三遠ネオフェニックス、群馬に連勝で中地区優勝M1も大野HCは油断なし「ひとつのミスが命取りになる」 CSへ向けて「『気づき』を伝えていけたら」
三遠ネオフェニックスの大野篤史HC(中央)©Basketball News 2for1
Bリーグを中心に、Wリーグや学生バスケ、日本代表など日本のバスケットボール界を取材し、情報発信をするメディアです。バスケットボールに関するさまざまなニュースをピックアップし、お届けします。

 Bリーグ1部(B1)は12日と13日の両日、各地でレギュラーシーズンの第31節が行われ、中地区首位の三遠ネオフェニックスはアウェイのオープンハウスアリーナ太田で東地区3位の群馬クレインサンダーズと対戦した。

 12日の第1戦では、第1クォーターから堅実なディフェンスで群馬をけん制し、オフェンスでは吉井裕鷹大浦颯太を中心に得点を重ねていく。第2Q、大浦、吉井が3ポイントシュートで流れを引き寄せると、デイビッド・ヌワバも群馬のディフェンスを突破して得点を重ね、勢いにのる。後半は一進一退の攻防が続いたが、三遠はシューター陣のシュートの精度とディフェンスの強度が落ちることはなく、最終的に83−78で白星を飾った。

 翌日の第2戦では、両チームとも第1戦以上に強度の高いディフェンスで守り合いの展開となるも、三遠はヌワバや大浦が内外から得点を重ねていく。14−18の4点ビハインドで第2Qに入ると、佐々木隆成の3Pシュートで勢いに乗り、三遠が得意とするスピード感ある攻撃で群馬をほん弄。7点リードで折り返した第3Q、なかなかネットを揺らすことができず、群馬に反撃を許す。1点差まで迫られたところでようやく吉井が得点を決め、集中力を取り戻すと、7−0のランで群馬を引き離して最後は83−77で勝利。アウェイで白星を重ね、連勝を「5」に伸ばした。

 第2戦では、デイビッド・ダジンスキーが16得点6リバウンド、佐々木が15得点2リバウンド7アシストを記録。ヌワバが11得点12リバウンド2アシストでダブルダブルを達成した。タイトなディフェンスの隙をついたミドルショットなど技が光った大浦は、13得点1リバウンド1アシストの活躍を見せた。

 第31節を終えて通算44勝7敗と中地区首位を独走する三遠は、16日の第32節をファイティングイーグルス名古屋とアウェイで対戦し、19日からの第33節を中地区3位のシーホース三河と浜松アリーナで対戦する。現在、地区優勝マジックを「1」としている三遠は、早ければFE名古屋戦で中地区2連覇が決定する。

 第2戦後の記者会見では、大野篤史HCと佐々木が記者の質問に答えた。

大野篤史HCの群馬戦後のコメント

ー群馬戦・第2戦の総括

 今節の課題、自分たちの課題というところが見えた試合だと思います。水曜日のゲームにむけてしっかりと準備していきたいと思います。

記者の質問に答える大野篤史HC©Basketball News 2for1

ー体づくりやけが予防はどのようにしているか

 メディカルとストレングスの方は僕は専門外なので、そこはもうメディカルとストレングスの担当の方に任せています。もちろん、練習量をコントロールしたり、疲労度、どれぐらい走ってるか、跳んでるかというのはチェックしているので、それでコントロールしています。

ー勝敗ではなく内容に重きをおいていると思うが、今節で見えてきた課題をふまえて次節のFE名古屋戦をどう戦っていくか 

 まだディフェンスのエクスキューション(戦術を遂行する能力やその遂行そのもの)が低い。コートにいる5人の中で一人だけ分かっていないというシチュエーションがかなりあるかなと思っています。それがトラブルのもとで、そこを自覚できていないプレイヤーがまだいる。コートに出る責任というのはそういうことで、ゲームプランとかエクスキューションとか色々なことがある中で、まずそこの自覚を持たなければいけない。

 その後に、エマージェンシーの中で応用、対応していかなければならない。そこのコミュニケーションも足りない。違うことにフォーカスしている。例えば、ディフェンスでトラブルがあった時に次のオフェンスに引きずってしまったり、オフェンスでトラブルがあった時に次のディフェンスに引きずってしまったり、その無駄なフォーカス、向かなければいけないところに向いてにない状況のまま今節40分間、ほとんどのポゼッションそうだったんじゃないかなと思っています。

 トラブルを一人が理解できていない、一人が違うところにフォーカス向いていたり、一人は審判に向いていたり。自分たちの共通理解をもってオフェンス・ディフェンスを遂行できたかといったら、ちょっと酷かったかなと。前節のアルバルク(東京)さんの試合の時のエクスキューションと今節のところ、ちょっと全然違っていたのでまだ本物じゃないなと思っています。

 CSにむけて、ひとつのポゼッションだったり、ひとつのミスが命取りになる。そこをもっと理解しなければならない。簡単に勝てる試合なんて一つもないので。勝負の厳しさというか…なんて言うんですかね。自覚っていえばそれまでなんですけど…なんだんだろうね、本当に(苦笑)。欲っしていないのかなとも思ってしまうし、これでいいと思っているのか。そこの「気づき」というところをもう少し伝えていけたらなと思います。

佐々木隆成の群馬戦後のコメント

ー群馬戦・第2戦の総括

 勝てたことは本当に良かったなと思いますが、まだまだ、もっともっとタフに戦わないと。CSでは苦しい戦いになると思うので。あと10試合弱くらいある中で、もっとチームとして成長してCSに入れるように、色々なことを修正していきたいなと思っています。

記者の質問に答える佐々木隆成©Basketball News 2for1

ー佐々木選手といえば熊本時代から「スティール」というイメージがある。三遠にきて視野やプレースタイルが変わってきた部分などあるか

 熊本時代から考えれば変わった部分は多くあるんですが、ここ1、2年でやってることというのはそんなに変わっていない。今までやってきたことのレベルがちょっと、ちょっとだけですけど成長できている実感はあるので、そういったところが要因かなと思っています。

ー第4Qのキックアウトは味方が見えていてのパスだったのか、それとも誰かが取ってくれるはずという信頼があってのことだったか

 場面場面で変わるんですが、基本的にはいる、確認できてパスすることが多いです。ヤン(メイテン)とか、走ってゴール下まで行ったら基本的にディープシール(ディフェンスに体を密着させて面を取るポストアップ時の技術で、自分の体を壁のようにして面を取ること)でシールしてくれるので、それを見えていないけどしてくれているだろうなと(パスを)出す時はありますけど、基本的には見えていてパスを出しています。

ー今節で見えてきた自身の課題は

 苦しい時にバスケット以外のところにベクトルが向いてしまう。それが一人ではなくて、いろんな方向に向いている時間帯が多くある。それが同じ方向を向かないと苦しいと思います。誰かが(別方向に)向いても、こっち側に引っ張るような言動だったり行動だったりができるのがチームだと思うので、そういったところが課題かなと思います。

ー次節FE名古屋戦、CSにむけて

 残り10試合弱くらいあってまだまだ良くなる部分があると思うし、レギュラーシーズンで、残りの試合で成長していって、一番いい状態でCSにむかうというのが、目の前の僕たちの目標。そのために何ができるかというのを一人一人が考えながら、バスケ以外じゃなくても生活面とかそういったところも関わってくると思うので、そういうのを意識しながらそれぞれが生活するというのも大事かなと思います。

(金野恵理)

Twitterで最新情報をゲット!

おすすめの記事