Bリーグ1部(B1)・信州ブレイブウォリアーズ(中地区7位)は4日、アウェーの青山学院記念館でサンロッカーズ渋谷(同3位)と対戦。レギュラーシーズン2試合を残して、B1残留を争う茨城ロボッツと2ゲーム差と、1敗も許されない状況となっていた信州。
第1戦は第1クォーター(Q)に石川海斗が3ポイントシュートを4本決めるなど19-21で終える。しかしその後は32得点を記録したジョシュ・ホーキンソンを中心にSR渋谷がペースをつかみ、徐々に点差を話されていく。ホーキンソン、ベンドラメ礼生、アンソニー・クレモンズに80得点を許した信州は79-95で敗れ、来シーズンのB2降格が決定した。
信州はジャスティン・マッツが26得点10リバウンド、ウェイン・マーシャルが16得点8リバウンド5アシストを記録。試合後、勝久マイケルHCと石川海斗が記者の質問に答えた。
勝久マイケルHCのSR渋谷戦後のコメント
-SR渋谷戦の総括
大事な負けられないゲームで、みんないい準備をして、気持ちも入っていたと思います。ただ、準備してきたことをうまく遂行できなかったことも多かったです。特にピック・アンド・ロール・ディフェンスのところですが、主にジョシュ(・ホーキンソン)にですが、多くやられました。ポストの方でも最初はうまく遂行できず、やり続けて遂行してきたときには相手も我々やっていることに慣れてというのもあって、今日は95失点を許しました。
プロとして明日(第2戦)もう1試合あるので、今は降格とかいう話だったり、気持ちの整理だったり、自分含めて選手たちもみんなそうですけど、まずは明日プロとして今シーズンラストゲームをアジャストしないといけない部分もあるでしょうし、準備してきたことをもっと遂行しないといけない部分もたくさんあります。そして何よりも気持ちの面で明日戦う準備をしたいと思います。
-B2降格が信州の未来にどう繋がるか
答えが整理しなきゃいけないばかりになってしまうかもしれないですけど、これからいろいろゆっくり考えたいと思います。コーチとしては当然負けず嫌いな人として、常にトップのカテゴリーでやりたいですし、今シーズンはブースターの皆さんのおかげで、そしてフロントの頑張りのおかげでBプレミアに向けては、確実に行けるだろうということは一つクラブとしては達成できたかもしれないです。ただ、コーチとしては選手に成長してほしいですし、ここに来たからその選手の人生だったり、バスケットIQだったりメンタリティだったり、全てが「来てよかった」と選手たちのためにはなってほしいです。
チームとしては大事に6年間作ってきた「チームでカルチャーをつくる」というのはバトルだと思っていて、スタンダードを上げていくために毎日がバトルであることもありますし、今シーズン悔しいことを考えたら、キリがないぐらいあります。ウェインが戻ってきてからは当然良くなった部分が非常に多くて、周りにも良い影響を与えて良くなった部分があるんですけど、一番悔しいのはその大事に作ってきたものが今シーズンは、我々が目指すメンタリティを持てなかったところだったり、やりたいバスケットをできないことがとにかく多かったです。
どう(未来に)繋がるかというところでは、まず結果が出せなかった今シーズンの中でこのチームの未来をどういうふうに思うかによって大きく変わると思います。やはり信州にとって宝のような選手がたくさんいるので、そういう選手を中心に(チームを)作り上げることが可能な人材はいます。ゆっくり考えないといけないことがたくさんあるんですけど、チームとしては我々の目指すバスケットができれば、そしてもう一度我々の目指すカルチャーをつくり上げることができればと思います。
B1に最初に上がったとき、ものすごい自信を持って上がってきました。そのときは多少なりとも信州はトレンドセッターだった部分もあると思いますし、我々のコンセプトやバスケットを他がやり始めることもたくさん見ました。いろいろあって、(今シーズンは)なかなか思うようにいかなかったので、我々の可能性を信じて自分たちがコントロールできるはずの部分で、どういうチームをみんなで作れるのかという信じるところから、改めて始めないといけないです。これはこのチームにとってかなりのセットバックなので、そこから始めてもう1回やるべきことを一つ一つやっていかないといけないと思います。
あとはB2で優勝したときは昇格できませんでしたし、2年目はコロナで終わったシーズンを1位で終わって昇格ができました。これは今シーズン負けた理由とか、一切それに繋げて話しているつもりではないですが、いろんな面で基準を上げていくことというのは、我々が6年前にB1の準備ができていたかというと、そうではなかったかもしれない中で、それでも日本一を目指してB1に上がっていって、ここからBプレミアを控える中で、もう一度練習環境や移動手段だったり、全ての面でB1のトップチームと並ぶような基準を上げるきっかけにチームにとってはなればいいなと思います。
今までアンダードッグの中で(過去2シーズンの勝率が)5割くらいでCSに行けたわけでもない中で、チームとしてのカルチャーや我々が目指すバスケットを、何をしたらもう一度こういうふうに作れるのかということを学んで繋げるしかないですし、Bプレミアを控えている中で、全ての面で日本一を目指せるチームになっていくというきっかけになってほしいというか、全ての面で危機感を持ってやっていきたいと思います。
石川海斗のSR渋谷戦後のコメント
-SR渋谷戦の総括
まずSR渋谷さんも今日、明日勝たないとCSというところが見えてこないというゲームと、僕らが今日明日勝たないと残留が叶わないというところで、どちらも落とせない試合でした。やはりSR渋谷さんのエナジーの方が僕らより上回っていたと思うし、結果的にSR渋谷さんもやりたいことをやらせてしまったっていうのが、僕たちがこういう状況になってしまったってとこあるのかなと思います。
今日、降格が決まってしまったというのはあるんですけど、渋谷までたくさんの信州ブースターが来てくれていて、明日またゲームがあるので、来シーズンはB2になりますけど、そのB2で戦うために自分たちが来てくれている人たちのために明日はどういうふうな姿を見せるかというのは、見ている人たちに伝わると思うので、そこをやっていきたいと思います。
-B2降格や勝久マイケルHCの涙について
コーチが泣いているというのは僕らが後悔している部分もあるし、コーチのやりたいことができなかった。でも、コーチももしかしたらやらせられなかったという後悔もあるかもしれないし、決して泣いていたのはコーチだけじゃないです。ただコーチのバスケットはB2でやらせてしまっていいのかっていったら、僕はそうではないと思っていますし、そのぐらい素晴らしいコーチです。だからこそ終わってから、僕はすごく涙を流してしまったというのはありますけど、僕がここに帰ってきた理由っていうのは、B2に降格するために帰ってきたわけではないです。ただ(B2に)落としてしまった責任というのは僕自身もあると思うし、チーム全員でそこはもっとステップアップしなきゃいけない部分もあると思うので、明日試合があるそこでどういう形を見せるかです。
(第2戦は)今シーズン最後の試合で、いってしまえばこのメンバーでできるのは最後なので、全員一緒というのは絶対ないと思うので、だからこそ全員が悔いを残さないようにやる必要があるかなと思います。