三遠との“CS前哨戦”に惜敗の群馬クレインサンダーズ 八村阿蓮はチームに自信「自分たちらしくプレーすることにこだわりたい」
群馬クレインサンダーズの八村阿蓮©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は4月12日と13日の両日、各地でレギュラーシーズンの第31節が行われ、東地区3位の群馬クレインサンダーズはホームのオープンハウスアリーナ太田で中地区首位の三遠ネオフェニックスと対戦した。

 12日の第1戦、序盤からインテンシティ高く守備を披露した群馬は三遠のオフェンスを封じ、第1クォーターを21−15と6点リードで試合を進めていく。後半はシーソーゲームの展開の中、三遠のスピードあるオフェンスを抑えられなくなる場面が目立ち、最終的に78−83で黒星を喫した。

 翌第2戦では、ケーレブ・ターズースキーのダンクを皮切りに試合を開始。ディフェンスでは第1戦以上に高い位置からプレッシャーをかけ、1試合平均92得点を誇る三遠を第1Qで14得点に抑えたものの、三遠も強度の高いディフェンスを仕掛け、互いに得点が伸びない時間帯が続く。39−46と7点ビハインドで迎えた第3Q、藤井祐眞辻直人の3ポイントシュートで応戦するも、三遠のインサイドを抑えきれず。第4Qに終盤に細川一輝が連続で3Pを決めたものの、結果は77−83で惜敗。連敗を「3」とし、今節はホームで勝利を飾ることはできなかった。

 群馬は第2戦で、トレイ・ジョーンズが17得点2リバウンド3アシストを記録。藤井が3P4本を含む14得点3リバウンド2アシスト、細川が3P2本を含む12得点4リバウンド1アシストを記録した。

 第31節を終えて通算33勝19敗とした群馬は、現在東地区3位。チャンピオンシップ(CS)進出圏内となるワイルドカード下位(全体8位)に位置しており、同地区2位の千葉ジェッツ、中地区3位でワイルドカード上位のシーホース三河を1ゲーム差で追っている。初のCS進出を目指す群馬は、このままの順位でシーズンを終えた場合、全体8位の群馬はCSクォーターファイナルで全体1位の三遠と対戦することとなる。

 16日に行われる第32節は越谷アルファーズとホームで、18日からの開催される第33節では茨城ロボッツとアウェイで対戦する。第2戦後の試合後の記者会見では、カイル・ミリングHC八村阿蓮、ターズースキーが記者の質問に答えた。

ハイタッチをするケーレブ・ターズースキー(左)と藤井裕眞©Basketball News 2for1

カイル・ミリングHCの三遠戦後のコメント

ー三遠戦・第2戦の総括

 今日(第2戦)の試合に関しては、昨日(第1戦)みたいにタフな40分間だったかなと思います。三遠さんがすごくいい形で終わったというのもありますし、またその中でオンザコートフリー、日本人だけがいる時間帯が15分、20分くらい、ファウルトラブルが起こってしまった。しかし、その中で選手達が40分間戦いぬく、最後までやりきるという姿勢を見せてくれたのが良かったです。

記者の質問に答えるカイル・ミリングHC ©Basketball News 2for1

ー「1勝すること」が大事になる終盤戦だが、40分間戦うメンタルをどのようにチームで共有しているか

 選手に色々なことを言っているので、その中からひとつ選ぶのは結構難しいんですが、自分たちがやっていることを自分達が信じてやる、自分たちがやっていることに対して自信を持ってプレーする(Belive in what we’re doing, beliving what we do each other)ということが一番大事だと思っているので、それをしっかりやり続けられたら、悪い時にも上がってこられると選手たちには伝えています。

 シーズンは長く、60試合あるなかで悪い時もありますが、自分達がやることを信じてやりきれたらいいと思います。その中で色々と選手も変わっていくので、やり続けた中で自分達の良いところが出る試合が出てくるといいと思います。

ー第2、第3Qで点差を広げられた中で、ジョーンズやターズースキーがタフさを見せたことをどう評価するか

 トレイ(ジョーンズ)に関しては両日(第1戦・2戦)どちらも良かったと思っています。ケーレブ(ターズースキー)もすごくしっかりやってくれたと思っているんですが、昨日ちょっとうまくいかない時間帯もあったかなと思います。自分達がやっていることをやり続ける姿勢が大事だと思っていますが、この二人がしっかり体現してくれた試合だったかなと思います。これから三遠さん相手でなくてもこの先も色々なチームとの試合が残っていますが、その中でしっかり『やり続けること』というのをプレーの内容として見せられたらいいなと思っています。

