第75回全日本大学バスケットボール選手権大会決勝戦が12月17日にオープンハウスアリーナ太田で行われ、白鷗大学が東海大学に71-68で勝利。3年連続で同一カードとなった決勝戦を見事に制した白鷗大が、2021年以来2年ぶり2回目の優勝を飾った。白鷗大は10日に女子も優勝を果たしており、史上3校目となるアベック優勝を果たした。
今大会の男子の最終順位は1位・白鷗大、2位・東海大、3位・筑波大、4位・専修大となった。優勝した白鷗大の脇真大(4年)は得点王を獲得し、最優秀選手賞を受賞。さらに、佐藤涼成(2年)とモンガ・バンザ・ジョエル(2年)が優秀選手賞に選出され、網野友雄ヘッドコーチは優秀監督賞に輝いた。
その他、東海大のハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア(3年)、筑波大の小川敦也(3年)、専修大のクベマ・ジョセフ・スティーブ(4年)が優秀選手賞を受賞した。
網野友雄HC「次のキャリアでも頑張ってほしい」
第1Qで脇が7得点をあげ、勢いに乗る白鷗大学が流れを掴むと19-14とリードで終える。第2Qに入ると連覇を目指す東海大学がゾーンプレスで8-0のランを仕掛けて一気に逆転。脇のファールトラブルもあり、35-37と東海大学が僅かにリードする形で前半を折り返した。
第3Qに入っても東海大の勢いは止まらず、一時9点差にまでリードを広げたものの、白鷗大もポーグが3Pを決めて食らいつくと、7点ビハインドで第4Qへ。
第4Q、東海大の西田公陽、中川が4ファウルでベンチに下がると、一気に白鷗大のペースとなる。残り4分でついに白鷗大が逆転すると、最後までリードが入れ替わる展開となったものの、勝負どころでのフリースローを決めきった白鷗大が見事に2年ぶりの優勝を飾った。
白鷗大の網野HCは試合を振り返り、「いろんな仕掛けとかチャレンジをされると予想をして、できる限りの対策をして挑んだが、それ以上に東海大学のエナジーやまとまりがすごくて、第3Q終わりまでは追い詰められていた。ゾーンに対してのオフェンスに対してもうまく攻めきれなかったが、最後まで選手が我慢しきったことで勝ち切ることができた」と選手たちの活躍を評価した。
エースとしてチームを引っ張り続けた脇については「白鷗大学に来てから一番怒った選手だった。彼のいいところも、足りないところも知っているが、ステップアップをしてくれたのを見れたのが良かった。次のキャリアでも頑張って欲しい」とエールを寄せた。
後輩たちにエール「超最高で終えられるように」
4年生としてチームを最後まで引っ張った脇は、「U19の代表漏れなど苦しい思いをしたなかで、それを糧にして頑張ることができた」と4年間を振り返る。昨年は同カードの決勝で涙を飲んでいただけに、「なんとしてでも後輩達に2年前の景色を見せたかったので、同じ景色を見せてあげられたのが嬉しい」と笑顔。「自分たちの代で優勝するのと、先輩達の代で優勝するのは見える景色が全然違うので、超最高で終えられるように頑張ってください!」と後輩たちにエールを送った。
自身の今後の目標については「まだ自分の弱いところがあるので、もっと成長してBリーグで活躍できればと思っています」とプロの舞台での活躍を意気込んだ。
大学バスケシーズンが終了し、ここから各選手がBリーグの特別指定選手やプロ選手としてプレーすることとなる。19日には脇が特別指定選手として琉球ゴールデンキングスに加入し、筑波大の三谷桂司朗は広島ドラゴンフライズと契約することが発表された。大学の舞台で輝きを放った選手たちが、Bリーグでどのような活躍を見せてくれるのか。若き戦士たちの今後の活躍からも目が離せない。
(田中 隼翔)