FIBA男子ワールドカップの開幕まで残り2日に迫った23日午前、日本代表は試合会場となる沖縄アリーナのメインアリーナで練習を行った。最後の5分程度がメディアに公開され、選手たちはリラックスした表情でフリースローや3Pを打ち、シュートタッチを確認していた。終了後にPG河村勇輝とC川真田紘也がメディアの取材に応じた。
川真田「泥臭くやることを徹底」
川真田はもともと、所属する滋賀レイクスのチームカラーである青色に髪を染めていたが、22日の沖縄入りの際に那覇空港で真っ赤に染めた髪をお披露目。20日に有明アリーナでオーストラリア対フランスの強化試合を観た後、染めに行ったという。SNSやメディアで漫画スラムダンクの桜木花道になぞらえて「リアル花道」などと評されたが、色の理由については「ジャパンの赤です」と断言した。
以前から比江島慎や富樫勇樹ら先輩たちと「もし代表に入ったら赤にしよう」と話していたと言い、「個人的にもモチベーションが上がるし、気合いが入る」と満足げ。ムードメーカーらしく「これでみんながワイワイして盛り上がってくれたらいいなと思います」と笑みを浮かべた。
初戦のドイツ戦に向けては「相手は格上ばかりということは分かっています。その中でどれだけ相手に仕事をさせないかが自分のキーになると思うので、泥臭くやりたい。リバウンドも1対1の取り合いだと勝てないので、ボックスアウトやディフェンスで自分から体を当てて、やるべきことを徹底したいです」と気合をみなぎらせた。
ドイツ・シュルーダーのイメージを固める河村勇輝
河村にとって沖縄アリーナは、プラスとマイナスの思い出がある場所だ。今年2月の天皇杯準決勝では琉球ゴールデンキングスを相手にキャリアハイの45得点をマーク。一方でこの試合に加え、昨シーズンのBリーグセミファイナルといずれも琉球に敗れた。それらを念頭に、こう話した。
「沖縄アリーナは僕にとってすごくいい思い出もあれば、負けてしまって悔しい思い出もあるアリーナです。このW杯はいい思い出で終われるように全力を尽くしたい。あと3日間あるので、しっかりとドイツ戦に向けて準備をしたいです」
ドイツ戦のポイントには、エースガードのデニス・シュルーダーをいかに止めるかを挙げる。「やっぱり一人では止められないレベルの選手なので、チームで守る意識を持ちながら、個人でどれだけストレスを掛けられるかが大事になる。オールコートだったり、ボールを受ける前だったりでプレッシャーをかけていきたいです」とイメージを語る。
19日にスロベニアと行った強化試合ではルカ・ドンチッチともマッチアップした。ドンチッチは高さとフィジカルの強さがある一方で、シュルーダーは小柄でスピードがある。それを念頭に「シュルーダー選手もミスマッチを攻めてくると思いますが、基本的にはピック&ロールやトランジションのところで、1対1で出し抜いてくる方が多いと感じています。そこはマッチアップのしがいがある。特にスピードはすごいので、スピードに乗る前にしっかりシャットアウトしたいです」と強気に語った。
(長嶺 真輝)