
Bリーグ2部(B2)東地区3位の信州ブレイブウォリアーズは23日、ホームのことぶきアリーナ千曲(千曲市)で東地区首位のアルティーリ千葉と対戦し、71-100で敗れた。
ことぶきアリーナには過去最高となる3246人が集った注目の東地区上位対決。信州は22日の第1戦では栗原ルイス、生原秀将、ウェイン・マーシャルが欠場となり、82-89で惜しくも敗戦。第2戦では、加えてペリン・ビュフォードとテレンス・ウッドベリーも欠場し、外国籍選手が不在で戦うことになった。
強豪相手に序盤から差をつけられ、苦しい状況となった信州だが、選手たちは最後まで戦う姿勢を忘れずに食らいつく。ベンチメンバー中心にハードにプレーし、第3クォーターではアキ・チェンバースや小玉大智、エリエット・ドンリーらが積極的なアタックをしかけ、相手の得点を上回る28得点を記録。しかし、3ポイントシュートの精度や、ターンオーバーからの失点が響き、点差を詰めることができずに29点差の完敗となった。
信州はチェンバースが21得点、ドンリーが19得点、小玉が11得点を記録。通算成績は32勝19敗となり、地区2位に浮上した富山グラウジーズを2ゲーム差で追う形となった。A千葉戦後の記者会見では、勝久マイケルヘッドコーチ(HC)とドンリー、小玉が記者の質問に答えた。
勝久マイケルHCのA千葉戦後のコメント
ーA千葉戦第2戦の総括
チーム内では遂行力の面だったり、もっとうまくできることはたくさんあったと我々は分かっていますけど、選手たちが最後まで戦ったかどうかといったら最後の1秒まで戦った。どんな状況でも応援してくれる方々のために、やっぱりハードにプレーしようとチームはしたので、それに対して 今日(第2戦)のような試合でも、ブースターの皆様が最後まで熱い応援を送ってくださったので感謝しています。今は大変な状況ですけど、チーム一つとなって、乗り越えて何とかしていきたいという思いです。

ーベンチメンバーの活躍について
エリー(ドンリー)はベテランですけど、彼も他の選手もそうやってリズムを取るチャンスになることもありますし、若い選手にとっては良い経験になります。今後、(渡邉)飛勇が今日のように4番をやらなきゃいけない状況もあるかもしれない中で、それこそ良い経験になりました。
でも、こういう30点差のゲームでやっぱり自分は彼らが誇らしいので、ネガティブなことは言いたくはないんですけど、かなり厳しい状況の中でのミスが目立たないわけではないですけど、やっぱりコートには必ず立つ状況にある。 何かあったから交代させられるとかっていう状況ではない。
先ほども言ったように選手たちは最後まで戦ったので、それは誇らしいんですけど、自分たちはどういう状況でも高いスタンダードを持ちたいっていうのは分かっていて、何がもっと良くできないといけなかったかっていうのを分かっている。なので、競った試合の中でフルメンバーになっても、リズムを取り戻す選手だったり、調子を上げる選手だったりっていうのは、そういう状況になっても、ディフェンスでミスなくとか遂行力面でミスなくとかっていうところに持っていかないといけない。 でも、それに持っていくための少なくともきっかけにはなると思うので、そういう意味では良かったと思います。
ー試合後のハドルでは選手にどんな言葉をかけていたのか
けが人が多い状況で、プレーオフに向けて(ロスター登録の)凍結日も過ぎたので、もうこのメンバーでどんな状況でもやる。これは言っていないんですけど、今後アジャストも必要かもしれないし、今後に向けていろんなことがある中で、「ハートを持って一つになってやる」とか、「みんなで何とかしていく」などを英語で話しました。
エリエット・ドンリーのA千葉戦後のコメント
ーA千葉戦第2戦の総括
苦しい状況の中で負けは負けですけど、その中で信州のバスケを遂行できたところもあったと思います。この試合から学ぶこともいっぱいあった思うのでこれからも頑張りたいと思っています。

