
Bリーグ2部(B2)は12月27日から28日にかけて各地でレギュラーシーズン第15節が行われ、東地区2位の信州ブレイブウォリアーズはホームのホワイトリングで西地区5位の熊本ヴォルターズと対戦。第1戦を97-79、第2戦を90-84で勝利し、クラブレコードの連勝記録を「12」に更新した。
第1戦では今季初めてフルロスターがそろったが、第2戦では得点源の土家大輝が出場できないアクシデントが発生。その影響もあり、一時は最大15点のビハインドを背負ったものの、アキ・チェンバースと生原秀将が試合の流れを引き戻した。
チェンバースはチーム最長の35分44秒出場し、3ポイントシュート4本を含む16得点6リバウンド2スティールを記録。生原は15分4秒の出場ながら、2得点3リバウンド9アシスト2スティールを記録した。勝久マイケルヘッドコーチ(HC)も「タフで頼もしい二人」と称えたベテランの活躍を振り返る――。
15点差逆転に貢献 後半に大爆発したチェンバース
第2戦、第1クォーターは熊本に9-0のランを許すなど、後手に回った信州。強力なビッグマンであるグレゴリー・エチェニケを止めることができず、ディフェンスリバウンドも取りきれない時間帯が続いた。後半も流れは変わらず第3クォーター残り4分16秒には最大15点差をつけられる展開に。その劣勢を跳ね返すきっかけとなったのがチェンバースの3Pシュートだった。
第3Q残り4分6秒、味方のオフェンスリバウンドからパスが回り、リングを射抜くと、残り2分21秒には右サイドでフリーになり冷静に2本目を沈める。続くポゼッションではドライブからのレイアップで得点し、さらに左サイドから3Pを決めて58-57と逆転に成功した。
信州の16-0のランの中で11得点を挙げたチェンバースは笑顔で振り返る。
「最初のシュートは気持ちを込めて打った。それが入ったので、その後は気持ちを楽にして打ち切ることができた。大輝はチームにとって本当に大切なピースだが、いないとなれば誰かがステップアップして戦うべき。それが今日はできて本当に良い勝利になった」
チェンバースの活躍はシュートだけではない。第1戦の第4Qには72-55とリードした展開でも果敢にルーズボールへ飛び込み、イージーバスケットへとつなげる場面があった。この姿勢こそ勝久マイケルHCが求める「細部への意識」だ。信州に所属して2年目のチェンバースは、攻守にわたり頼れる「3&D」としてチームスタイルを体現している。
“職人”の活躍には、勝久HCも目を細める。
「今日(第2戦)はアキを後半代えませんでした。それは前半を見ての判断と、アキがノリそうだなと思ったからです。活躍は鳥肌ものでしたね。シュートを決めるたび、逆転して会場がすごい雰囲気になった時、そして第4Qのトランジションからワンドリブルでのプルアップスリーには首を振ることしかできなかったです」

けがから待望の復帰 9アシストで流れを変えた生原
今季でチーム所属4季目となる生原も逆転の立役者だ。第1戦ではけがから復帰を果たし、プレータイムの制限がある中でも体を張ったプレーでチームに勢いをもたらした。
16-0のランは生原のフリースローから始まった。2本目は外したが、ウェイン・マーシャルがオフェンスリバウンドを拾い、ボールを受けた生原がトップから左サイドのチェンバースへ鋭いパスを通して3Pをアシスト。次のポゼッションでは渡邉飛勇とのピック・アンド・ロールからアリウープを演出した。
さらにスティールを狙って相手のターンオーバーを誘い栗原ルイスのフリースローにつなげると、第3Q残り2分21秒には熊本の石川海斗がフリースローを2本落とした直後、ボールを一気に運んでチェンバースの2本目の3Pをアシストした。
数々のアシストで得点を演出した生原だが、自身の活躍についてはいつも通り謙虚に振り返る。
「僕はいつも通りプレーして、いつも通りパスを出していた。それをアキやウェイン、マイク(ダウム)、エリー(エリエット・ドンリー)たち全員がシュートを決めてくれたので数字が増えたと思います」
15点ビハインドの展開での起用についてはこう語った。
「自分たちのバスケットをしっかりやれば、この点差は本来開いていない点差だと思っていた。もっと接戦だったり、勝っているバスケットをできると思っていたので、自分が出た時はスペーシングだったり、自分たちのバスケットをやることをみんなに意識させるようなプレーを心がけました」

ここ数シーズンの生原は、度重なるけがや脳振とうの影響で苦しい時間帯も過ごしてきた。しかしコートに立てば体を張り、自身の役割と信州のバスケットを体現する。勝久HCもその献身的なプレーを高く評価している。
「秀(生原)はあのプレータイムで、あんなにもインパクトを残すのはすごい。ずっとチームで掲げている『こういう読みをしよう』というのを彼が第一に表現してくれた。バスケが大好きな彼が復帰して、こんなにチームに貢献してくれてうれしく思います」
横浜ビー・コルセアーズ時代から足かけ4シーズン共にプレーするチェンバースは、生原の存在についてこう話す。
「(コートで)彼を見ることができて本当にうれしい。どういう選手かは長年プレーする中で培ってきたものがある。お互いのことをよく知っているので、コート上での会話も特にしなかった」
チェンバースは千葉ジェッツ時代に天皇杯優勝を、生原は栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)時代にリーグ制覇を経験している。勝者のメンタリティーを持つ二人がコートに長く立つことで、チームはさらなる進化を遂げるだろう。チェンバースの成長と生原の復帰は、信州の快進撃を支える大きな力となる。

(芋川史貴)






