男子バスケットボール日本代表(FIBAランキング36位)は16日、17日に行われるフランス代表(同5位)との強化試合を前にメディアに向けた公開練習を実施した。練習後、ジョシュ・ホーキンソン、河村勇輝、富永啓生らが取材に応じた。
ジョシュ・ホーキンソンのコメント
渡邊雄太とのコンビネーションについて
(15日の)アンゴラ戦は時間制限があって15分しかプレーしていなくて、まずは自分のコンディションを戻すことから始めました。チームメイトと一緒にプレー出来て、感触もよかったです。(渡邊)雄太とのコンビネーションも深めていくことが出来ていると思います。彼がケガをしてしまったのは残念だったけど、僕たちがよりよくプレーするためにはケミストリーを深めていかないといけないです。2人でうまくプレーして「ホットライン」を構築できれば、彼と僕の4番・5番コンビは相手にとって危険な存在になると思うし、アウトサイドもインサイドもドライブもすべて脅威になると思います。
彼がケガをしてしまって一緒にプレーできないのが残念ですが、徐々にお互いのプレーを理解し始めていて、どうプレーすればうまくいくのかをつかみ始めていると思います。4番・5番のポジションに誰が入ってくるのかにもよって若干(お互いの)プレーが変わってくると思っていて、もし彼が4番なら彼がピック&ポップをして、僕はロールして彼にスペースを与えてから2人でプレーを展開していくと思う。彼がコートにいるときは常に僕は彼がどこにいるかを把握して、彼にどうボールを持たせるかを考えていきます。彼はとてもいいスコアラーであり、ファシリテーターでもあるので。なので、どうしたら彼にボールを渡せるかというのを僕は考えていかないといけないです。
ワールドカップではビッグマンが豊富なチームが多いが、どう戦うか
一般的な評価として、日本の弱点はフィジカルの部分とインサイドの強さだと思います。渡邉(飛勇)はインサイドのカギを握る存在で運動能力も高かったので、彼を失ったのは我々にとって非常に痛手です。ただ、僕自身はその弱点を埋められると思っていて、特にオフェンス面では相手のビッグマンをアウトサイドに引きずり出して、スリーなど外からのシュートを警戒させることでリムプロテクターとして機能させないことができる。ディフェンス面では中に押し込まれないようにポジションを維持し、オフェンスリバウンドを取らせないように精一杯ボックスアウトをすることですね。
日本のバスケットボールを世界にどう見せていきたいか
僕が日本でプロキャリアを始めた6年前から、日本のバスケのレベルはどんどん上がっています。そして日本でのバスケの人気も上がっていて、日本国内でもメジャーなスポーツになってきています。特に今回のワールドカップは自国開催で、沖縄でも多くのファンがサポートしてくれると思うし、世界にどれだけ日本のバスケがいいものかというのを見せたいですね。個人としてはアメリカから日本にやってきたので、アメリカの友達やかつて一緒にプレーしたチームメイトなんかにもどれだけ日本がやれるかというのを見せたいです。
17日のフランス戦について
タフな試合になると思うけど、いい準備をする機会になると思います。特にドイツ戦やフィンランド戦、オーストラリア戦などワールドカップ本戦に向けては自分たちのやりたいことをどれくらいやれるか試せる機会になると思います。それと同時に見に来てくれるファンのためにもいいパフォーマンスをしたいですし、フランスに勝ちたいです。自分たちにとっても世界で5本の指に入るであろうフランスチームの強さやフィジカルを体験できることは大きいと思います。そういう強いチームと戦っていいプレーが出来れば、我々もより成長していけると思います。
ケガをしている股関節の状態は
いい感じです。昨日は時間制限があって15分しか出られなかったけど、もう少しプレーできたと思いますし、体の状態もよかったです。接戦の試合だったし、とても勝ちたかったので、第4クォーターに出られずずっとベンチで見るしかできなかったのは少しつらかったですね。でもスタッフやトレーナーの指示に従って徐々にコンディションを上げていくことが大事ですし、ワールドカップ本戦に向けて調子を整えていきます。フランス戦はもう少し出られると思います。
15日のアンゴラ戦について