ー2日間を通して信州のスタイルやスピリットが見えた。チームにとってどのような2日間になったか
アルティーリ千葉はB2の中で一番強いと言われるチームです。プレーオフでも相手としてやる可能性はある中で、何が良くできて、何がうまくいかないのかなど、そういうものを学べたと思います。
ー最近は調子を落としていた。その期間では何を考えてプレーしていたか
とにかくプレータイムとか関係なく、自信を持って自分らしいバスケをしたいと思っていた。波がある中で、どういうふうに活躍できるのかをちゃんと考えて、結果を残したいという気持ちもあった。そういうことはプロの世界の中ではあることなので、そこからどうやって立ち上がるかっていうのが大事。これからもっともっと立ち上がりたいっていう気持ちはあります。
ー今後に向けての意気込み
シュートはそんなに入ってないんですけど、このまま打ち続けて決めるっていう自信があるのでこれからもっと頑張りたいと思っています。
小玉大智のA千葉戦後のコメント
ーA千葉戦第2戦の総括
今日は外国籍選手がいない中での試合だったんですけど、リバウンドのところが、昨日(第1戦)からアルティーリさんは強みだったので、そこをどう抑えられるかで自分たちがどれくらい取れるかっていうところが明らかになった試合だったかなと思います。
そこで(A千葉が)オフェンスリバウンド19本。取られたのか、抑えられたかっていうのは、はっきり言えないんですけど、でも全員で取りに行けたからこの本数だったのかなっていうふうに思っている。エナジーの部分とか普段言われると思うんですけど、そこに関しては、今日はしっかりあったと僕は思っていて。
どうしても今日のメンバーで練習してないからうまくいかない部分もあったりしたんですけど、そういうところは今日の試合ではある意味、僕はいい収穫ができたと思います。今の僕らのチーム状況でいうのは、周りから『何言ってんだ』と思われるかもしれないんですけど、今のチームに大切なものを今回得たのかなと僕は一試合通して思いました。

ー信州のメンタリティやディフェンスを体現できた時間帯が長かった。どのように評価するか
でも、結果的に言ったら失点はすごく多かったっていうのは間違いなくあります。ターンオーバーからの得点であったり、セカンドチャンスを与えてしまった得点がすごく多かった。でも、全員で守るという部分は、多分いつもよりは多く見られたのかなと思っている。人任せになったりしていなくて、一人ひとりが責任を持ってディフェンスして、周りが助け合って、ローテーションしてっていう部分が、昨日もそうでしたけど、昨日今日と前より僕は成長できた2試合だったなと思います。
『今のこの状況でそういうことを言っていると遅い』という人も多分多くいると思うんですけど、そういう声よりも、僕らは本当に1個1個成長していくしかない。そういう意味では、僕はポジティブに捉えられる2試合だったかなと思っていて、これをさらに良くすれば絶対負けないチームになると思います。
ー大黒柱のマーシャルがいなかったことが、各々の責任感を生んだのか
やっぱりトヨ(狩野富成)のステップアップも僕は大きいと思いますし、今までウェインさんがいないとできなかったところが飛勇さんとトヨがその穴を埋める活躍をしてくれていた。僕らも自分たちの仕事をちゃんと全うするというのがあったと思います。
でも、やっぱりまだ課題としているリバウンドのところとか、疲れていてもみんなで戻って守るっていう部分が、まだ僕的には足りない部分。ただ、課題が明確なので、そこをうまく埋めていけば、今日だって結果は29点差だったんですけど、負ける試合じゃなかったと思いますし、僕らもこれからもっとうまくいくチームだなって感じることができました。
ー今季課題とする3ポイントシュートで食らいつく時間帯もあった
前半は自分的には迷っていた部分があったんですけど、やっぱり勝つためには、普段点を取ってくれている選手がいないからこそ、みんなで点を取らないといけない。攻めるところはちゃんと自分も武器を出していこうと思って、狙えるときは3ポイントを狙った。それが結果「3本しか入らなかった」と捉えるか、「3本も入った」と捉えるかはあれだが、僕の目標だともう少し決められると思っている。
でも、それが僕の中では良いアピールになったし、それをもっと向上させたい。今日は9分の3だったのが、9分の5になっていれば、もしかしたらもうちょっと詰められるゲームだったかもしれない。残りの本数を決められるように努力するだけかなと思います。
(芋川史貴)