信州新加入ジャスティン・マッツ、連敗発進も成長へ意欲「一番大事なのはお互いをもっと知ること」
信州ブレイブウォリアーズのジャスティン・マッツ©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部・信州ブレイブウォリアーズは3日、ホームのホワイトリング(長野市)で秋田ノーザンハピネッツと対戦。信州はバイウィークが明けて怪我で戦線を離れていたエリエット・ドンリーマシュー・アキノが復帰し、新たに元千葉ジェッツのジャスティン・マッツを加えて挑んだホームでの2連戦となった。

 第1戦ではエナジーを欠き、秋田の激しいプレッシャーに対応できず後半に突き放され、64-83と大敗。翌第2戦は、試合開始直後からポイントガードの山本楓己が昨季まで信州に所属していた熊谷航に対して激しいプレッシャーをかけてチームに戦う姿勢を示した。それでも第2クオーター(Q)には15本のフリースローを相手に与えるなどフィジカル面でアドバンテージを取られ、33-44で前半を折り返す。

 大きく試合が動いたのは第3Q。信州は復帰したドンリーを起点とした連続得点や栗原ルイス星野京介の3ポイントシュートで45-44と逆転に成功。さらに星野やデオン・トンプソンが3Pシュート、マッツの豪快なダンクも飛び出し、56-52とリード。5000人以上が集まったホワイトリングはこの日一番の盛り上がりを見せた。

  第4Q開始直後には星野がこの日4本目の3ポイントシュートを沈めるが、秋田はこのQだけで18得点をマークしたタナー・ライスナー古川孝敏が要所で得点を積み重ね、逆転に成功。一方、信州は終盤に秋田のディフェンスに対してターンオーバーからの失点で流れを手放し、70-80と連敗脱出とはならなかった。

 この試合ではマッツがチーム最多の17得点、星野が14得点、ロン・ジェイ・アバリエントスが13得点、ドンリーが10得点を記録。試合後、勝久マイケルヘッドコーチ(HC)、マッツ、星野が記者の質問に答えた。

17得点を記録したマッツ©Basketball News 2for1

勝久マイケルHCの12/3秋田戦後のコメント

ー秋田戦 第2戦の総括

 昨日はハートのこととか、根本的な一番大事なプレーハードする部分であったりとか、そういうことについて話したが、今日はもちろんミスはたくさんあったが、正しいメンタリティでやろうとしていたのは間違いないと思う。当たり前のことではあるが今の我々にとって、それが毎試合できているわけではないのが事実なので、まずはそういうメンタリティで臨めてプレーしていた選手たちは良かった。そこがしっかりしていれば、一つ一つのやるべきことの成長だけにフォーカスをして、当たり前のことはやれるようにし続けて、ディテール(細部)の成長に向けてチームが話せるので、そういう部分では良かったと思う。本当に第3Qひっくり返すことができて、4Q悪いポゼッションやターンオーバーが多かったり、本当にその終盤の大事なところでの遂行力なので、何があってもリラックスせず次のプレー次のやるべきことに集中というメンタリティで40分戦えるようにしていかないといけない。水曜日またすぐゲームがあるので、それができるように準備していきたいと思う。

記者会見で話す勝久マイケルHC©Basketball News 2for1

ー第1戦からどのような部分を反省して今日の試合に臨んだか

 いつもの話だが、ディフェンス面でのやるべきこと。秋田さんはリーグの中でも屈指のボールプレッシャーをかけるインテンシティの高いディフェンスをするチームではあるが、我々は常にフルコートでピックアップされて何度も何度もターンされて、やりたい場所でやりたいことができないそれに対して我々は逆に相手に、よく確認の練習で5対0とかってやっていると思うが、まるでそれをさせているかのような状態。ボールを運んで、何一つプレッシャーなくターンもせず、居心地よく出したいところに出して、ディナイもせず、そこからまた繋ぎたいところに簡単に出してレイアップをやられる。まるで5対0やってるような。まずはそこから改善することを話した。

 今日は楓己がファーストポゼッションからディフレクションを取って相手のプレーを止めてくれたし、当たり前のことだが、そのディフェンスの始まりという部分から、一つ一つのルールまで確認をもう一度して、今日も決してターンオーバーの部分ではよくはなかったが、バイウィーク中にそれまでに一番苦しんでた、取り組まなきゃいけないところがやっぱりボールを運べていないところだった。プレッシャーでターンオーバーをしてしまったり、そうじゃなくても悪いポゼッションになったりっていうところで取り組んできたことを、一つ一つのプレッシャーリリースのタイミングだったり、繋ぎのタイミングだったり、どうやって我々のバスケをするかというところも話して臨んだ。

 でも何よりも、今日5000人以上入って素晴らしい雰囲気で、本当に将来のかかったシーズンといっておきながら、我々はハートを見せることができていないことは、正直ありえないと思っていて、今日はフロントがしっかりと仕事をして大人数入って、肝心なチームがやるべきこと、やるべきことというかまずハートを見せなきゃいけない。何よりもその部分を話して。遂行力だとかはまだまだだが、若いチームでルーキーや新加入も多いが、そのハートの部分っていうのは昨日よりはみんなは出してくれたのかなと思う。

