
Bリーグ1部(B1)は26日と27日の両日、各地でレギュラーシーズンの第35節が行われ、中地区4位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズはホームのドルフィンズアリーナで同地区首位の三遠ネオフェニックスと対戦した。
第1戦、8連勝中の勢いそのままに、得意とするディフェンスからの速い攻撃で21-0のランをつくり、第1クォーターを26-9と圧倒。第2Qも堅守を緩めず、ルーク・メイの3ポイントシュートやザイラン・チータムのインサイドアタック、スコット・エサトンのゴール下などで得点を重ね、前半で62-31とダブルスコアで折り返す。後半、三遠のデイビッド・ダジンスキーの連続3Pやヤンテ・メイテンのペイントアタックなどで差を詰められたものの、96-81と第1戦を危なげなく勝利した。
翌第2戦、先発を変更しボールマンへのプレッシャーを強めてきた三遠に対し、オフェンスがペースダウン。得点が伸びず、第1Qで14-26と12点のビハインドを背負う。第2Q以降も点差を詰めることができず、三遠に試合をコントロールされる展開が続く。効果的なオープンスリーを決めきる三遠に対し、3ポイントが32本中5本の成功にとどまるなどショットが決まらない名古屋D。リバウンドでも名古屋Dの37本に対し、三遠に49本を奪われるなど差をつけられ、最後まで追い上げることができず。64-79で敗戦となり、第35節を1勝1敗で終えた。また、三遠戦での敗戦により、名古屋Dのチャンピオンシップ(CS)進出の可能性がなくなった。
第2戦では、名古屋Dはチータムが17得点11リバウンド、エサトンが13得点を記録した。来シーズンから主戦場をIGアリーナに移すため、ドルフィンズアリーナでのホームゲームはこの日が最後。会場には6061人のファンが訪れ、ホームゲーム史上最多の入場者数を記録。赤く染まった会場の中で、ブースターが「ドルアリ」への別れを惜しんだ。
試合後の記者会見ではショーン・デニスHC、齋藤拓実が記者の質問に答えた。

ショーン・デニスHCの三遠戦後のコメント
-三遠戦の総括
相手が昨日(第1戦)よりフィジカルにやってくることは予想していました。全体的には2点でやられたと思います。まずはポゼッションポイントで相手(三遠)は21点自分たちより(多く)取ったことと、3ポイントシュート。この2点で負けたと思います。

-シーズン終盤にきて9連勝と調子を上げたチームの評価は
残念ながら、今年はシュートがうまく入らなかった。うちのオフェンスのシステムはシュートが入らないとうまく機能しない。あとは新加入の選手がうちのシステム(特にディフェンス面)を信じてやってくれるのに時間がかかった。確かに今のように調子よく噛み合ったときには良いバスケットができたと思いますし、最後の最後まで(CSの)希望があった。ここからは(シーズンの成績が)33から35勝になるのですが、他のリーグだったら(60試合のうち)35勝もすればCSに行けると思うんですけど、日本のBリーグではそれはシステム上難しいところです。
-最終節のシーホース三河戦に向けて
いつもの他の試合と変わらずに準備します。プロですし、CSに行ける行けないに関係なく、最後の最後までプレーしなくてはいけない。それはうちの文化のためでもあるし、クラブ、スポンサー、ファンのためでもあります。全員で全部出し切って最後までプレーするつもりです。
齋藤拓実の三遠戦後のコメント
-三遠戦の総括
昨日の試合に比べて三遠さんは強度の高い入りで試合をしてきて、そこで僕たちはリバウンドを取り切れなかったということが1番この差になってしまったかなと思っています。昨日はそこができていたので、そういった意味ではアイザイア(マーフィー)が欠場してしまった部分は大きいところにはなるんですけど、そこ(リバウンド)が1番の敗因かなと思います。
ただ、シーズンを通して僕たちができていなかった我慢強さや粘り強く戦うという部分で、ホーム最終戦、コートで表現することができたのかなと思います。(三遠は)それを上回るリーグトップレベルのチームだと証明させられたような試合になってしまったと思います。

-シーズン終盤にかけて調子を上げたチームの評価は
僕は3月12日の、今日(第2戦)と同じく三遠戦の時にけがをしてしまって、そこからすぐにチームが立て直せたかというとそうではなくて、少し連敗が続いてしまって、オフェンスもディフェンスも自分たちのバスケットボールを見失ってしまう部分があった。
そういうのを客観的に見ていて、どれだけ強いチームでもリーグ戦で負けることはあるので、負けてしまうのは仕方ないですけど、負けの内容だったり、負けから学ぶものだったりとか、そういったところで「本当にこれがドルフィンズらしさなのか」ということを僕は見ていて思っていました。
もちろん、ポイントガードとして試合やオフコートの部分で声をかけていたんですけど、色んな負けの種類がある中で、今シーズンは特にファンの方たちを裏切ってしまうような負け方であったりとか、本当に応援したくなるようなチームだったのかを自分たちに問いただした時に、きっと多分そうではなかった。そういったような負けが続いてしまっていて、そこを僕がキャプテンではないですけど、ポイントガードとして、コーチや選手とたくさんコミュニケーションをとりました。
チームを正しい方向に持って行くという部分では(コミュニケーションが)最後の9連勝に繋がったと思います。もちろん、僕一人の力ではなく、全員が同じ方向を向いて共通認識を持って、ドルフィンズらしさを出せたと思います。
本当はもっともっと早い段階で勝ち星を増やすためにもそういったチームの形に持って行きたかったです。少し遅くはなってしまったんですけど、僕としてはファンの方たちを裏切りたくないというのが一番にあったので、CSがどうなっていくかわからない中で、来シーズンはIGアリーナで、今日がホーム最終戦、という色んな節目がある中で、少しでもドルファミの皆さんにちゃんと希望を持たせてあげたいという気持ちもあった。今日の結果でCSに行くことはできなかったんですけど、それ(ドルフィンズらしさ)をコートで最後まで表現できたのは良かったと思います。
-ホーム最終戦、ファンに向けて
今日の試合は、じわじわ点差が広がってしまう中で、やっぱり最後の4Qの相手のフリースローの時の(ブースター)ディフェンスだったり、ドルアリでしか感じられない声援だったり、僕が名古屋に来て5年目で、ちょうどコロナ禍のタイミングで人が全部入っていない状況のドルアリも知っている中で、ドルファミの皆さんと、ドルアリの雰囲気をつくれたことが嬉しいです。
(ファンと)一緒に成長していけたというのがすごく嬉しく思う。ドルアリの雰囲気は次のIGアリーナがどういうふうになるのか僕も想像がつかないので、何とも言えないですが、ドルファミの皆さんのアットホームさや情熱的な部分はIGアリーナに一緒に持って行って、引き続き来シーズンもホームを盛り上げていただけたらなと思います。
(高久理絵)