「アンダードッグかもしれないけど…」ファイティングイーグルス名古屋が名古屋ダービーに連勝 保岡龍斗がキャリアハイ26得点「ちゃんとやればどこのチームにも勝てる」
キャリアハイ26得点を記録したファイティングイーグルス名古屋の保岡龍斗(右)©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は19日から21日にかけて各地でレギュラーシーズンの第15節が行われ、西地区9位ファイティングイーグルス名古屋はアウェイのIGアリーナで同地区2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦した。

 第1戦、序盤から先発起用のフランシス・ロペスが攻守で存在感を発揮し、得意の速い展開でリードを奪う。その後は点を取り合う展開となったものの、高さで勝る名古屋Dにセカンドチャンスポイントを許し、前半を41-52と11点ビハインドで折り返す。第3クォーター、前半ファールトラブルで出場時間が限られた並里成がゲームをコントロールし、FE名古屋が差を詰めていく。64-67で迎えた第4Qはディフェンスの強度をさらに高め、名古屋Dをわずか11得点に抑える。攻めてはショーン・オマラのゴール下、フリースローで着実に得点を重ね、80-78で接戦をものにした。

 1万人に迫る観客が集まるなど、盛り上がりが最高潮を迎えた名古屋ダービーの第2戦。FE名古屋は試合序盤からオマラのゴール下、保岡龍斗の3ポイントシュートと強みを生かした攻撃で流れをつかむ。接戦のまま試合は進んだものの、第3Q終盤には名古屋Dの加藤嵩都のペイントアタックやアーロン・ヘンリーの3Pでリードを広げられ、7点ビハインドで第4Qを迎える。最終クォーターもリードチェンジを繰り返し、試合はオーバータイムへ突入。FE名古屋がフリースローや保岡の得点でリードを奪うも、名古屋Dはスコット・エサトン、齋藤拓実の活躍で応戦。同点で迎えた残り35秒、杉本天昇が値千金の3Pシュートを沈め前に出ると、これが決勝点となり87-83で勝利。第15節を連勝で終え、通算成績を11勝14敗とした。

 第2戦では、FE名古屋は保岡がキャリアハイの26得点、オマラが21得点10リバウンドのダブルダブル、ロペスが15得点、並里が11得点8アシストを記録。試合後の記者会見では、ルーベン・ボイキンSVCと保岡が記者の質問に答えた。

ルーベン・ボイキンSVCの名古屋D戦後コメント

ーー名古屋D戦(第2戦)の総括

来る前から、名古屋ダイヤモンドドルフィンズさんが素晴らしいチームだということは知っていましたが、やはり第2戦もフィジカリティー、タフネスを持つ素晴らしいチームでした。本当に大きなリスペクトを持っています。ただ、うちの選手たちがしっかりステップアップしてくれたことで、相手のフィジカリティーに押し負けることなく、FEインテンシティーを全面に出しながら試合を展開することができたことが一番大きかったと思います。

何人かの大きな成長がありました。フランシス・ロペス選手が3Pを2本決めてくれたり、大きな3Pを杉本天昇選手、保岡龍斗選手がしっかり決めてくれました。ジェレミー・ジョーンズ選手は3Pに加え、ディフェンスでの貢献が大きいです。今日(第2戦)もプレータイムがかなり長くなってしまいましたが、その中でも最後までフィジカリティー高くやってくれました。ショーン・オマラ選手、並里成選手も最後の最後まで集中力を切らさずにやってくれたことを誇りに思っています。

ダイヤモンドドルフィンズさんはビッグクラブという印象があって、FE名古屋はアンダードッグだと思われていると思うのですが、選手たちにロッカールームで「自分たちはアンダードッグかもしれないけど、それを負ける理由にしてはいけない」という話をしました。いつでもどんなチームが相手でも、自分たちが自分たちのバスケットボールをしっかり遂行することができたら、勝つチャンスは常にあるという話をしてこの試合に入ることができて、それを全て遂行した選手たちを誇りに思います。

