Bリーグ1部(B1)は12月23日から24日にかけて各地でレギュラーシーズンの第14節が行われ、琉球ゴールデンキングスはアウェイのオープンハウスアリーナ太田で群馬クレインサンダーズと対戦。23日に行われた第1戦は71-80で敗戦となったものの、24日に行われた第2戦は81-72で勝利。通算18勝6敗とし、西地区首位をキープした。
桶谷大HCも評価「努力を続けていってほしい」
ここまで同一カードでの連敗をしていない琉球。第1戦では2点リードで前半を折り返したものの、フィールドゴール成功率が39.7%にとどまるなどリズムを掴み切ることができず、後半に群馬に逆転を許し、敗戦となった。
第2戦では、インサイド陣が奮闘。第1クォーターだけでジャック・クーリーが5リバウンドに加えて、ファール4つを獲得、さらにヴィック・ローも3リバウンドに加えて3つのファールを獲得するなど、積極的なペイントアタックが奏功。相手ビッグマンをファールトラブルに追い込むことに成功した。アレン・ダーラム、渡邉飛勇、カール・タマヨのインサイド陣を3人欠く苦しい展開の中、相手にアドバンテージを取らせることなく試合を進めることに成功した。
外国籍だけではなく、日本人ビッグマンである植松義也の活躍も光った。第13節の長崎ヴェルカ戦の34分に次ぐ、18分間のプレータイムを勝ち取ると、速攻からの得点やオフェンスリバウンドを獲得するなど、随所でチームに流れを引き寄せる活躍を見せた。桶谷大HCは植松について聞かれると、「本当にいい繋ぎをしてくれているし、今日はビッグプレーも何個か出ていた」と活躍を評価。「ビッグマンのローテーションが戻ってくると、その中でプレータイムを勝ち取っていくことは難しいと思う」としつつ、「細かいことをしっかりやれていけば、もっともっと出場機会が伸びてくると思います。努力を続けていってほしい」と今後の活躍について期待を寄せた。
昨シーズンの優勝後の会見で桶谷HCは「セカンドユニットの強さ」「層の厚さ」を挙げたように、チームの層の厚さは連覇を目指していく上でも重要なポイントとなる。今季は開幕から大黒柱であるクーリーを欠き、その後もローやダーラムの欠場が続くなど、なかなかフルメンバーが揃わない状況が続いている。
そんな中でも西地区首位となる18勝6敗と好成績を残している琉球を支えているのは、日ごとにチームを救うヒーローが現れる層の厚さだ。ビッグマンが揃わなかったこの数試合で植松が素晴らしい活躍を見せたように、ピンチの時にステップアップ出来るメンバーが揃っているのが強みだろう。1月はEASLも含め11試合を行うタフなスケジュールの中で、新たなヒーローが生まれるのか。注目をしていきたい。
並里成にコー・フリッピン かつての同僚と再会
クリスマスイブに行われた試合では、沖縄からも多くのファンが応援に駆けつけた。もちろんお目当ては、かつて琉球ゴールデンキングスに所属した並里成とコー・フリッピンだ。
2人との対戦について桶谷HCは「2人がコートに立っているとどっちのコーチをしているのかわからなくなったり、2人とも親しい間柄であるので、試合中も話したりしたので不思議な感じがありましたが、楽しく試合をできました」と振り返った。
また、共にプレーをしてきた岸本隆一も「対戦相手としては嫌だなというのが正直なところ。お互いをよく知ってる分、やりにくさは毎回ある。素晴らしいアリーナで強度の高い試合をできたのが良かった」と振り返り、「群馬はこれから伸びていくチームだと思っているので、シーズンの最後にお互い成長して戦えるといいなと思う」とチャンピオンシップでの再会を期待した。
怪我人を複数人抱える厳しい台所事情の中、12月も7勝3敗と勝利を重ねている琉球ゴールデンキングス。大晦日と元日に対戦するのは、かつてチームを指揮した藤田弘輝HCが率いる仙台89ERSだ。1年の終わりと始まりを勝利で飾り、連覇を目指すシーズンに弾みをつけたいところだ。
(田中 隼翔)