リーグ首位・長崎ヴェルカは11連勝もマオールHCは油断なし「勢いで勝てている部分がある」 馬場雄大も警戒「個々に頼るバスケは絶対通用しなくなる」
長崎ヴェルカの馬場雄大(左)©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は12月19日から21日にかけて各地でレギュラーシーズンの第15節が行われ、西地区の長崎ヴェルカはホームのハピネスアリーナで東地区のサンロッカーズ渋谷と対戦した。

 第1戦では第2クォーターからSR渋谷を徐々に引き離し、最終的に102-70で快勝。今シーズン7回目の100点ゲームで10連勝とした。

 翌第2戦は第1Qこそ競った展開となったものの、ベンチスタートのスタンリー・ジョンソンが第2Qに一人で8−0のランを展開。第2Q残り1分7秒には山口颯斗が3ポイントシュートを決め、イ・ヒョンジュン、ジョンソンも続けて3Pをヒットするなど、約1分の間に9-0のランをつくる。50-35と15点リードで迎えた後半も3Pシュートの精度は落ちることなく、最終的に第2戦を85−71で勝利を飾り、連勝記録を11に伸ばした。

 第2戦では3Pシュート5本(成功率38.5%)を決めたジョンソンが28得点、馬場雄大が13得点6リバウンド、3Pシュート3本(成功率50%)を決めた山口が10得点を記録した。

通算23勝2敗とリーグ全体首位をキープしている長崎は第2戦、40本中16本の3Pを成功。シーズン平均で3P成功率を39.7%としており、リーグ1位の精度を誇っている。

 試合後の記者会見ではモーディ・マオールHCと馬場、山口が記者の質問に答えた。

モーディ・マオールHCのSR渋谷戦後コメント

ーーSR渋谷戦・第2戦の総括

(第2戦を)きれいな形で勝てたとは全く思っていません。非常にフィジカルでアグレッシブなゲームで、今日(第2戦)は渋谷さんが非常に素晴らしかったと思っています。けが人がいる中でもしっかり彼らは自分たちを見せてきて、(自分たちは)簡単に何も遂行できなかったので、とても素晴らしかったと思います。

正直、今日の試合でいうと、バスケットというよりも「自分たちがリードしている段階でそれをどう勝ちきるか」というところが非常に大事でした。それはどうリードを守るかではなく、連勝が続いている時こそ、どう試合に勝ち続けていくのかというのがすごく大事だと思います。自分たちはこの数試合は非常にいい試合ができていましたが、連勝しているからこそ見えないものがあって、悪い習慣性というものも少しずつできてきています。

ここ6試合はほぼすべての試合で20点差以上で勝てているので、だからこそ難しい状況というのがあります。なので、自分たちはここから学ぶことがたくさんありますし、成長できるところはもっとたくさんあると思います。負けてから学ぶのではなくて、しっかりこうやって勝ち続けながらも学んでいくことが必要なのだと思います。

記者の質問に答えるモーディ・マオールHC©Basketball News 2for1

ーーSR渋谷が堅いディフェンスを披露する中で、それでも負けなかった意義は

渋谷さんは今日は本当に素晴らしかったですし、いいチームだと思います。最終的には渋谷さんを71点に抑えたので、自分たちのディフェンスの方がより優れていたのかなと思います。ただ、その中で、自分たちはディフェンスリバウンドのところをしっかり取りきれず、何回かオフェンスリバウンドを取られてしまいました。渋谷さんはすべてのショットのところでしっかり作れてはおらず、タフショットを打たせてはいたので、それは選手一人ではできないことなので、5人でしっかり守れていたのかなと思います。

そして、それを連続でできることは自分たちの強みだと思いますし、そこがあったからこそ今日の勝利があると思います。今日の試合でいうと、明らかにディフェンスのところが勝利の要因かなと思っています。