(スターティングメンバーが)初めてのメンバーだったことを考慮しても、最初の5分はとてもいいプレーをしたと思います。いいエナジーで試合に入って、残り5分からは少しだれてしまった部分がありました。ただ、セカンドユニットについてはとても誇りに思います。後半はステップアップしていたし、なかなか得点できていなかった1クォーターの後半よりも全然いいプレーをしていました。最後ちょっとアンゴラに追いつかせてしまったのは課題ではあると思うけど、それでもすごくよくプレーしていたと思います。僕も雄太も試合に出られなかったところを勝ち切ったのは素晴らしかったです。
特に川真田(紘也)は素晴らしかったですね。インサイドで戦い抜いてリバウンドを取って、ガッツポーズも決めていましたしね(笑)。僕はベンチでガッツポーズを見ていて、その時点で4点差とかだったので「今それやっちゃうのはどうなの?」とは思いましたけどね(笑)。僕だったらやらないかな(笑)。でも、戦い抜いた彼を本当に誇りに思うし、チームが彼に求めているのはそういう部分だと思います。チーム内で激しく競争をして、勝ち取った出場時間の中で貢献するのは素晴らしいことです。
ルーク・エヴァンスの存在について
ルークはワールドカップ予選などでも日本代表にとって大事な選手だったと思うし、彼の大切な時間を代表活動に捧げてきていました。そして今回のような状況になっても、僕がケガから復帰したり、誰かがケガをした利している状況の中で、彼が保険のような形でいてくれて、ワールドカップ本戦前の強化試合残り2試合でプレーしてくれるというのは非常に大きいです。そういったことからも彼がどれだけ献身的な人間かということが分かります。
出場できるか分からず、ロスターに残れるかも分からない状況でこういうことを求められるのは非常に難しい状況です。それでも彼は自分の時間を犠牲にして、我々がより成長するために助けてくれている。そのことに関しては感謝してもしきれません。また練習でも以前から一緒にプレーしていたほかのチームメイトにアドバイスをしたり、コミュニケーションを取っていて、代表に参加してくれたことを本当にうれしく思います。
強化試合での出場時間制限について
少しずつ出場時間は増えていくと思いますが。どれくらい増やしていけるか、どこまでなら安全かというのを見極めていくと思いますけど、この段階に来るともっともっとプレーしたいです。ただベンチで見ているのもつらいので。一度いい感触を得られて体も問題ないとなれば、ただ見ているだけなのは辛いですね。もっと貢献できるのにと思いながらも、将来のことやこの先の試合のことを考えて我慢しないといけないと考えて、次の2試合を過ごしていこうと思います。
フランス戦、スロベニア戦でマッチアップしたい相手は
おそらくフランス戦は(ルディ・)ゴベアや(ガーション・)ヤブセレといったビッグマンとマッチアップすることになると思います。とても楽しい経験になると思いますね。(スロベニア戦は)ルカ(・ドンチッチ)ももしプレーするなら、スイッチした時とかにマッチアップする可能性もあるし、それも楽しみです。ルカは世界最高のプレイヤーの一人で敬意を払わないといけないけど、恐れることはありません。「Respect, never fear」ですね。
河村勇輝のコメント
アンゴラ戦でのプレーについて
プレッシャーをかけられるところはかけられたんですけど。逆にかけすぎてブローバイというか、ぶち抜かれてしまった。2本ぐらいイージーなシュートをされてしまったところはあるので、そこの駆け引きはもう少し僕自身がやるべきだと思うし、ポイントカードが抜かれてしまうとその後のディフェンスはすごくヘルプしづらいので。そこ改善点かなっていうに思うんですけど。逆にそこを意識しすぎてプレッシャーかけないってなると僕の強みなくなっちゃうんで。そのバランスですかね。
富永啓生のコメント
河村勇輝とのプレーについて
アンダーカテゴリー時代からずっと一緒にやっていますし、阿吽の呼吸っていうか、そういうとこまでの向こう自分が欲しいタイミングがわかってますし。自分もどういうところで彼がパスをしたいかというのもわかってますし、すごくやりやすいと思います。
河村からのパスは決めなければいけないと感じる?
もちろんそうですね。彼のパスが特に決めないといけないと思いますし。プラスやっぱいいとこいいタイミングでここでシュート打ちたいというタイミングでパスをくれますし。そういうところはすごくやりやすいです。