開幕連敗スタートの秋田ノーザンハピネッツ  強豪との対戦多数の“魔の10月”へ 前田HC「チャレンジしていくだけ」
秋田ノーザンハピネッツのメンバー©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は10月3日から5日にかけて、各地でレギュラーシーズンの第1節が行われ、東地区の秋田ノーザンハピネッツはアウェイの青山学院記念館で同地区のサンロッカーズ渋谷と対戦した。

 第1戦では秋田が第1クォーターを20-18とリードする好スタートを切り、キアヌ・ピンダーヤニー・ウェッツェルら新加入選手が活躍。前半を40-41と1点差で折り返すと、その後もリードチェンジを繰り返す激しい攻防が続いたものの、終盤にSR渋谷のプレッシャーディフェンスに押され、最終的には69-76で惜敗した。

 翌日の第2戦、秋田は第1クォーターだけでSR渋谷のディディ・ロウザダに16得点を許すなど、序盤から苦しい展開に。ロウザダが下がった後もSR渋谷の勢いは止まらず、36-55と19点ビハインドで前半を終える。後半、秋田は田口成浩やウェッツェルが3Pシュートで反撃を試みたものの、序盤についた大差を最後まで埋め切れず、最後は69-86で敗戦。開幕節を2連敗で終えることとなった。

 秋田は第2戦でピンダーが25得点9リバウンドとダブルダブルに迫る活躍を披露し、ウェッツェルも15得点7リバウンドと攻守に存在感を示した。また、中山拓哉栗原翼の両ポイントガードが欠場する中、ゲームメイクを担った菅原暉は11得点2リバウンド3アシストと意地を見せた。

 秋田は今後、11日と12日に行われる第2節で西地区・シーホース三河とアウェイで戦い、15日の第3節にはアウェイで同地区・アルバルク東京と、18日と19日の第4節では西地区・琉球ゴールデンキングスとホームで対戦することが決まっており、強豪チームとの対戦が続く。SR渋谷との第2後の記者会見では、前田顕蔵HCと菅原が記者の質問に答えた。

25得点を挙げたキアヌ・ピンダー©Basketball News 2for1

前田顕蔵HCのSR渋谷戦・第2戦後のコメント

ーーSR渋谷戦・第2戦の総括

1Qがすべてなのかなと。ディディ(ロウザダ)選手と、彼から始まって、ベンドラメ選手が開始2分くらいで2ファウルしたところくらいまでは良かったですけど、その後ディディ選手が乗って、そしてハーパージュニア選手、この二人が乗ったということが分かった中で、連続でやられてしまった。タイムアウトを2つ取っても流れを変えられなかった。そういう自分の力不足と、チームですぐに局面を読んで「この選手が当たっているな」という理解のもとで判断できなかったことが、非常に悔やまれるところです。

このビッグクォーターを作られた後の追いかける展開というのは非常に難しいのですが、選手たちは諦めずに最後までやってくれたのは非常に良かった。ただ、チームとしては、強いチームに対してこれだけの点差を出だしから開かれると、流れを切るディフェンスができなかった。僕たちとしては守って攻めたいので、そこを、自分たちのしたいバスケットができなかったというのが非常に未熟だったなと思います。

ーー「1Qがすべて」とおっしゃっていたが、どんな部分をタイムアウトを取って変えたかったのか

「この選手が当たっているよね」という確認と、ディフェンスのところを締めようとした中で、今度はハーパージュニア選手が当たった。そこが切りきれなかった。メインはディフェンスで、そこからオフェンスがすごく慌てたので、両方うまくいかなくて、焦って単発なシュートになった。気持ちよくアウトサイドからシュートを打てなかったので、ペイントをうまく攻略できなかったというのはオフェンスの反省点です。

記者の質問に答える前田顕蔵HC©Basketball News 2for1

ーー第1戦から修正した点、強化してきた点は

渋谷さんのプレッシャーに対して、昨日(第1戦)第4Qにハーパージュニア選手のボールプレッシャーでターンオーバーしたり、けっこう崩されたので、そのプレッシャーに対して準備していました。また、オフェンスの部分でなるべく単発にならないように。そこの部分を作りたかったんですが、そこはあまり1Qが特にできなかったかなと。あとはリバウンドだったんですが、これだけシュートが入ってしまうとリバウンド勝負にならないので、第1Qのディフェンスのところ、正直、ディディ選手がこれだけ入り続けるという部分では、僕としては反省が大きい。そこをすぐに修正しきれなかったのと、ハーパージュニア選手の思い切りの良さというのは非常に痛かったです。

ーー今シーズン、日本人の新加入選手として高比良寛治や菅原暉がいるが、この二人がチームにもたらしているものと今後に対する期待は?

