
Bリーグ1部(B1)は10月18、19日の両日、各地でレギュラーシーズンの第4節が行われ、東地区のアルティーリ千葉はホームの千葉ポートアリーナで西地区の富山グラウジーズと対戦した。
第1戦は序盤からシーソーゲームとなり、第4Q終盤まで競り合う展開は続いたものの、勝負どころでの富山の得点を止めることができず、最終的に95−99で黒星を喫した。
翌日の第2戦では、第1戦終了後の暴力行為によりトレイ・ポーターが懲罰を受け、出場停止。劣勢で迎えた第1クォーターだったが、第1戦はファウルトラブルで苦しんだブランドン・アシュリーが躍動。インサイドで得点を重ねると、エヴァンスルークがアウトサイドから得点し、富山のディフェンスを崩していく。42−31と11点リードで迎えた後半、第3Q終了間際には富山のブロック・モータムに3ポイントシュートを決められて62−62と同点に持ち込まれたものの、第4Qではこの日好調だったルークが3本の3Pシュートを決めきり、86−84で勝利。B2プレーオフのファイナルを彷彿とさせる戦いを1勝1敗で締めくくった。
第2戦では、アシュリーが23得点12リバウンド4アシストでダブルダブルを達成。キャリアハイとなる1試合で5本(成功率83.3パーセント)の3Pシュートを決めたルークは17得点11リバウンド3アシストとし、勝利に大きく貢献した。また、第1戦で課題となっていたリバウンドはチーム全体で46本を獲得し、富山の38本を大きく上回る結果となった。
第4節を終え通算4勝3敗で東地区6位となったA千葉は、25日と26日にアウェイのIGアリーナにて西地区2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦する。第2戦後の記者会見では、アンドレ・レマニスHCと渡邉伶音が記者の質問に答えた。
アンドレ・レマニスHCの富山戦後のコメント
ーー富山戦・第2戦の総括
B1はすごく勝つことが難しい舞台だなと思いますし、大変な道のりになるのではないかと自分も考えています。ただ、自分たちとしてはエナジーをどれだけ出せるか、ディフェンスをどれだけできるか、リバウンドを取れるか、そういった部分はどんな状況においてもやるべきものだと自分たちに課しているものです。水曜の試合(第3節・三遠戦)ではしっかりとそこは出せていて、もちろん結果としては負けてしまってはいますが、その過程はしっかりと踏めていたかなと思っていたのですが、昨日の試合(第1戦)ではそれが足りていなかったという試合でした。
今日(第2戦)に関しても、もしかしたら最後のケル選手のシュートが入っていればここで残念な気持ちで会見を受けていたのかもしれませんが、入らなかったので、今日はこうしていい気持ちでここにいることができています。そういう、どうしてもコントロールできないことがあるというのがスポーツなので、その中でどれだけ毎回自分たちがどんな状況においてもできること、エナジーを出すことだったり、そういった部分ができるかどうかというのが非常に大事だと思っていて、今日はそこがしっかりと出せていたと思います。皆さんご存じのとおり今日はポーター選手が出場できなかったり、試合中いろいろなアクシデントがある中でも、しっかりと全員で対応して勝ちきることができて良かったです。

ーーポーターが出場できない中で、渡邉とルークのプレータイムが伸びたと思うが、両者の評価は
エヴァンスは、本人も含めて我々もまだまだどう生かせるかというのを探りながらやっているところで、特にビッグラインナップのところもどうアドバンテージを作れるかというのは全員で探りながらやっているところです。今日に関しては3Pシュートをかなり決めきってくれて、そこは今後もディフェンスを外にストレッチしてくれる要素になるので、非常に助かるなと思っています。
一番評価しているのは、今日の試合でオフェンスリバウンド4本、ディフェンスリバウンド7本、チャージングを2回取ってくれていたと思うのですが、そういったディフェンスやエナジーの部分で非常に大きな貢献をしてくれていたなと思っています。こういった形の貢献を引き続きやってくれると非常にチームとしても助かりますし、オフェンスに関しては彼自身もチームの中でどうやって自分のシュートを作っていくかをまだまだ探っている途中とは思いますが、そこのエナジーの部分を今後もやっていってくれるといいのかなと思っています。
渡邉選手の関しては、チームとともに成長しながらやっていると中ではありますが、今日はプレータイムを伸ばせたことも良かったですし、接戦のようなこういう試合で経験を積めたことも良かったと思います。(黒川)虎徹もそうでしたが、少しずつ経験を積みながらやっていくことが非常に大事で、彼のサイズというのは3番ポジションとして非常にアドバンテージがあると思っています。
