今月27日に開幕するパリ五輪に向けて都内で強化合宿を行っているバスケットボール男子日本代表（FIBAランキング26位）。先月28日からは八村塁と渡邊雄太のNBA組も合流し、パリ五輪8強という目標に向けてチーム強化に努めている。
今月5日と7日には五輪前の国内最後の強化試合となる韓国（同50位）戦が行われ、その後ヨーロッパへと移動する予定のアカツキジャパン。先月29日に行われたメディアデーでは主力の一人である渡邊雄太の左ふくらはぎの負傷が明かされ、韓国戦の欠場を発表。パリ五輪への出場も不透明であり、仮に出場できたとしても万全ではない状態が予想される。
渡邊の穴を埋めるため他のメンバーのステップアップが必要となるが、特に河村勇輝には大きな期待がかかる。先月北海道で行なわれたオーストラリア（同5位）戦に先発ポイントガードとして出場し、第2戦では28得点を挙げる大活躍を見せた河村。昨夏ワールドカップでは平均13.6得点7.6アシストを記録し、フィンランド戦では25得点9アシストと獅子奮迅の活躍で日本を歴史的勝利に導いた。
初の五輪の舞台でさらなる活躍に期待がかかる河村。29日の囲み取材での河村のコメントを紹介する。
八村と初練習「想像通り規格外」
－チームに合流した八村塁の印象は
NBAでも本当に素晴らしい活躍されている選手。まだ1回しか練習していませんけど、想像通り本当に規格外というか、全てのスキルにおいて世界トップレベルのスキルを持ち合わせた選手なんだなっていうのは改めて思いました。
－パリ五輪初戦で対戦するドイツの印象
デニス・シュルーダー選手を中心にウイングの選手もたくさんいい選手いますし、またビッグマンの選手も本当に素晴らしい選手が揃っているので、バランスのいいチームかなと思います。
－オーストラリア戦からの課題
ワールドカップを終えてから、トムさん（ホーバスHC）が新しいコールプレーなど試すいい2試合になったと思う。そこで出た「このコールプレーがいい」とか、逆にうまくいかなかったことも含めて、この合宿を通してさらに成熟度を増しながら、（5日と7日の）韓国に向けていい準備ができればと思います。
－パリ五輪での個人の目標は
チームとしてはベスト8という目標を掲げているので、そこはぶらさずに自分のできることを最大限発揮できればいいなと思う。トムさんのバスケットボールスタイルはやはりポイントガードが起点を作るようなチームスタイルかなと思っているので、自分がボールを持つところはしっかりと持ちながら、いいズレを作って、チームメイトにパスを供給できるように頑張っていければいいなと思っています。
－個人として成長したい部分は
ゲームマネジメントだったりゲームコントロールの部分は課題が残る部分がたくさんあったなと思うので、そこはアシストや得点のバランスだったり、どんなコールプレーを使うかだったり、そういったところはもっと成長しなければいけない部分かなと思います。
NBA組に任せっきりにならないことが大事
－八村塁と一緒に練習をしてみて
一緒に練習もさせてもらいましたし、ベスト8という大きな目標に向かって「一緒に戦っていくチームメイト」と思えるようになったんじゃないかなと。これからもっともっとコミュニケーションが必要になってくると思います。
－司令塔として意識したいこと
やっぱり（渡邊）雄太さんだったり塁さんがボールを持つことで得点の効率が一番いいということは当たり前のことというか、まぎれもない事実。そういったときにボールを簡単に預けて、僕たちが外へ待ち構えるのではなくて、しっかりとズレを作った中でパスを渡すとか、頼りすぎない。しっかりと自分たちも役割を常に遂行していくっていうことがやっぱり大切になってくると思う。任せっきりにはならないことが大事かなと思います。
－八村塁とどんなプレーをして、PGとしてどう生かしたいか
本当に何でも高いレベル、高い水準でプレーができる選手だと思うんですけど、その中で（ゴールへの）カッティングの部分、僕がドライブした後のカッティングの合わせというのは、より脅威になってくるんじゃないかなと思います。またピック&ロールからのピック&ポップの3Pシュートだったりとか、そういったところでも脅威を作っていけるんじゃないかなと思う。本当に何でもできる選手だからこそ、相手のディフェンスの状況に応じて、ベストの選択肢ができればいいなと思います。
－ホーバスHCからの全員に向けての話はあったか
合宿始まってから、全員にコミットメントするかという話で、1人ずつ「信じている」っていう言葉をしっかり発しました。言霊は本当にあると思っていて、やっぱり常に合宿の前からベスト8という大きな目標に対して「全員がやるんだ」という気持ちを言葉で表現するっていうことは大切だと思うし、言葉の力って僕は本当にあると思っている。それを全員で共有することは大切かなと思います。
－八村や渡邊がチームにコミットメントする姿を見て
心強さしかないです。トップレベルの選手がそうやっていわれるなら、僕たちも必ずついていかなければならないと思うし、だからといって任せっきりになることでもないと思う。1人1人がしっかりと役割を持って戦うことで、ベスト8っていう目標が達成できると信じています。
