FIBA男子ワールドカップ2023の開幕が翌日に迫った24日、日本代表は正午ごろに会場の沖縄アリーナ横にある沖縄市体育館で練習を行い、一部をメディアに公開した。選手たちは主にシューティングで汗を流し、SF渡邊雄太、C/PFジョシュ・ホーキンソン、SG富永啓生の3人は会話をしながら和やかな雰囲気で3Pの感触を確かめていた。練習後、ホーキンソンがメディアの取材に応じた。
遅い時間帯の試合にベストを
現在のコンディションについて聞かれたホーキンソンは「試合に向けてしっかり体のコンディションを整えています。予選はどの試合もすごく遅い時間帯で、今まで自分たちはそういった試合をやったことがない。遅い時間帯でも、しっかり自分たちの状態をベストに持ってくるのはすごく大切なことなのかなと思っています」と答えた。
25日のドイツとの初戦で警戒すべき選手に挙げたのは、いずれもNBA選手であるPGデニス・シュルーダーとPFダニエル・タイス。理由はこうだ。
「シュルーダーはすごくダイナミックなポイントガードで、ペイントアタックが強み。ディフェンスを収縮させてパスを出すことができる。そして、特に彼とコンビネーションがいいのがタイスです。ロブパスに合わせてダンクを狙ったり、インサイドの強さだけじゃなくてスリーポイントも打てたりします。この2人は本当に気を付けないといけないと思っています」
その上で、自分の役割にも触れた。
「自分自身の役割としては、しっかりインサイドを守ること。シュルーダーがペイントアタックしてきたら侵入を防ぎ、タイスと合わせようとしてきたら、そこに対してもしっかりガードする。役割ははっきりしているので、やり切りたいです」
渡邊雄太とのコンビに好感触「他国の脅威に」
エースの渡邊雄太とは、15日にあったアンゴラとの国際強化試合で共にコートに立ったが、この試合の第2Qで渡邊が右足首を捻挫して離脱したため、ほとんど実戦で合わせないままに本番を迎えることになる。ただ、ホーキンソンはそれほど心配はしていないようだ。
「実戦で一緒にやることは今までほとんどなかったのですが、練習ではコミュニケーションを確認できています。特に彼はNBAでも有数のシューターです。僕が5番としてプレーしてインサイドにアタックしていけば、彼がポップアウトして3Pを打てるスペースが生まれてくる。さらに僕たちはトランジションで走ることもできるので、2人のコンビは他の国にとって脅威なんじゃないかなと思っています」
今年2月に日本国籍を取得し、同月のアジア地区予選Window6で代表デビューを飾ったホーキンソン。日本の国歌をコート上で聞くたびに「自分は日本代表としてプレーできているんだ」「自分だけじゃなく、応援してくれる人たちのためにしっかりやらないと」と自らを鼓舞しているというチーム最高身長(208cm)の万能戦士が、アカツキジャパンを力強くけん引してくれるはずだ。
(長嶺 真輝)