ーベンチメンバーも奮闘しているが、次の試合まで期間がない中、どのように時間を過ごしてもらいたいか

 選手たちはプロなので、色々言わなくていいかなと思っていますが、次の試合まで中2日しかないのでしっかり休んでほしいです。もちろんプレーオフ(CS)に向けてという大事な試合でもあって、越谷(アルファーズ)さんの試合に勝てばもう一歩前に進めるような形の試合になると思う。もちろんみんなプロなので、何をしなきゃいけないかというのは分かっている。しっかり休んで、気持ちの面で準備できていたらいいなと思います。

八村阿蓮の三遠戦後のコメント

ー三遠戦・第2戦の総括

 昨日と同じような試合展開で進んだが、この2試合ともしっかり「勝ちたい」という気持ちを全面に出せた試合だったと思う。次、ここの水曜日(第32節)と土日(第33節)というのがすごく大事だと思っているので、前向きに進みたいなと思っています。

記者の質問に答える八村 ©Basketball News 2for1

ー三遠戦にむけてどのような準備をしてきたか

 相手のメイテン選手のダイブが本当に強烈なので、ビッグマンがコネクトして、周りがヘルプしてというプランでやったんですが、そこで相手が決めきる力があって、リーグナンバーワンに相応しいチームだなと思います。

ーインサイドに切りこんでいくのが難しかったと思うが、諦めない姿勢が見てとれた。その点はどう考えているか

 毎ポゼッション完璧にはプレーできないとは思うが、トレイだったり、コー(フリッピン)だったり、ドライブで切りこめる選手はいる。そこをしっかり、もうちょっとお互いコミュニケーションをとって、いいところでいいポジョションとってシュートを打ちきれば、もっといいオフェンスにつながると思う。まだ8試合レギュラーシーズンが残っているので、しっかり詰めて、CSに向けてやっていきたいと思います。

ーチーム全体のコミュニケーションが増えているようだが

 コーチ陣とも全員とうまくやれていると思うし、すごくいいチームだなと思う。CSでちゃんと、(CSに)出られたら、勝機はあるかなと思います。

ー次節に向けての意気込みは

 今日と同じような強度とオフェンスがやれれば、絶対勝てると思っている。相手関係なしに自分たちらしくプレーすることにこだわりたいなと思います。

ケーレブ・ターズースキーの三遠戦後のコメント

ー三遠戦・第2戦の総括

 両日ともに自分たちの欲しい結果ではなかったが、その中でもプレーできる選手たち全員がワンステップ、レベルアップした状態でプレーできたと思う。この試合40分間を通して、群馬クレインサンダーズのスピリットやエナジー、戦う姿勢というのは皆さんにお見せできたと思う。

記者の質問に答えるケーレブ・ターズースキー©Basketball News 2for1

ーインサイドに入っていけない我慢の時間が長かったが、第4Qに自らファウルをもらって得点した場面はどう評価しているか

 三遠さんは全体的にフィジカルにプレーするチームだが、ペイント内は特に外国籍とのところもあって、かなり難しい試合だったなと個人的にも感じている。その中で自分ができること、相手がフィジカルならこっちもフィジカルにやるというような、『自分がコントロールできることだけをコントロールする』しかない。自分のやれることはしっかりやろうと思っていたので、あそこでファウルをもらえたのは良かったです。

ー時にファウルになってしまっても体を張っていくというメンタリティは、自身の経験からか

 自分がコントロールできないことはコントロールできない。自分のコントロールできることはできる。というのがバスケットボールではなくても人生の中でも色々あると思う。そう思っているので、コントロールできないことに関しては仕方がない。自分がプレーしている中でファウルになってしまったら、自分がコントロールしようと思ってしたものではない。自分の人生の経験で、できることだけをやるというのが自分の中でのトーンセットみたいなものなので、そういうところからきているのかなと思う。

ー自身からハドルを組むなど、チームのコミュニケーションが増しているなという雰囲気は感じているか

 自分がこのチームでプレーできること、この組織の中でプレーできていて、このチームの中の一人になれていることは自分の中でとても嬉しいことで誇りに思っている。その中で必要な時に自然と起こっていることなので、意識して「ハドルを組もう」という形ではない。選手それぞれが自然とやっている部分かなと思うし、チーム全体が家族だと思っているので一つにならなければいけない状況にそうなれているのであればいいかなと思う。

ー次節の越谷戦、週末の茨城戦、そしてCSにむけての思いは

 プレーオフ進出というのはシーズン始まった時から大きなゴールとして自分たちにあるので、もちろんそこに向かってまだ頑張っている最中です。自分たちは日頃から言っているんですが「一試合一試合が大事」という話をしているので、大きな先(CS)に辿り着きたいですが、まずは越谷戦が大事になってくる。しっかり明日休んで、次の練習で、メンタル面でもフィジカル面でも準備された状態でゲームに進めたら、それが自分たちの辿り着きたいところに引っぱっていってくれることになるかなと思う。

(金野恵理)

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