CS・SF敗退の千葉ジェッツ グリーソンHC「明るい未来へ一歩大きく進めた」けが人続出も若手の成長など収穫
セミファイナルで敗退となった千葉ジェッツ©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は17日から19日にかけて各地でチャンピオンシップ(CS)・セミファイナル(SF)が行われ、リーグ全体5位の千葉ジェッツはアウェイの日環アリーナ栃木で同首位の宇都宮ブレックスと対戦した。

 1勝1敗で迎えた19日の第3戦、第1クォーター序盤から両チームとも質の高いディフェンスを披露し、一進一退の展開に。千葉Jは富樫勇樹が3ポイントシュートから連続得点を決め、15−13で第2Qへ突入。しかし、第2Q、宇都宮のグラント・ジェレットの連続3Pシュートで突き放される。その後も、勢いに乗った宇都宮を止めきれず、第2Qだけで30得点を許し、31−43と12点ビハインドで後半へ。

 後半、宇都宮の長距離砲を止められず、リードを最大20点まで広げられたものの、渡邊雄太が悪い流れを立ち切るように得点を決める。その後はジョン・ムーニークリストファー・スミスらが粘り強く得点を重ね、徐々に流れをたぐり寄せると、第4Q残り4分53秒にはディー・ジェイ・ホグの3Pで6点差まで迫る。しかし、オフィシャルタイムアウト明けにジェレットと比江島慎に連続で3Pシュートを決められ再び二桁リードを許すと、その後は宇都宮に主導権を奪われ、71−82で敗戦。SFでの敗退が決まった。

 第3戦では、スミスが22得点5リバウンド2アシスト、ホグが13得点5リバウンド5アシストを記録。スターティングメンバーのムーニーは4得点ながら8リバウンドを記録しチームに貢献、キャプテンの富樫は9得点2リバウンド5アシストとチームを生かす活躍を見せた。

 試合後の記者会見では、トレヴァー・グリーソンHCと富樫が記者の質問に答えた。

試合後、ギャビン・エドワーズ(中央右)に声をかける千葉Jの富樫勇樹(中央左)©Basketball News 2for1

トレヴァー・グリーソンHCの宇都宮戦後のコメント

ー宇都宮戦・第3戦の総括

 まず試合ですが、とても残念な結果になってしまいました。後半に関しては本当に素晴らしいチームプレーができたと思うのですが、前半、12点差も開いている状態だと、すぐに20点くらい開いてしまうので、そこからだとチームがカムバックするにはパーフェクトな試合をしないといけないなと思っていました。チームとして、本当に最後の最後までハードに戦い続けて10点差まで縮めることができたんですが、そこでレイアップを外したり、ダンクを外したりという結果になってしまった。そこで相手に流れを与えてしまって、それでもまた6点まで縮めることができたんですけど、結果的に相手に流れを与えてしまいました。

 あとは、ターンオーバー。試合を総括してもターンオーバーが多すぎたところが違いだったというところと、ジェレット選手も当たって(3Pが)5分の5という形で。ただ、最後まで戦い続けたチームを本当に誇りに思いますし、シーズンを通してもたくさんの逆境がありましたが、みんながステップアップしてくれて、お互いにプレーしあったのは本当に良かったと思います。これからの明るい未来へ一歩、大きく進めたのかなと思います。

記者の質問に答えるトレヴァー・グリーソンHC©Basketball News 2for1

ー今シーズンはけが人が相次いで苦しい戦いとなったが、来シーズンに向けて

 (渡邊)雄太はシーズンを通して半分くらいしか試合に出られなかったので、そこはしっかり体の部分も含めて準備していかなければいけないと思います。残念だったのは、シーズン終盤のところで(富樫)勇樹がけがをしてしまったところ。

 ただ、残念なことがたくさんあったんですが、ポジティブにいえば(瀬川)琉久が若くして、この試合を通して学べたと思いますし、プレッシャーをかけられた中で自分がどう打開できるかというところも含めて、これがプレーオフだということが分かったと思うので、そこから得られるものがたくさんあると思います。

 シーズン通して、原選手や田代選手も一貫性を持って、常にチームにいい影響を与えてくれて、たくさんのポジティブなことがありました。ただ、今日(第3戦)本当に残念だったのは、ポジティブな形で(後半の)20分しかプレーできなかったことです。これが40分間プレーできなかったことが残念だと思いました。

ー宇都宮ブレックスに向けて

 最後に言わせていただきたいのですが、ブレックスさんは本当に素晴らしいチームで、ここから先の決勝の幸運を祈っています。(逝去された)HCのケビン・ブラスウェル氏は、ニュージーランド時代、選手からコーチに関しても本当によく知っている方で、東京に来る前にもよく話をしてコミュニケーションをとっていたので本当に残念でした。このチームは大変素晴らしくて、この決勝に進むに値するタフな試合を展開してくれたので、ここからそのままチャンピオンシップを勝ちとるチームになることを願っています。ありがとうございました。

富樫勇樹の宇都宮戦後のコメント

ーSFを終えて、今の率直な気持ちは

 現在地の自分たちの力はすべて出し切ることできたかな。こういう試合をGAME3でしてしまうというのが、まだ(千葉ジェッツが)そのレベルのチームだったと思いますし、シーズン通して怪我人が多く出てしまった中で、試合や練習でフルメンバー揃ってチーム力を上げていくコミュニケーションを中々できなかったので、そういうチーム力としての蓄積の差が最後に出てしまったかなと思います。

ガッツポーズを決める千葉Jの富樫©Basketball News 2for1

ーSFを通して、特に第3戦は宇都宮の気迫を感じたか

 昨シーズン(CS・QF)の結果どうこうというより宇都宮さんは、ずっとトップにいるチームなので、わかっていたことというか、こういう強いチームに対しては、1プレー1プレーのミスが大きく響いてしまうので。自分たちの実力を出せなかったというよりは、率直にブレックスさんのチーム力が僕らより少し上だったかなと感じました。来シーズンはチーム力の部分(熟練度)で負けないように頑張りたいなと思います。

ー今回、レギュラーシーズンのけがが完治しない状態でCSを戦ってきたが、どんなCSになったか

 けがというか、自分のコンディションを高く保つのも選手の実力の1つで、それができなかったのは残念です。ただ、あの時のけがを防げたか?っていうのは、今考えてもそうは思わないですけどね。タイミングも含め、長いシーズンもそうだし、キャリアも含め、それが今の自分の実力って言ったらあれですけど。できる限りけがをしない体づくり、コンディションづくりというのも選手の実力の1つの大きな要因だと思ってるので、個人的には、それを負けた言い訳にはできないですね。来シーズンはけがなく、フルシーズンベストな状態で、戦えるようにしていきたいと思います。

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