
Bリーグ1部(B1)は2月1日と2日の両日、各地でレギュラーシーズンの第20節が行われ、中地区6位のファイティングイーグルス名古屋はホームの名古屋市枇杷島スポーツセンターで東地区2位の群馬クレインサンダーズと対戦した。
第1戦、FE名古屋はショーン・オマラの欠場が響き、群馬に終始リードを許す展開となる。5割を超える高確率で3ポイントシュートを沈めた群馬に75-91で敗れた。
翌第2戦、アーロン・ヘンリーと佐土原遼がコートにいない時間に得点が止まり、第2クォーターに一時14点のビハインドを背負うも、ディフェンスの強度を高めて徐々に流れを引き寄せ、35-40で前半を終える。後半に入り、ヘンリーが3Pや積極的なペイントアタックでフリースローを獲得するなど、攻守でリズムをつかみ、第3クォーター終盤に逆転に成功。最終クォーターもオマラがゴール下で存在感を発揮するなど、群馬の追随を許さず、89-80で勝利。第20節を1勝1敗で終え、連敗を5で止めた。
FE名古屋は第2戦でヘンリーが26得点8リバウンド8アシスト、オマラが24得点13リバウンド、並里成が14得点、佐土原が11得点を記録。試合後の会見では川辺泰三HCと並里、佐土原が記者の質問に答えた。
川辺泰三HCの群馬戦後のコメント
-群馬戦の総括
(最近は)グレートなチームとずっと戦ってきて、勝ちきれなかった。だけどコーチ陣として、チームとして成長を感じる負けだった。良くなってきていて、グレートなチームと戦いあえていて、最後勝ちきれなかったところでフラストレーションが溜まっていた。その中で、ショーン(オマラ)もこの前ダメなことをしてしまって(第1戦で出場停止になり)、今日(第2戦)は帰ってきてくれて、しんどい雰囲気メンタルだけどやってることは間違っていないということを今日も映像で確認した。それでも前半緩かったところを後半アジャストして、しっかりやろうと遂行してくれて、選手チーム一丸で我慢して戦えたと思う。
グレートなチームの一つの群馬さんにしっかり勝てたということは、成長に繋がるし、みんなの笑顔が見られて本当に良かったと思います。全部練習からだから、またしっかり練習から、目標であるプレーオフ、そして日々成長、それは技術だけでなくメンタルの部分もよりいい人になれるように頑張ります。

-長くなっている佐土原のプレータイムについて
今、(佐土原の)代わりに出てきて同じくらいのレベルで戦えるオプションがないというのが正直なところです。今日の前半と昨日、ピック&ロールからのプルアップスリーとオフボールでやられているんですが、そこは自分たちはタッチヒップがキーで、自分の守る相手のお尻を触ってからしっかり守る、ボールマンが出てきた時は絶対、フラットでショー(ディフェンス)、出ている状態から守る。本当に3Pをやられる時には、セパレーションスイッチというところですが、それをドロップ気味に(下がって)ついているのが昨日は多かった。
まだ合流して2、3ヶ月のフェミ(オルジョビ)とか曾祥鈞がディフェンスの遂行力でやられてしまう中で、アーロン・ヘンリーを出そうと思えば、そこは曾祥鈞なのか凜(山崎)なんですが、そこがなかなか(試合に出すことができていない)。ちょっとずつチャンスを与えてはいるんですけど、そこでの頑張りが見えていない、結果が出ていない。練習で良いときもあるけど、短時間でもやりきれないと(いけない)。昨日も少し出てスイッチミスが出てしまうと、僕らは今ワンポゼッションで負ける試合をずっとやっているから、厳しく(ディフェンス)できないなら、みんな勝ちたいから、それなら俺らが出たいと彼らも言う。成長を待つのか勝ちを取るのかという天秤で、今やれる最大限をやっている状態だと思っています。
とはいえ、今まで(プレータイムが)0分だったのが、1分2分と与えているつもりだし、そこで結果を出して欲しい。そこは長くなりすぎている(佐土原の)ところの休みだから、その休みの中で結果を出した天昇(杉本)はどんどん伸びてきているし、聡理(内尾)は今そこで戦っている。ディフェンスはいいけどオフェンスの貢献度だったり、良い選手が揃っている中で、その中の1番手2番手じゃないとプレータイムはもらえない。全員ちゃんと見てるんで、みんな頑張っていると思っています。
-佐土原の代表選出について
もうちょっと早くいけたんちゃうかなと、個人的には思っている。プレーもどんどん成長する裏には彼の人間性がある。バスケットに対する素直さ、真摯に向き合うところ。本当に努力家だし、そういうところが日本代表になるべき選手に一番大事。そこは礎としてあって欲しい。その中で彼はプレータイムをもらって表現して、色んな外国籍選手、日本代表選手と戦って今結果を出してきているから、もう少し早くても良かったかなと思いますが、本当に嬉しいです。
並里成の群馬戦後のコメント
-群馬戦の総括
2日間、すごく良いバスケットをするチームと対戦して、今日なんとか接戦を勝てて、自分たちにも大きな1勝になったのかなと思います。

