バスケットボール女子日本代表(FIBAランキング9位)は20日、きたえーる北海でオーストラリア(同3位)と国際強化試合の第1戦を行い、96-85で勝利した。
馬瓜ステファニー、髙田真希、山本麻衣、林咲希、宮崎早織をスターターに据えて挑んだアカツキジャパン。第1クォーター、林の3ポイントシュートや山本のドライブからのアタックなどで22-19と優位に立った日本。続く第2Qでも林や馬瓜エブリン、赤穂ひまわりなどが要所で3P を沈めリズムをつかむと、前半終了間際には町田瑠唯がディープスリーをヒット。52-41と11点リードで折り返す。
後半、サイズで優位に立つオーストラリアにインサイドを突かれ、第3Q残り2分16秒には62-61と1点差に詰め寄られる。それでも、馬瓜エが3Pやフリースローで得点を重ね再度点差をつけると、第4Qは開始から1分30秒の間にチームで3本の3Pを立て続けにヒット。その後は常に10点前後のリードを保ち、初戦を白星で飾った。
日本は馬瓜エがチーム最多の20得点、林が3P5本成功で15得点、山本が12得点、髙田と 赤穂がそれぞれ10得点を記録した。サイズで劣る日本はリバウンドで25-44と大きく差をつけられたものの、チームで52本中20本の3Pを成功。3P成功が10本のみだったオーストラリアに対し3Pで大きくアドバンテージをつかんだこと、そして激しいディフェンスから24個のターンオーバーを誘発し、イージーバスケットにつなげたことが勝因となった。
ディフェンスに課題 髙田「修正して臨みたい」
WNBA選手などがいなかったとはいえ、世界3位のオーストラリアから勝利を挙げた日本。チームのアイデンティティである強度の高いディフェンス、そしてスピードと3Pを強調するオフェンスの両サイドでしっかりと強みを出せており、およそ1か月後に迫ったパリ五輪に向け上々のスタートとなった。
恩塚亨ヘッドコーチは「ゲーム中、70%ぐらいは良い判断ができていいシュートが打てたなと思います」と試合を評価。「ただ、途中疲れてきたり、カオスな状況になったときに、やるべきプレーがまだまだできてないところがあった。その辺りをしっかり詰めてプレーしていくことができたら、選手たちも持っている力をさらに発揮することができて、より高いレベルのバスケットができるようになるのではないかなと感じています」と第2戦に向けての課題も口にした。
チームの大黒柱である髙田も、ディフェンス面での課題を口にする。
「96点取れているのでいい部分もたくさんあるんですけど、どちらかというと自分の印象の中ではもっとディフェンスをタフにやらないといけないと感じました。コミュニケーションミスでやられてしまっているところもあったので、もうちょっとディフェンスをタフにやっていかないと、もっともっとこの先厳しい戦いになる。今日(20日)出た課題を明日(21日)しっかり修正して臨みたい」
15人がプレー「見えてきたところはある」
代表争いも日を追うごとに激しさを増している。今回の北海道での強化試合には16人がエントリーしており、20日の第1戦では野口さくらを除く15人がプレー。そのうち13選手が得点を挙げており、最終12人の枠を巡り各選手がしのぎを削っている。
恩塚HCは最終メンバー12人について「一概にはいえないが、見えてきたところはある」と指摘。選考の基準については「(チームの)コンセプトに合っているかどうかということと、そのコンセプトをやり抜けるか。(選手の)善し悪しよりは、合うか合わないかというところも含めてしっかり見極めたい、評価したいと思う」と説明した。
21日の第2戦も含め、パリ五輪に向けた国内での強化試合は残り3試合。恩塚HCのスタイルを体現し、パリ五輪への切符をつかむのはどの選手なのか。し烈な争いはまだまだ続く。
(滝澤 俊之)