ーー「悪い習慣」とは具体的にどういうことか。またその習慣をどのように改善していくのか

まずはしっかり練習をすることと、映像をしっかり見ること。自分たちの練習でしっかり回数を重ねていく。具体的には話せませんが、ここ数試合、20点差でこうして勝利していると、毎回正確にプレーしなくても勝ててしまう時がある。正確性というのはいろいろな形であらわれてくると思っていて、今はそこの正確性などが少し抜けている部分があるのですが勢いで勝てている部分がいくつかあります。

馬場雄大のSR渋谷戦後コメント

ーーSR渋谷戦・第2戦の総括

渋谷さんとは対戦するのが4回目で、自分たちも彼らが何をしたいかというところと、彼らも僕たちが何をしたいかというのは分かっている中での戦いだったと思うのですが、その中で苦戦したという印象です。勝ちきれたのは大きかったですが、少し自分たちも個々に頼りすぎてチームでプレーするという意識がここ2試合少なくなっていたかなという印象です。ここから強豪との対戦も続くので、またトーンセットしてやっていきたいなと思います。

記者の質問に答える馬場©Basketball News 2for1

ーー後半、SR渋谷のハーパージュニアを相手にバスケット・カウント・ワンスローを決めたシーンがあったが、あのシーンの手応えは

今シーズンなかなか、ああいう僕らしいプレーというのがいい意味で少なくなっていたような気もします。なので改めて、強みである僕のああいうプレーというのは多少なりチームに影響をあたえることができると思っていますし、ああして決めきることができたのが何より良かったなと思っています。

ーーマオールHCが「連勝が続いている中で悪い習慣ができてしまっている」とおっしゃっていたが、第2戦に関してそういう部分は感じたか

そこは僕も今すごく感じているところです。というのも、まず僕個人として正直第1戦の入りもふわっと入ってしまったところがありました。やっぱりチームを引っ張らなければいけない存在である選手がそういったプレーをすると必ず(まわりに)伝染しますし、そこをすごく反省しています。チームとしても、総括でも言いましたが、個々に頼ってやるバスケというところで、今は通用するかもしれないですが、これから強いチームと戦っていく中で絶対通用しなくなると思いますし、「アウトサイドシュートは水もの」と思っています。

やっぱりそういったところが積み上げられない限り、自分たちの目指すところには行けないというのは選手全員が共通の理解があると思う。各選手ストレスもある中でやっていると思いますが、もう一度、同じページに立って進んでいくというところで、モーディHCの求めるバスケットボールに対してすり合わせていく必要があるかなと思っています。

山口颯斗のSR渋谷戦後コメント

ーーSR渋谷戦・第2戦の総括

第2戦は非常にタフなゲームで、渋谷さんもすごくフィジカルにやってきたんですが、そこに負けずにフィジカルさを上回ることができたことがすごく良かったと思います。また、チームとしてうまくいっていない時間帯もありましたが、全員がチームとしてまとまって、コミュニケーションを取りながら自分たちのバスケット、特にディフェンスですね。自分たちのディフェンスを最後まで遂行できたのは良かったなと思います。

記者の質問に答える山口颯斗©Basketball News 2for1

ーー第2戦は3Pシュートが6本中3本、今シーズンの平均でも成功率40%を超す勢いだが、手応えとしてはどうか

自分としても、思ったより入っているな…という印象ですし、入っているからこそ自信をもって打てている。今年のチームにとって、自分の3Pシュートもいいことになっているなと思います。

ーー今シーズンのここまでの自身のパフォーマンスはどうか

自分としてはシュートがすごく調子がいいですし、ディフェンスも昨シーズンよりも足が動いているのですごくいいことだと思う。チームとしても本当に全員がまとまっているなと思っている。誰かが違う方向を向いても誰かが戻す、誰かが悪い態度をとっても気にせずみんなで次、次、次とやることができるので、本当にチームとして仲がいいというか、仲がいいわけではないのかもしれないですが本当にまとまったチームだと思いますし、何よりもディフェンスでアドバンテージを取れていることがすごく良いことだなと思っています。これを続けられたらなと思います。

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