-勝ちきれない試合が続いていたが、チームの雰囲気は?
もちろん、勝っている時より明るくはないが、皆ポジティブに捉えていて、負けているけど良いバスケットができていて、ステップアップしてるよねという話をして、そこは本当にポジティブに。後は少しのところ、質の問題になってくるので、そこを上げられたらいいのかなと思っていて、今日は(質を)上げられたので良かったなと思います。
-自身のパフォーマンスの評価
今日は試合前息子にダブルダブルで30得点20アシストしてくれと言われていて、全然それに届かなかったので、個人の評価としては30点ぐらいです(笑)。
佐土原遼の群馬戦後のコメント
-群馬戦の総括
まず勝ったことが嬉しいですし、群馬さんはCSに出るチームなので、勝てて嬉しいです。ショーンがいるいないで、チームとしてダメージはあったんですけど、昨日のゲームこそ勝ちたかった気持ちでしたし、個人的には(八村)阿蓮に昨日の試合でヒーローになられてしまい、自分は16点取ったとはいえ、負けてしまったし、納得のいく試合ではなかった。今日は、阿蓮は要所要所で点数を決めてましたし、ヒーローになる活躍だったのかなと思います。何より今日チームで勝てた事は嬉しいですが、個人的にはすごく課題の残る試合でした。

-悔しい負けが続いていたが、チームの雰囲気はどうか
連敗、負けというところでチームとしては暗い感じにはなってましたけど、強豪に競れたというのはすごくプラスなポイントであったので、落ち込んでいるとはいえポジティブな話し合いが多かったので、負けてるからすごく暗い感じはしなかったです。
-敗戦の翌日の戦い方について
負けるとどうしてもチームとして全員がステップアップしないといけないってところで、個のプレーに走ってしまう事が増えてきていて、ショーンが不在の中全員がステップアップしないといけない中、個人プレーに走るポゼッションが増えてしまって、チームバスケットが出来なかった。今日はショーンが戻ってきたことによって今までのバスケットスタイルに戻ったので、上手くボールも回って、いいチームバスケットが出来た中で、アーロンが1対1で攻めたり、ショーンのダックインのところで1対1が出来たりしたので、これが本来あるべき姿。連敗しているとどうしてもそうなってしまう(個のプレーに走ってしまう)。
個人的にはそういう時こそ、エゴを出さずに自分のやるべきことを整理して、空いたら3ポイント打つ。ドライブ行けるタイミングだったらいく。リバウンド、ディフェンスのところもやっていこうかなと思っています。
-2日続けて35分超のプレータイムとなった
もちろんきついです。でもチームの主となる人は必ずそういう時間でますし、それを言い訳にしてプレーに影響してはいけないと思っている。今日、後半4クォーター最後の方でエネルギーもなくなって、集中力も欠けてターンオーバーが増えてしまったのは今後の課題です。来週は水曜ゲームがないので、いったんリセットしてバイウィーク、代表前の2試合は40分出れるように(身体を準備)したいなと思います(笑)。
-日本代表選出について
自分が目指してきたところなのですごく嬉しいのですが、試すための試合で、若手育成を兼ねた選考であるので、自分的には納得のいってないところ。代表ですが、本来の日本代表ではない。言ってしまえばB代表みたいな感じだと思うので、自分的には納得いっていない。渡邊選手、富樫選手、比江島選手、馬場選手がいて、今アメリカ行ってる河村がいて、そういうちゃんとした日本代表にはなれていない気がするので、嬉しい気持ちの反面、通過点だなと思っています。
トムさんのバスケットを初めて一緒にやるので、色んなバスケットを吸収できることはプラスに捉えて、2試合ともロスターに入ってそこで自分を出せれば良いなと思います。
-日本代表でアピールしたい自分の強み
ディフェンスはどんな選手にも粘り強くつけるところが自分の武器。オフェンスはフィジカルにドライブできるところが自分のいいところ。ここ2日間、3Pが入っていないが打ち切るところが自分の強みでもある。トムさんのバスケットは3Pを多く打って、ディフェンス頑張って、ファーストブレイク狙って、そこからの3Pだと思うので、自分は打ち切るところで躊躇することはないので、そういうところも持ち味かなと思います。
(高久理絵)