開幕戦黒星発進のアルバルク東京　けが人続出も大倉颯太「下を向かずにチャレンジし続ける」　指揮官は「フィジカル面」での修正を誓う

　Bリーグ1部（B1）2025-26シーズンは10月3日にレギュラーシーズン開幕戦が行われ、アルバルク東京は昨シーズン王者の宇都宮ブレックスと対戦した。

　ライアン・ロシターとブランドン・デイヴィスがインジュアリーリスト（IL）入りとなり、テーブス海もコンディション不良でベンチ外となるなど、主力が揃わない状況で開幕を迎えたA東京。第1クォーターは互角の立ち上がりとなったものの、宇都宮に3ポイントシュートを連続で決められ、徐々にペースを握られる。第2Qも宇都宮のフィジカルなディフェンスを前に攻めあぐね、27-45と18点ビハインドで折り返す。後半も安藤周人や福澤晃平を中心に反撃を試みたものの、最後まで点差を詰めることはできず。新本拠地・トヨタアリーナ東京での開幕戦を勝利で飾ることはできなかった。

　A東京は3Pシュート3本を沈めた安藤が16得点3リバウンド3アシストとマルチな活躍を見せたほか、セバスチャン・サイズは15得点10リバウンドのダブルダブルを記録した。新加入のマーカス・フォスターは10得点5リバウンドと、上場のデビューを果たした。

　第1戦後の記者会見では、デイニアス・アドマイティスHCと安藤、大倉颯太が記者の質問に答えた。

アドマイティスHCの宇都宮戦・第1戦後のコメント

ーー宇都宮戦・ 第1戦の総括

昨シーズンのチャンピオンシップ優勝チームである宇都宮ブレックスとの開幕戦には、非常に良いエナジーとフィジカリティで臨みました。しかし、フィジカル面では圧倒的に宇都宮さんのスタイルにやられてしまいました。サイズの問題もありますが、オフェンスでもディフェンスでも我々のバスケットをさせてもらえず、セカンドチャンスポイントで22点も取られています。こうした数字を並べられると非常に苦しい展開となり、このような結果になってしまったと感じています。

ーープレシーズンで今シーズンは速いバスケットを目指すと話していたが、現時点でどの程度できているか

けが人がいて苦しい状況ですが、全員が揃ってからその目標に向かいたいと思っています。特にポイントガードのテーブス海がいないと、このような展開では崩れてしまうケースがあります。今日（第1戦）は宇都宮さんのディフェンスにより、我々のオフェンスが最初のパスさえ入れない場面がかなり多く見られました。速い展開を狙っていくことはもちろんですが、それを実現するにはまず良いディフェンス、つまりリバウンドをしっかり確保してオフェンスにつなげていく必要があります。第1戦ではオフェンスリバウンドを15本も取られてしまい、速い展開をつくることがなかなかできませんでした。やろうとはしていましたが、今日は相手に封じ込められてしまったと思います。

ーー第2戦に向けて、どんな点を修正して臨みたいか

やはりフィジカル面が鍵になると思います。今日の試合でも立ち上がりから完全に宇都宮さんにペースを握られてしまいました。シャープさという点で今日は本当に欠けていたので、一つのポゼッションで（相手に）5点を奪われてしまう場面もありました。これはタレントやスキルではなく、メンタル面でいかにタフにプレーするかという部分です。日曜日（第2戦）で巻き返すためには、タフネスと相手のフィジカル面で圧倒されないことが重要になります。

大倉颯太の宇都宮戦・第1戦後のコメント

ーー宇都宮戦 ・第1戦の総括

プレシーズンでうまくいっていた自分たちのバスケットを継続しようと臨みました。自分たちのタイミングでアタックして相手が崩れたところを狙ったり、その中にこれまで磨いてきたハーフコートオフェンスを混ぜたりしながら得点を重ねるスタイルです。しかし今回は肝心な場面で決めきれず、相手のフィジカルに圧倒されて自分たちのバスケットをやらせてもらえませんでした。自分たちのペースを掴むことができなかったと思います。