ーバイウィークからの成長について

  本当はもっともっと早いペースで成長したいが、一番厳しくいわれてきたデオン(トンプソン)も京都戦がきっかけで本当に少しずつだが、ディフェンスのチームルールに対する理解っていうのは深めていると思うし、今日、本人はきっと悔しがってると思うが、楓己も京都戦をきっかけにバイウィークでも成長を見せていたと思う。ただエリエット(ドンリー)も久しぶりの試合だったり、ジャスティン(マッツ)が入ったばっかりだったり、またちょっと新たな、また一からみたいな、経験を積んでいかないといけないので、正直まだまだだと思います。

ー熊谷航の凱旋について

 去年、我々が彼のために使っていたゴー・トゥ・プレイを今年は秋田さんが航のためにたくさん使っていて、準備はしてきたが、うまくそのプレーで攻められてしまった。やっぱり彼のスピードというのはリーグトップクラスだし、我々がオフェンスでも苦しむのは、まず第一線で彼がプレッシャーを全く剥がされずに、(ディフェンスで)ずっとベタベタついていけるところなので、そこは身体能力の高さとタフさと負けず嫌いな気持ちというところは、昔からずっと言っているんですけど、本当に素晴らしい選手なので、相手としては手強かった。あまり話しはせず笑顔だけ交わしたぐらいだったが、元気そうでよかったと思います。

ジャスティン・マッツの12/3秋田戦後のコメント

ー秋田戦 第2戦の総括

 今日(3日)の試合に関しては、昨日(2日)の試合よりもチームでもハードにプレーできたと思う。だが、ハードにプレーできたのは全体的に40分間のうち15分か20分ぐらいだと思う。それだけではやはり勝てる試合も勝てないので、そういうところをしっかり修正していきたいなと思う。

記者会見で話すマッツ©Basketball News 2for1

ー信州で初めて試合に出て、勝利に必要な部分はどこだと感じたか

 一番大事なのはお互いをもっと知ることがチームとしてもすごい大事だなと思う。その中で、スカウティングをしている中で何をしたいかというのを全員がしっかり理解して、それを表現すること。出だしからやっぱりハードにプレーしなきゃいけないので、今回みたいに出だしがあまりよくないとダメなので、しっかりと出だしからやりたいことをできるようにしたいなと思う。

ー合流から間もない中で意識している部分

 まず一つはコーチがやりたいことをしっかりと理解してやること。そしてそれをプレーでうまく表現して、練習でもそれを表現できるようにっていうのが大事。一番はコミュニケーションで、オフコートでもしっかりとチームメイトたちとかとコミュニケーション取ったりとかして、チームメイトが何が得意なのか不得意なのかっていう部分をお互いをしっかり知るというのがすごく大事かなと思う。

ーホームコートの雰囲気はどうだったか

 とても良かった。ブースターの皆さんの前でプレーできたというのは楽しかったし、本当にブースターの皆さんの声援とかもすごく力になったので本当に良かった。

星野京介の12/3秋田戦後のコメント

ー秋田戦 第2戦の総括

 今日の試合は、昨日の試合、相手がハードなディフェンスだったり、トランジションの速いバスケットを展開してくることに対して準備をしてきたにもかかわらず、やっぱり本当に何も遂行できずに本当に相手のやりたいようにやられてしまった。今日は5000人を超えるお客さんも入ってくれた中で、昨日みたいな試合は絶対できないし、本当に自分たちがもっとハートを見せるだとか、そういう部分をまずはしっかりやらなきゃいけないなと挑んだ試合だった。

 入りからプレッシャーをかけたディフェンスはできたと思うので、そこはよかったと思う。要所要所でまだまだ全然足りてない部分とかもあったが、こういうエナジーだったり、自分たちがやるハートを見せるとかいう部分は、本来であれば意識してやるものじゃなくて、常に全員がやらなきゃいけないと思うので、そこをスタンダードにする。水曜日にすぐ試合があるのでそこに向けてやっていきたいなと思う。

記者会見で話す星野京介©Basketball News 2for1

ー「要所要所で足りていない部分」とは具体的にどこか

 相手の止めなければいけないプレーだったり、自分たちが準備してきた相手に対するディフェンスだったりというところがやっぱりまだまだ全然足りてない。オフェンスも相手のプレッシャーに対してオフェンスをやってしまっていた。自分たちのやりたいオフェンスというよりは、相手がプレッシャーをかけてくるから、こういうオフェンスをするっていう。相手に合わせたじゃないけど、そういうところもある。やっぱりそういうプレッシャーに負けているから、そういうプレーを選択しなきゃいけないと思うので、自分たちのやりたいこともできてなかったと思うし、そういうところが足りてなかった。

ー一時逆転した試合展開だったが、追っていたときの気持ちと追われてるときの気持ちは

 個人的には負けていても勝っていてもやることは変わらなくて、ただ今日の試合は特に追い上げている展開のときはやっぱりこれだけの5000人を超えるお客さんが入っていて、本当にすごくこれが自分たちの力にもなりますし、逆に自分が相手だったら嫌だなと思うので、そういった部分は本当にブースターの皆さんのおかげで自分たちの力になったというか、それは本当にそう感じる。

ー3Pシュートも4本沈めていた

 シュートは入っても入らなくてもやっぱり打ち続けることが自分の役割だと思う。そこが今日は入ったので、続けてきてよかったなと思う。

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