菅原選手に対しては、どんどんチャレンジしてほしいというのが正直なところです。群馬ではほとんどプレータイムがなかった。彼が今スタートで、これだけプレータイムを得て、得点にも絡みながらプレーメイクして、味方を生かすというところは、彼のキャリアの中でできていないので、そういう部分ではどんどんチャレンジしてほしい。彼の良さをどんどん出してほしいと思っていますし、ディフェンスのところはまだまだ、良くはなってきていますけどもっとできると思うので、そういうところは彼のサイズを生かしながら作っていきたいなと思っています。

高比良選手に関しては、ベテランというかリーダーシップの部分を期待していますし、こういう難しい展開でもあきらめずにチームを引っ張っていってくれるところは非常に大きな役割だと思っています。ディフェンスのところは非常にフィジカルなので、そういう部分では秋田にフィットするセンスだと思う。泥臭い部分を全面的に出しながら引っ張ってほしいなと思います。

ーー選手の頑張りは継続していたし、試合の終わり方も悪くなかったと思うが、その点については

チームのアイデンティティーとして、今日も秋田のブースターの方たちが多く来てくださっている中で、そもそも内容は良くなかったんですが、諦めたりとか、だれたりという内容を見せるわけにはいかない。選手が40分間やり切ってくれたのは良かったなと思うんですけど、やっぱり勝ち負けという部分で勝負しているところを見せたいので、第1Qがすべてだったなと思います。

ーー10月はかなりタフな対戦相手だが、どう向き合っていきたいか

昨日(第1戦)、中山選手がケガをして、栗原選手もいないとなって人数が減った中で、残りの対戦相手はCSに行ったチームしかないので、そこに対してチャレンジしていく、それだけかなと思います。スタイル自体は追求していくだけだと思っているので、細かい部分、KP(キアヌ・ピンダー)が入って新しくケミストリーをつくらなければいけない部分と、ディフェンスの徹底をしないといけない部分を来週取り組んで、三河戦の準備をしたいと思います。

菅原暉のSR渋谷戦・第2戦後のコメント

ーー第1節 SR渋谷戦・第2戦の総括

試合が終わってHCも言っていたんですけど、(ボールを)渡してはいけない人に何回もスリーを決められてしまったというのは、そこが大きい点差になってしまって、なかなか追いつくことができず、難しい試合になったと思います。

ーー第1Qでタイムアウトを二回使って、その後は選手たちでプレーを組み立てていく必要があったが、どう組み立てていったのか

1Qであれだけ点差が開くと、とにかく早いテンポでバスケットする必要がある。その辺りをなかなかエントリーすることができなかった場面もあったので、次の試合に向けてしっかり練習をしていかなければいけないと思います。

記者の質問に答える菅原暉©Basketball News 2for1

ーー大きく点差が開いた中で、後半の入りも悪くなかった。ハーフタイムのロッカールームではどんな話があったのか

点差がまだ20点差くらいで、追いつける点差だった。出だしが本当に大事だということを言っていたので、そこでもう一度切り替えて全員で臨もうと思ったんですが、それを続けなければいけないと思います。今日(第2戦)また二人欠けてしまったんですが、また次に向けて頑張っていきたいと思います。

ーーホーム開幕戦もあるが、10月はタフな試合が続く。どう向き合っていきたいか

10月は昨シーズンのCSに出場したチームと当たるので、本当にタフになると思うんですが、毎週いい準備をしないと勝てないと思います。今回の試合からしっかり学んで、次につなげていきたいです。

ーーうまくいかない中でも状況を変えようと意志が伝わってきたが、その時間帯はどういうことを考えていたのか

ボールハンドラーが限られていて、相手のディフェンスもドロップで下がっているディフェンスだったので、しっかりピックアンドロールを攻めることが重要だと思っていました。そこでも判断が完璧ではないんですが、しっかり外国籍選手とコミュニケーションを取りながら、もっといいケミストリーを深めていければなと思います。

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