ーー狙いとする形はできていたがシュートが決まらず、結果として個人プレーに頼る時間帯も多く見えた

プレシーズンでそれがうまくいっていたこともあり、皆がその形に自信を持っています。ただ、ハーフコートでしっかり戦うためにも、速攻なども織り交ぜていかないとハーフコートですらうまく機能しなくなってしまう。もちろん第1戦では個人に頼る形になりましたが、それをセルフィッシュだとは誰も思っていません。もしチームとして噛み合ってくれば、もっともっと強くなれるはずです。引き続きチャレンジし続けるしかありませんし、負けたことは悔しいですが、これを一つのステップとして捉えなければいけないと思います。

ーー主力が欠けている現状で思うようにいかない部分もある中で、昨シーズンの宇都宮との違いは感じたか

本当にフィジカルな戦いをしてきたなという印象です。やはりこれが宇都宮さんだなと感じました。レフリーが笛を吹きにくいところまで激しく来ていたので、その点では自分たちより上回っていた印象を受けました。また、インターコンチネンタルカップなど海外の強豪クラブとの対戦でも、こうしたフィジカルな部分は強く感じているところです。

ーー人数が限られる苦しい状況だが、ポジティブに乗り切っていこうという声かけはあるか

明日（4日）も練習があるので、そこでしっかり話し合うことになると思います。ただ、結局やるしかないということに変わりはありませんし、先ほども言ったように、これをネガティブに捉えるのではなくチャンスだと考えています。下を向かずにチャレンジし続けることが大事です。もちろん勝ち負けは非常に大事ですが、「誰かがいない」「メンバーがいない」ということよりも、一つの成長段階だと捉えています。自分自身もそうですし、チームとしてもその姿勢を変えずに続けていきたいと思います。

安藤周人の宇都宮戦・第1戦後のコメント

ーー宇都宮戦・ 第1戦の総括

フィジカルの部分で相手にやられてしまい、今日は自分たちがしっかり対応できませんでした。宇都宮さんの方が開幕戦での戦い方を熟知していて、自分たちは一歩引いてしまったことが今日の敗因だったと思います。

ーー主力メンバーがけがで欠場する中で戦ったことについて

怪我はシーズン前からシーズンを通して起こり得るもので、そこは仕方がないと思います。それに、主力が抜けていたから負けたんだ、という言い訳はしたくありません。単純に、これが今の自分たちの現在地であり、自分たちの立ち位置なのだと改めて分かったと思います。今日の敗戦をしっかりと受け止めて、明後日の第2戦に向けて何ができるかを考え直したいと思います。

ーー今シーズンから二地区制になり、一戦一戦の重みが増す中で、第2戦にどう臨むか

CS（チャンピオンシップ）の出場権を得るのは今季はより難しくなる部分もあると思います。しかし、そうしたことにとらわれるのではなく、今自分たちに必要なことを考えて、目の前の相手を倒すには何ができるかを追求していきたいです。自分自身もチーム全体も、もう一度そこをしっかり考え直して第2戦に備えたいと思います。

ーー第2戦に向けて修正すべき点は

今日に関して言えば、立ち上がりから相手の方がハードに来ていました。やはり昨シーズンのチャンピオンだけあって、本当に戦い方を分かっていると感じます。一方で自分たちは主力が抜けている分、よりチーム一丸となって戦わなければいけません。よりチーム力を高めるために何が必要なのかを考えなければいけませんし、現在インサイドの選手が不在の中でザック（バランスキー）さんが懸命に頑張ってくれているので、そこをどうカバーするかといった課題が今日は多く見つかりました。一度に全てを修正するのは難しいですが、残り59試合あります。最後の1試合が終わるまでに、こうした課題を一つ一つ修正していければ良いと考えています。