バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング26位)は11日、都内で行っているパリ五輪に向けた強化合宿の一部を公開した。パリ五輪に参加する12人を決めるため、候補選手24人が招集されていた今回の強化合宿。11日までには20人に絞られており、トム・ホーバスヘッドコーチ(HC)によると、今月の22日と23日に北海道で行われるオーストラリア(同5位)との強化試合までに「16人ぐらい」に絞られる予定だという。その後7月に都内で行われる韓国(同50位)戦を経て、14人程度までメンバーを絞っていく。
11日時点で合宿に参加しているメンバーは以下の通り。
比江島慎
須田侑太郎
張本天傑
富樫勇樹
原修太
ジョシュ・ホーキンソン
馬場雄大
今村佳太
佐々木隆成
吉井裕鷹
川真田絋也
テーブス海
渡邉飛勇
西田優大
井上宗一郎
富永啓生
河村勇輝
金近廉
山ノ内勇登
ジェイコブス晶
21歳山ノ内勇登や20歳ジェイコブス晶ら若手も台頭
12枠をかけて激しい争いを見せている合宿についてホーバスHCは「思ったより(残っている)選手が多いです。本当に20人が多いかなと思ったんですけど、第2次合宿はいい仕事をやっている選手が結構出ました。だから、もうちょっと見たい」と見解を示す。
「本当にトライアウトです。例えば張本(天傑)は1年半も会ってないんですよ、ケガがあってから。でも、昨日と今日もすごくいい仕事をしている。だからもうちょっと(トライアウトを)やってみようって」
合宿に残っているメンバーの中には21歳の山ノ内勇登や20歳のジェイコブス晶など、5月に行われたディベロップメントキャンプから招集された選手の姿もあった。ホーバスHCは若手選手たちについて「山ノ内勇登とジェイコブス晶はディベロップメントキャンプから。 (A代表での活動を) 経験させた方がいい選手もいる。あの2人だけじゃないですけど、ちょっと経験させた方がいいかなと思いますね」と語り、成長に期待を寄せている。
3Pやリバウンドを強化 オーストラリアに「当たり前に勝ちたい」
今月末のオーストラリア戦や7月に行われる韓国戦を経て、パリ五輪に挑む日本代表。合宿ではパリ五輪での対戦が決まっているドイツ(同3位)やフランス(同9位)への対策を講じており、「新しいオフェンスもディフェンスも」練習していると指揮官は話す。特に課題として取り組んでいるのは3Pシュートとリバウンドであり、チーム全体でレベルアップに注力している。
「ワールドカップでの足りない部分、シューティングとリバウンディングはフォーカスしています。足りない部分はそれです。リバウンドはいつもです。ワールドカップでも3Pパーセンテージは31%。あれでは絶対に勝てない。3Pパーセンテージが上がらないんだったら絶対ドイツには勝てないと思う。トップレベルチームには(3P成功率が)40%近くあったら、すごくチャンスがある」
パリ五輪での8強入りを目標に掲げるアカツキジャパンだが、その第一歩としてホーバスHCが目指すのはオーストラリア戦での勝利だ。渡邊雄太と八村塁のNBA組は規約により参加できないものの、W杯で苦杯をなめさせられた相手に現メンバーでリベンジを誓う。
「オーストラリアは若いメンバーも結構来ますから、当たり前に勝ちたいです。このメンバーで勝つ。少しずつ日本のバスケットは強くなって、自信もある。オーストラリアは素晴らしい国、素晴らしいバスケットをしますけど、負けたくない。去年のワールドカップでオリンピックの切符を勝ち取った。そこから始まって、今年の2月の中国戦に勝って。うちのレベルが少しずつ上がっている。だからオーストラリアに勝ちたいんですよ。次のステップがそれ。ステップアップしたい。本当に日本のみんなの前で、日本で、いい試合をしたい。勝ちたい。みんな同じ気持ちがあると思う。目標はオリンピックのベスト8です」
強豪国との試合に勝利し、パリ五輪へ勢いをつけられるか。アカツキジャパンの戦いはここから始まる。
(滝澤 俊之)