8月25日に沖縄などで開幕する男子W杯に向け、FIBAランキング36位の日本代表は8、9の両日、本番前の初めの国際強化試合となるチャイニーズ・タイペイ(同69位)との2連戦を浜松アリーナで行った。初戦は3Pを21本入れて108ー86で勝利し、第2戦はディフェンスの強度を上げて92ー56で勝った。
格下相手で、まだ個々のコンディションも上がってない中での試合でチームの現状を測りづらい面はあったが、持ち味を発揮して代表入りを強くアピールした選手も多くいた。試合後の会場インタビューや、メディアの取材に対するトム・ホーバスHCや主な選手の一問一答は以下。
第1戦後の馬場雄大のコメント
ー試合の感触は
代表でプレーするのが久々だったんですけど、チームとしてホーバスHCのバスケが浸透して
きてますし、将来に向けて楽しいバスケでした。
ー5アシストも記録した
このアリーナで1日くらいしか練習をやれてなくて、シュートの感覚もつかめてなかったので、僕にできることはアシストだった。仲間がいい動きをしてくれたので、僕にアシストが付いたと思います。
ーファンに一言
今日はW杯に向けての最初のプラクティスゲームだったんですけど、勝利はしたけど、内容はまだまだ納得してません。明日の試合や、次のニュージーランド戦だったり、1試合1試合成長していくので、みなさん一緒に戦っていきましょう。
ー八村選手がいないことで、3番ポジションをやる意識はあるか
僕が3番でやるということは、確実にシューターが2番になると思う。だから、そこで気持ちよく打ってもらうためのパスであったりは、2番でプレーする時とは違う。僕もアシスト数を増やしていく必要があるかなと思ってます。
ーどんな部分でホーバスHCのバスケが浸透してきていると感じるか
スペーシングだったり、今まではコミュニケーションを取りながらやっていた部分が、当たり前のようにできてる。みんなしっかり遂行できてるので、練習中に監督があれこれ言わず、見てることが多くなったような気がします。3Pも確率良く入ってますし。本当にいいバスケができてるなと感じます。
第2戦後の川真田紘也のコメント
ー代表入りの競争相手が渡邉飛勇になると思うが、彼との違いをどんな部分で出したいか
本当に似てるんですよね。飛勇も3Pが得意なわけではないですけど、走れる。仕事的にはセンターとして守って、ブロックして、リバウンドを取ること。ただ、飛勇の方がダンクとかに向かう意識が強く、ポテンシャルがすごい高い。僕もどこかで彼との違いを出さないといけないと感じています。まだ答えが見付かってないんですけど、3Pの練習をしたりして、センターという形から外れた何かを今探してる感じです。
ーチーム全体として、世界レベルと対戦した時の高さをどうカバーするか
今回のチームは全員が結構大きいと思います。吉井や西田も大きいし、海とかもガードで188cmあるので。ただ、やっぱりサイズが小さいメンバーの時もあります。リバウンドが負けていれば大きい選手で編成するとか、一つ一つ変えながらやっていくのかなと思います。
第2戦後の吉井裕鷹のコメント
ー試合の総括
ディフェンスの強度を上げたらトランジションが速くなるとコーチから話があり、それを体現できたことでこの点数になったと思ってます。昨日からシステムをちょっと変えて、オンボールのディフェンスでトラップを仕掛けたら、相手のディシジョンメイク(意思決定)があまり良くなかった。これからもいろんなディフェンスを試しながら、いいゲーム運びができるための糧になった試合になったと見てます。
ー代表入りのサバイバルレースの中で、どんな気持ちで試合に臨んでいるか
個人のサバイバルもそうですが、やっぱり試合となるとチームなので、チームのみんながうまいこといけば、僕自身もおのずとうまくいく。個人のサバイバルという意識よりかは、とにかく1試合1試合、毎練習毎練習、チームがステップアップできるように心掛けてます。
ー体を張ったプレーが持ち味だが、代表で発揮できているか
自分たちのバスケはフリースローが一番のポイントだけど、簡単にファウルしてフリースローを与えてしまうところがある。そういう無駄なファウルをなくすことは、改善すべきところかと思います。
第2戦後のトム・ホーバスHCのコメント
ー試合の総括
出だしでディフェンスからのファストブレイクで始まり、この試合の道がつくれたかなと思います。最初から最後まで、相手はうちのプッシュに対してあんまり答えがなかった。昨日の足りない部分が良くなった。ただ、昨日の良かった部分は、あんまり良くなかった。昨日のオフェンスはすごかったけど、今日はあんまりシュートが入らなかった。でも、2Pの確率はすごい良かった。60.6%。フリースローの本数も30本。そこをすごい良かった。3Pは入らなかったけど、他のことをやっての95点。全然悪くないと思います。
ー原や金近がディフェンスで存在感を示した
飛勇がいなくて、ビッグマンが少なかったから、吉井とかも3番、4番だった。原選手は、彼がどこまでビッグマンをディフェンスできるかを見たかった。だから、今日は彼も4番だった。タイペイは初戦のドイツに比べると小さい。タイペイの4番選手は、たぶんドイツの2番か3番の選手ぐらいの身長。だからそこをちょっとテストさせたんです。金近は、最近あんまりシュートが入ってなかった。だから自信がちょっと落ちていた。それは良くないから、最後の方は出したかった。彼はシュートが入らない時でも他のことができる。だから、今日はディフェンスをよくやった。リバウンドもよく取った。そこを彼のために大きいかなと思います。
(長嶺 真輝)