信州ジョシュ・ホーキンソン「忙しかったがとても楽しい機会だった」帰化から日本代表 激動の3週間を振り返る
インタビューに答える信州ブレイブウォリアーズのジョシュ・ホーキンソン©Basketball News 2for1
Bリーグを中心に、Wリーグや学生バスケ、日本代表など日本のバスケットボール界を取材し、情報発信をするメディアです。バスケットボールに関するさまざまなニュースをピックアップし、お届けします。

 男子日本代表は「FIBAワールドカップ2023 アジア地区予選 Window6」で2月23日にイラン代表、同26日にバーレーン代表と対戦し、イラン戦は96-61、バーレーン戦は95-72で勝利を収めた。予選を7勝5敗と勝ち越しで終えた日本代表の立役者として活躍したのは、Window6で追加招集された信州ブレイブウォリアーズジョシュ・ホーキンソンだろう。

 2月6日に日本国籍を取得後、すぐに代表にも招集されたホーキンソン。練習時間が少ないなか、ロスター入りを決めると2試合ともスターティングメンバーに名を連ね、平均19.5得点、10.5リバウンド、4アシストを記録。アジア地区予選を5連勝で終えた日本代表に大きく貢献した。

 代表活動を終えチームに合流した今月初旬、2for1では日本国籍取得から日本代表選出まで激動の3週間を駆け抜けたホーキンソンに話を聞いた。

日本代表選出 大富豪でチームケミストリー高めた

―激動の3週間を振り返ってみて

最終の手続きだったり書類の関係もあったりして、いつ(日本国籍の)パスポートが来るか定かではなかったということもあったので、そこがとても忙しかった。最終的にパスポートを受け取ってからも、残り1日くらいしか代表に招集される期限がなかった。2週間の代表活動を振り返ると、とても忙しかったが、とても楽しい機会でもあった。こういういい機会をもらったなかで、色んなことを学べたのもあったのですごくいい経験になった。そしてやっと信州に戻ってこられて嬉しく思っている。

―日本人になったという実感はあるか

日本人になったなと最近感じたことでいうと、パスポートを受け取って開いたらそこに自分の顔写真が載っていたのを見たときや、代表戦の時にJAPANと書いてあるユニフォームを実際に着たとき、あと試合前に国歌を歌うときに『日本人になったな』と感じた。この3つは日本人であることを実感したポイントだった。

―日本代表で仲良くなった選手は

仲良くなった選手は若手の選手が多かった。代表の練習期間中はNTC(ナショナルトレーニングセンター)から出ることができなかったというルールもあったので、ほぼ毎晩みんなで(トランプの)大富豪をやるなど、バスケット以外のところでもケミストリーをみんなで築き上げることもできていた。こういう代表活動に参加しないとなかなか他チームの選手と関わる機会もないので、そういった面でバスケットボール以外にも楽しい経験ができた。

日本代表でも活躍を見せたホーキンソン©Basketball News 2for1

横浜ビー・コルセアーズ河村勇輝には英語のレッスン

―初めての代表活動で学んだことは

 バスケットボール面で学んだことは、トム・ホーバスへッドコーチ(HC)のスタイル。信州と違うところもあったので、少しの期間新しいバスケットのスタイルにアジャストしなきゃいけないところもあった。イラン戦の前でいうと、10日間ぐらいしか実際に練習する期間がなかったので、お互いどうやってプレーをしたほうがいいのか話合い、コーチのシステムやプレーなど学ぶ点は多かったと思う。

―河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)が「ジョシュから英語を学んだ」と言っていた

河村選手には毎日『新しい英語を教えて』と言われていて、自分も『英語を教えるから僕にも日本語毎日何か教えてよ』と言っていたが、結果的に河村選手は日本語を教えてくれなくて自分だけが教えることになった(笑)

ロールプレイングをやって、ホテルに行った時にフロントデスクでこういった英語を使うだったり、レストランに行った時に、『予約何人です』とか、その時その時の状況に応じて活用できる英語のフレーズを教えたりしていた。河村選手に最後言われたのは、『試合の前とかにチームでハドルを組む時に、チームメイトを鼓舞できるような言葉を教えて』といわれて、こんなことをいえるんじゃないか、と提案したりした。

河村勇輝©Basketball News 2for1

―家族からのメッセージは

メールで連絡はすぐにもらった。2試合終わったあともそうだったが、とにかく勝っておめでとうから始まって、あれだけのパフォーマンスができたこともあったので、「誇りに思うよ」って言ってもらったし、急に代表に召集されてあれだけのパフォーマンスができたこともあったので両親も驚いていた部分もあった。

急にあのような場に溶け込んで新しいチームメイトや新しいスタイルのバスケットをやらないといけないのは難しい部分はあったと思うが、その中で自分はいろんなリズムや流れを掴めた部分があった。両親も自分のパフォーマンスを見てとても驚いていた。そのあとに話したのはワールドカップ(2023年8月25日から9月10日に開催)のこと。ワールドカップでロスター入りできれば、両親も「チケットを取って実際に試合を観に行きたい」といっていたので、それがこの夏にできればすごく楽しみかなと思う。

CS進出へ勝負の終盤戦「1試合でも多く勝つ」

―改めて日本人として生きていく、またプレーしていく今後の意気込みは

後半戦も残り22試合ということで水曜日(3月8日)の横浜(ビー・コルセアーズ)戦は自分たちにとってはとても大きな試合になってくる。現在中地区でプレーオフを争っているなかで、(信州は)プレーオフ(チャンピオンシップ)圏内では絶対にあるので、とにかく練習を重ねてチームとして成長していって、1試合でも多く勝ってプレーオフを目標に頑張っていきたいなと思う。

―注目度も上がり、新たなファンも増えた

代表での活躍もあって、そこでの反響はもちろん大きかった。今までは信州ファンの応援が多かったなかで、これからは色々なチームだったり代表を通してだったり、色んな方が応援してくださるというのがあると思う。引き続き、自分の友達や家族やファンの方に誇りに思ってもらえるようなプレーをし続けるように自分自身ベストを尽くしていく。

代表の活動を終えてからもたくさんのメッセージを昔からのファンだったり、新しくファンになってくださった方、SNSを通してとかでも本当にたくさんのメッセージをいただいて感謝している。本当にすごい数のメッセージが来たので、全員に返信やリプライができなかった部分はあるが、ちゃんとメッセージは見ていて心には届いている。これからもたくさんの応援を宜しくお願いします。

ファンへの感謝を口にする©Basketball News 2for1

関連記事

勝久マイケルからの“推薦状” 躍動ジョシュ・ホーキンソンの日本代表デビューを後押ししたもう一人の指揮官

日本代表初招集のジョシュ・ホーキンソン、八村塁や渡邊雄太との共闘に意欲「脅威的なチームに」

“日本名”は「鷹大」 信州ジョシュ・ホーキンソン日本国籍取得の瞬間は「ほっとした」

ジョシュ・ホーキンソン、初の日本代表入りに「感傷的になった」 23日イラン戦でデビューへ

ホーキンソンに金近廉、渡邉飛勇らニューピースも躍動 W杯1勝へ“文化醸成”進んだ日本代表

Twitterで最新情報をゲット!

おすすめの記事