終盤で逃げ切った広島ドラゴンフライズ、ホームで開幕連勝
24得点を記録した広島ドラゴンフライズのニック・メイヨ(左)©Basketball News 2for1
バスケットボールニュース2for1代表。スポーツニッポン新聞社の編集者・記者を経て、2020年に現メディアを立ち上げる。日本代表やBリーグからNBA、WNBAまで国内外さまざまなバスケイベントを取材。スポーツライターとしても活動している。

 Bリーグ1部は3日、各地で第1節が行われ、広島ドラゴンフライズはホームでレバンガ北海道に85-82で勝利。今季新加入のニック・メイヨはチーム最多の24得点に7リバウンド4アシストとマルチな活躍。広島がホームで開幕連勝スタートを切った。

第1Qは広島が圧倒

 第1クオーター、広島は前日に3ポイントシュートB1通算500本成功という記録を達成した辻直人が3ポイントで先制点を決めると、そこから14-2のランを決め北海道を圧倒。14点リードでこのクオーターを終える。

 第2クオーター、柳川の連続5得点で広島は一時16点のリードを奪うも、北海道が反撃。寺園、ロングらが得点を重ね、広島との差を10点に詰めて折り返す。

11得点を記録した広島ドラゴンフライズ・辻直人©Basketball News 2for1

 第3クオーター、一進一退の展開が続くも、北海道はロング、ブルックスらが果敢にインサイドにアタックし徐々に差を詰める。残り1分57秒には山口颯斗が3ポイントを沈め57-57の同点に追いつく。残り29秒にはロングがオフェンスリバウンドからゴール下でシュートをねじ込み、60-59と北海道が広島との差を詰めこのクオーターを締めくくった。

 第4クオーター、北海道は最初のポゼッションで葛原大智が3ポイントを沈め、60-62と逆転に成功。その後は両者譲らない展開が続くも、残り1分40秒に辻からのパスを受けたチャールズ・ジャクソンがアリウープを決め、広島が78-71とリードを7点に広げる。北海道は残り10秒に中野が長距離のジャンプシュートを沈め2点差まで迫るも、広島はメイヨ、トーマス・ケネディがフリースローで得点を重ね、3点差で逃げ切り開幕連勝を飾った。

オフの大改革実った

 B1挑戦1年目となった昨シーズン、9勝46敗のリーグ最少勝利数に終わった広島。今オフには辻(昨季は川崎ブレイブサンダース)やチャールズ・ジャクソン(同サンロッカーズ渋谷)、ニック・メイヨ(同レバンガ北海道)ら各チームの主力で活躍していた選手を獲得し、大型補強に成功。ヘッドコーチ(HC)には昨季横浜ビー・コルセアーズで指揮を執ったカイル・ミリング氏を招聘し、チームの抜本的な改革を目指した。

試合後、記者の質問に答える広島ドラゴンフライズのカイル・ミリングHC©Basketball News 2for1

 ホームでの初陣を連勝という形で終えたミリングHCは「今季初めての連戦で選手たちも疲れることを分かっていた。難しい展開になると思っていたが、いい形でスタートを切れた。勝利で終えられたことが最も重要なことです」と安どの表情を見せた。

ディフェンスの改革に自信

 昨季はリーグ2番目に多い1試合平均86.8失点を記録するなど、ディフェンスが課題とされていた広島。ディフェンス改革に定評があるミリングHCはチームディフェンスの構築に自信を見せている。

「我々は今年はディフェンスにフォーカスしようと努めている。ディフェンスへの姿勢を変えたりね。構築するのに時間はかかるが、ゆっくりと改善していっている。今日の試合でのディフェンスはなかなかよかった。たくさんのターンオーバーを犯したが、ハーフコートでのディフェンスはきっちりできていた。あとはイージーなターンオーバーを減らしていくことですね」

 11得点4アシストとマルチな活躍で勝利に貢献した辻については「彼はとても優秀なボールハンドラーです。キャリアの中では4アシスト近く記録したこともあるし、ピック&ロールもうまい」と称賛。「2つのガードポジションをこなせる選手なので、シューターとしてだけではなく、プレーメイカーとしての才能も発揮してほしい」とポイントガードとしての活躍にも期待を寄せた。 

(写真=吉本宗一朗、文=滝澤俊之)

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