出せない。でも、POに向けて彼の力は絶対必要になってくると思うので、調子やリズム、タイミングを取り戻してほしいですし、他の選手もそうです。エリエット(ドンリー)がしばらく前に体調不良でいなかった後に徐々に調子を上げたように、(栗原)ルイスもしばらくいなかったので少しずつ上げていってほしいです。

  普段、ショートローテーションの方がローテーション自体は簡単だけど、今日はその制限などもいろいろある中で、実際そこまでは難しくなかった。だけど、みんなが出ている時間帯にプレイハードして、全員がPみたいに35分出て、リズムを掴むまでっていうことはできないので、全員が自分の役割を果たして、 短い時間でも長い時間でもどういう役割でも全力で果たしてほしいです。誰が何点取るとかはもう関係ないので、このチームで勝たないといけないという時期なのでそれができればと思います。

ーけが人が復帰したことによるラインナップの厚さについて

 先週と比べてウェインのプレータイムの制限が少し伸びたので、先週はスタートからは無理だったんですけど今回はスタートから出せました。前半で上手くいっていなかった時間帯のラインナップがあった中で、やっぱりスモールになったときはウェインにコートへ立ってほしかったというのは、前半を振り返って後半アジャストした部分でもありました。そこで少し引っ張ったから 4Qでは飛勇(渡邉)とトヨ(狩野)をもっと出さないといけないと思いました。

 そういったプレイタイムの制限は続いていて余裕はないので、どこかで彼(マーシャル)を引っ張らなきゃいけないとかっていうことがないように、それぞれがやっぱりもっともっとステップアップしてほしいです。「飛勇とトヨ」と言われたときにニコッてしてしまったのも、今日二人が続いてゴール下を外したときに会場からの声もありましたけど、二人とももっとできると思うので、もっと力強くリバウンド、しっかりキャッチ、肘を張って強くフィニッシュすることはもっともっとできると思います。でもチームの愛される二人なのでニコッとしましたけど、もっと明日頑張ってもらいたいです。 

ウェイン・マーシャルの青森戦第1戦後のコメント

ー青森戦第1戦の総括

 今節がホームゲーム最後の2試合なので、最初からハードにプレーしようと思っていましたし、ファンのみなさんに勝利を届けたいと思ってプレーし、それが今日はできたと思っています。ただ、試合の中でもっと上手くできた部分は多いと思うので、明日はそういう部分を修正して最後のホームゲームも勝ちたいと思います。

記者の質問に答えるウェイン・マーシャル©Basketball News 2for1

ー第2戦に向けた改善点は

 ひとつは最初にフラットな入りをしてしまっているというところで、エナジーが足りない部分っていうのがあるっていうところと、まだまだオフェンス、ディフェンスともに遂行できてない部分が多いっていうところです。

ー我慢して勝ち切れた試合展開について

 例えば、前半にシュートが落ちたとしても、自信を持って打ち続けることはできていると思っていますし、1年間ハードワークしてきた中で、その1年間の頑張りっていうのが、自信を持って打つことによって表現されると思います。自分たちができているのは、自信を持って打ち続けていることです。

石川海斗の青森戦第1戦後のコメント

ー青森戦第1戦の総括

 まだホーム最終戦になるかどうかっていうのは分からないですけど、レギュラーシーズンのホーム最終節っていうところの1戦目をまず勝てたというところはすごく良かったんですけど、やっぱりまだまだ課題の残る試合だったというとこもある。ただ、勝って修正できるっていうところは良かったところだし、チームとして良いことだと僕は思っています。

 また、登録がちゃんと12人揃ったことはチームとしてすごくプラスなところだと思います。まだまだシーズンは続きますし、僕らはプレーオフに向けてもっともっと仕上げていかなきゃいけないというところはあると思うので、そういった意味でも、青森さんは明日失うものが何もないので、もっともっとハッスルしてくると思うし、僕らがそこを受け身にならずにやっていくことが必要なのかなと思います。 

記者の質問に答える石川©Basketball News 2for1

ー第2戦に向けた改善点は

 ウェインも言ってますけど、一つ一つのディテールだったりとか、遂行力っていうところは、疲れてきてそれがダメになったら意味がないし、どういう状態でも僕らは交代できるメンバーが揃っていると思うので、誰が出ても変わらないと思っています。一つ一つのクオリティの部分でもっと上げなきゃいけないと思うし、POで勝つために何が必要なのかというところは、ディフェンスでリラックスしないことや、ピック・アンド・ロールのディフェンスをするときの声のかけ方、今はどのディフェンスをしなきゃいけないのかっていう判断のスピードっていうのは、もっと早くすることによって守れるとは思う。

 メンバーがいない中で戦ってきたことはすごくプラスにはなっていると思うが、メンバーが帰ってくれば、プレータイムが制限される選手もいる中で、その短い時間の中でどう自分を表現していくかっていうのがすごく大事だと思っています。ずっと言っていますけど、12人全員が気持ちよくバスケットやるってことは、なかなか難しいことではあるんですけど、出ている時間帯でどれだけ自分のプレーを出せるかっていうのも、僕はガードとして考えなきゃいけないし、そういうところは今日もルイスとよく喋りながらとか、Pともずっとコミュニケーションを取りながら、Pのピック・アンド・ロールのファーストサイドと、僕のセカンドサイドっていうところのバランスってすごく良くできていると思うので、そこのクオリティを上げていくことも必要なのかなと思います。

ー我慢して勝ち切れた試合展開について

 人それぞれに強みがあると思うし、僕にできて秀にできないこともあれば、秀にできて僕にできないこともある。そこを補填し合うのがチームだと思っているので、自分がディフェンスのミスをしたときに秀が変わって出ればディエンス締めてくれると思っているし、少しオフェンスの動きが足りないなっていうときは、僕が出て動きを加えようっていう感覚もある。そういう部分っていうのはコーチも言ってましたけど、最後の三ツ井(利也)のルーズボールっていうところ。 彼はいつもサボったりすることはないですけど、やっぱりああいう執着心。 僕も最初のスティールからのルーズボールっていうのは、他の選手たちに火をつけるプレーだとは思っているので、そういったプレーが多く出れば出るほどチームは我慢できると思うし、今は悪かったときにハドルを組むことも多くなってるので、そこはすごくチームとして良くはなってきている。 我慢して我慢して最後に戦っていけるっていうところはできている。

  メンバーがいないのは良くはなかったですけど、いない中でずっとそうやってきたから、メンバーが帰ってきて、より一層楽にはなってきている部分もあると思う。ただ帰ってきたから元々いたメンバーがリラックスするわけじゃなくて 、今まで通りいなかったときのようにプレーしていれば、チームの底上げにはなると思っているので、そこはすごく必要な部分ともっともっとやらなきゃいけない部分っていうのはある。我慢できるっていうのは、本当は最初から我慢していかなきゃいけないんだけど、点が取れなくてもディスで我慢するっていうのが元々の信州のプレースタイルだと思うので、そこは続けてやっていかなきゃなと思います。

(芋川史貴)

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