
Bリーグ1部(B1)は26日と27日の両日、各地でレギュラーシーズンの第35節が行われ、中地区首位の三遠ネオフェニックスはアウェイのドルフィンズアリーナで同地区4位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦した。
第1戦、インテンシティの高いディフェンスからスピードにのったオフェンスを展開する名古屋Dに攻守で圧倒され、前半で31-62と試合を決められてしまう。後半に立て直し、最大38点差を15点差まで詰めるなど意地を見せたが、前半に背負ったビハインドを帳消しにはできず。81-96で第1戦を落とした。
翌第2戦、三遠は22歳ポイントガードの根本大を先発に据えるなどスターティングメンバーを入れ替え、ディフェンスの立て直しを図る。名古屋Dのボールプッシュを素早いピックアップで封じ、速い展開に持ち込ませない。第1戦22得点を記録した今村佳太に根本大をマッチアップさせ、プレッシャーをかける策も功を奏し、第2戦では8得点に抑えることに成功。攻めては積極的なペイントアタックとキックアウトからの3ポイントシュートで中外からバランス良く得点を重ね、48-38と10点リードで前半を折り返す。後半、オフェンスで停滞する場面もあったものの、ディフェンスからリズムをつくり、相手のターンオーバーを誘発するなど流れを渡さず、79-64で勝利。第35節を1勝1敗で終え、再びリーグ全体首位に躍り出た。
第2戦では三遠はデイビッド・ヌワバが18得点13リバウンドのダブルダブル、デイビッド・ダジンスキー、佐々木隆成がそれぞれ14得点、ヤンテ・メイテンが10得点を記録した。試合後の記者会見では大野篤史HCと佐々木が記者の質問に答えた。
大野篤史HCの名古屋D戦後のコメント
-名古屋D戦の総括
何試合ぶりかわからないくらいに自分たちのスタイルのディフェンスができた試合なんじゃないかと思いますし、オフェンスで多少停滞はありましたけど、それより自分たちのディフェンスからしっかりオフェンスに繋げていく意識、選手たちのコミュニケーション、ディフェンスの遂行力というところが素晴らしかったと思っています。

-第1戦からの先発変更の意図は
名古屋さんの強みのトランジションディフェンス、ビッグマン、スモール関わらずボールプッシュしてくるところ、それとハンドラーのキープレイヤーの今村選手をどう止めるかというところで、一番足が動く選手、最後までギブアップせずにボール、人に付いていける選手がいいなというところで、(根本)大をスタートにしました。
キープレイヤーは変わらないですけど、これから先、Xファクターが誰になるのかというところで、(根本の)今日(第2戦)のパフォーマンスは、(得点は)0点ですし、エフィシエンシー(貢献度)で見ればマイナスになるんだろうと思うんですけど、彼がしっかり(ディフェンスの)トーンセットしてくれた。また、スタートで出た(佐々木)隆成がポイントガードとして(オフェンスの)トーンセットしてくれて、それにつられて全員のディフェンスのマインドが上がったかなと思っています。
-先発起用の特別指定選手・根本大の評価は
根本のディフェンス評価は100点満点。特別指定で、まだ大学4年生でこれだけプレーできたというところ。うちの選手に勘違いしてほしくないのは、点数がとれなきゃゲームに出られないとは思ってほしくない。おのおのの役割があり、チームの為に何ができるかということをしっかり(理解して)、役割を遂行できる選手がプレータイムをつかんでいくので。(根本の活躍が)他の選手に対してのいいアピールになったんじゃないかなと思いますし、これから先は1個のルーズボール、1本のリバウンドをどれだけ取れるか、そこをどんな気持ちで取りに行くのか。そういうマインドを持った選手がCSでは必要になってくるので、今日は本当に大に関しては100点満点。(良くなかったのは)ラインを踏んだことくらいかな(笑)。
佐々木隆成の名古屋D戦後のコメント
-名古屋D戦の総括
昨日(第1戦)、ああいう形で出だしで一気にやられてしまって、スタートで出ている身として責任を感じていた。今日はコーチ陣からも出だしの部分は言われていましたし、そういった中で今日は出だしも良かったし、勝てたのは良かったと思います。それを言われてからやるのではなく、言われる前にやらないとCSでは負けたら終わりなので。これから出だしの部分というのは責任感を持ってやっていこうと思っています。

-シーズン終盤、苦しい試合が続いていたが、チームの雰囲気は
負けている時や、昨日までというのは、やっぱり雰囲気はそんなに良くなかったです。ただ、勝ちたいという気持ちは、コミュニケーションをとっている中で全員にあるので、夜ご飯食べている時もずっとバスケの話をしていますし、全員がどうやったら良い方向に向くかを、一人一人が考えている。雰囲気自体は悪かったですけど、CSに向けて今から良い雰囲気になるように持っていけていると思うので、これからもっともっと勢いにのれるようにチーム全員でやっていきたいなと思います。
-第1戦後にチーム内で話したことは
まず、戦術面ではリバウンドとルーズボールのところ。昨日はポゼッションで大きく負けてしまったので、そこを改善しようというところ。戦術うんぬんではなく、その前に気持ちの部分で、相手に負けない気持ちを出していこうという話をしました。
(高久理絵)