記者の質問に答えるルーベン・ボイキンSVC©Basketball News 2for1

ーー第1戦の結果を受けて、強度を上げてくるであろう名古屋Dに対して、第2戦をどう戦おうとしたか

私はショーン・デニスHCにすごくリスペクトを持っていて、コーチングのフィロソフィーやスタイルで真似したいことがたくさんあります。選手にはフィジカルにやろうと話をしました。正しいマインドセットを持って、オフェンスでは横の動きより縦にアタックしようと話をしました。うちのフィロソフィーとしては、相手はアタックしてくるチームだから、自分たちはそれ以上にアタックしなくてはいけない、シュートが打てるなら打ち、打てないならすぐに次のアクションをし、相手がどれだけハードに当たってきても、オフェンスでそこは変えないようにと言いました。最初の5分で17-8と良いスタートが切れたことは良かったです。

ーー並里成の安定感はさすがだが、若手ガード陣の成長についてはどうか

忍耐強く若手の成長を待っているところです。平松克樹、マイロ・マーフィーなど、若い選手なので着実に成長はしていますが、時間をかけてじっくり育っていって欲しいと思っています。今シーズンの4試合目にダブルオーバータイムにいったのですが、そこで平松克樹が最後にビッグプレーを決めて成長できました。シチュエーションによっては飛躍できる試合もありますが、それを期待しすぎると重荷になってしまうので時間をかけてじっくり育てていきたいと思っています。

保岡龍斗の名古屋D戦後コメント

ーー名古屋D戦(第2戦)の総括

昨日(第1戦)に引き続き、ドルフィンズさんはリバウンドが強いので、リバウンドをしっかりとろうという話はしていたんですが、結果的にオフェンスリバウンドを22本とられてしまっているので、そこは自分たちチームがもっと直さなくてはいけないところです。バイウィーク期間に全員が脅威となる選手になれるよう練習していこうと話をしていて、その中でボールシェアをしようと話していました。この2日間は昨日だと初めて出場したマイロ(マーフィー)選手もしっかりスコアしていましたし、今日もいろんな選手が点をとっていて、自分たちのやりたいバスケが徐々に体現できていると思います。この2勝で終わらずに次節もホームでしっかり勝って連勝を伸ばしていきたいと思います。

記者の質問に答える保岡©Basketball News 2for1

ーー3Pだけでなくカッティングも効果的に決まっていたが、作戦として用意していたのか

相手にとってショーン(オマラ)選手のダイブは脅威なので、齋藤選手や今村選手がショーンに寄ったところで自分がバックカットするというのは、昨日も笹山選手に「ヤス、バックカットしてみなよ」と言われていました。それが今日いいタイミングでできて、並里選手もしっかり見ていてくれたので、うまくいったのかなという感じです。

ーー奥行きのある大きなアリーナでのシュートは感覚に違いがあるか

それは特にありませんが、昨日、フリースロー(3ショット)でドルフィンズファンのブーイングがものすごくて、1本目を落としてしまった時に、これに負けちゃだめだなと思い、その後の2本はしっかりと決めました。シューターは1本シュートが入った時の歓声が原動力になるので、今回はアウェイですけど、試合前から良い意味で会場を沸かせたいと言っていたので、今日は良い悲鳴が自分の原動力になったのかなと思います。

ーー名古屋Dに2連勝した意味とは

自分たちにとっては、ドルフィンズさんもそうですけど、全チーム自分たちより格上だと思っています。一つのミスでどこのチームにも負けるけれど、自分たちがちゃんとやればどこのチームにも勝てるとわかっています。ドルフィンズさんという西地区上位のチームに対して連勝できたというのは、自分たちが今までやってきたことが無駄になっていないというか、インタビューでも言いましたが、スタートダッシュが遅れても焦ってはいません。これからしっかり自分たちのやりたいバスケを体現して、ルーコーチの「ALL IN」を全員がやればチャンスはあると思っています。この2戦で終わらず、次節もしっかりやっていきたいと思っています。

(高久理絵)

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