これまでの彼のキャリアの中で、ほとんどビッグマンとして試合に出ていたというのもあり、逆にやってきたからこそビッグマンにスイッチしたとしてもしっかりとディフェンスで抑えてくれるというのもアドバンテージになっていると感じます。だからこそ、ディフェンスのカバレッジもバリエーションが持てると思います。オフェンスのサイドも、しっかりとシュートを自信を持って打ってくれていることもいいなと思っていて、若い選手としてはなおさら、自信を持って打っていくことは大事なので、いいことです。
彼にとって、プロとしてのキャリアの最初のスタートがこれだけ周りにいい選手がいて、みんながサポートしてくれてという環境にあるというのも非常に恵まれていると思うので、彼がああいうふうにシュートを打った時には全員がサポートしますし、彼を疑わずに自信を持って打ってほしいと思っています。そういったことは若い選手が成長するうえで大事なことだと思います。
ーーB1に上がってから失点が増えている点についてどう考えているか
失点に関して、スタッツだけ見ると確かに下の方に入っているのですが、エフェクティブフィールドゴールのディフェンスという意味でいくと上から4番目、5番目ぐらいで、比較的効率は良いです。昨日(第1戦)もお話をしたんですが、リバウンドが大きな要因だと思っていて、今日は修正できたので、しっかりと改善は見られたと思うのですが、今後B1で戦ううえでリバウンドというのは改めて対応を考えていかなければならないのかなと思っています。
ーー今シーズン、A千葉はどんなバスケットボールをしていきたいか
スタイルについては大きく変えることはなくて、しっかりと応援してくださる皆さまが誇りを持てるようなパフォーマンスをすること。ディフェンスだったり、ルーズボールを取りにいくことだったり、チームメイト同士でお互いをしっかりサポートする姿を見せるなど。あとはボールをしっかりとシェアするという意味で、今日も接戦の中でも外国籍にボールを集めるとかではなくて、日本人選手もアドバンテージがあるところを見つけて切りこんでいく、そういったスタイルを引き続きやっていければと思っています。
渡邉伶音の富山戦後のコメント
ーー富山戦・第2戦の総括
今日は、昨日の反省であるディフェンスの強度とリバウンドの部分をチームとしてもっともっとよくやっていこうと、そういう話をしていました。その部分で一つ一つのプレーでいいエフォート(奮闘)があったので、苦しい時間帯もありましたけど、最終的にこういう結果につながったのかなと思います。
ーーA千葉でどう成長していきたいか
このBリーグに自分が乗り込んだ経緯として、本当にこう、少し居心地の悪い環境で、というのもみんなは優しいですけど、やっぱりうまくいかないことが続いたりとか、そういうことが今まで以上に増えると思うんですけど、そういう環境で自分としっかりと見つめあって成長できるか、成長していこうという気持ちを持ってこの場に飛びこんできた。一個一個のプレーをしっかりと遂行して、早く自分がこういうプレーヤーだというのを示していきたいです。
3ポイントシュートだったり、ゴールにアタックしていくプレーというのはまだまだできていない部分はあるので、そこは本当に今シーズンの自分の武器だと思っているので、そこをもっと見せていかなければいけないなと思っています。

ーーコンスタントに出場できるようになったら目標のリバウンドや外国籍の助けになると思うが、そこについてはどう考えているか
もちろんいち早くチームのローテーションに絡んでいきたいですし、その気持ちはとにかくずっとあります。それと同時に、アルティーリは何年間もみんな同じバスケットを専念してきていて、自分はまだ数カ月しか入っていないので、そこで自分はどうプレーしなきゃいけないのかとか、(前田)怜緒さんとかにも一年目とかけっこう困ることがあるからとか、そういう話を聞かせてもらっているんですけど、逆に少し新しい風を自分なりに吹かせることができるのではないのかとも思っています。
先ほど言ったリバウンドだったり、このサイズでウイング(でプレー)をさせてもらっているので、そこでしかできない、自分にしかできないプレーもあると絶対あると思う。そこはもっと重宝されるように。練習を試合だと思っているくらいの気持ちでいるので、簡単な話ではないですが、すぐにでもローテーションに絡めるように明日からもやっていきたいなと、そういう意欲はあります。






