FIBA男子ワールドカップに挑む日本代表は23日午後、試合会場となる沖縄アリーナ横の沖縄市体育館で、この日2度目となる練習を行った。メディアに公開された最後の5分程度の時間では、各選手が3Pを中心にシュートの感触を確かめる中、15日にアンゴラと行った国際強化試合で右足首を捻挫した渡邊雄太がコートを縦に使ってダッシュを繰り返していた。練習終了後、渡邊がメディアの取材に応じた。
「プレーできるくらいに回復してる」
19日まで有明アリーナであった国際強化試合の後、一日のオフを挟み、21日から徐々に練習参加を再開したという渡邊。23日はチームメートと「基本的に一緒にやってました」と答えた。右足の状態を聞かれると、こう説明した。
「正直100%になるとは思ってないですが、プレーできるくらいには回復しています。ここまできたらやるしかないので、言い訳せず、コートに立つ以上は痛みがあろうがなかろうが気にしない。ケガは自分の責任なので」
プレータイムについてトム・ホーバスHCと相談などをしているか、との問いには「ないです」と明言。「コーチが僕のパフォーマンスが悪いと思って減ることはあるけど、足首どうこうでプレータイムが減ることはないと思います」と続けた。
強豪倒す可能性のある「ギャンブル」バスケ
開幕が目前に迫る中、今の心境は「相手が強いのは分かってますし、本番に向けて自分たちも準備はしてきたので、プレッシャーがあったりするけど、ここまできたら楽しんだもん勝ち。みんなでいいバスケができたらと思います」とポジティブだ。
その上で「自分たちがやらせてもらってることは、自分たちが一番好きなこと。それを国の代表として、自国開催でやれることはまずない経験。これを楽しんでやれないんだったら、ここにいる資格はない。競争しながら、最後はしっかり楽しんでやりたいです」と強い覚悟をうかがわせた。
代表のスタイルについては「いい意味でも、悪い意味でも相手に影響されないバスケ。ペースを速くして、3Pを多く打つ。あとはそれを決めるか、決めないか。強い相手に勝てる可能性があるし、逆に弱い相手にころっと負けてしまうようなギャンブルみたいなバスケですけど、3Pの確率を上げればどのチームにも勝てる」と見る。
25日にある初戦のドイツは「個人個人を見れば実力が劣ってるのは間違いないですけど、チームとして見ればそんなに劣ってると思ってない。自信を持ってやっていくだけ。勝ちます」と断言。警戒している選手にはPGのデニス・シュルーダーを挙げ、「ドイツの攻撃は基本的に彼から始まる。去年のユーロカップも、彼が自由にやりだすと流れに乗り、ドイツが勝ち進んでいった。いかに彼を止められるかだと思います」と見通した。
(長嶺 真輝)