名古屋ダイヤモンドドルフィンズ“愛知ダービー”制し初のSF進出!エース齋藤拓実「チームの歴史に名を刻んだ」
笑顔を見せる名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実©Basketball News 2for1
バスケットボールニュース2for1代表。スポーツニッポン新聞社の編集者・記者を経て、2020年に現メディアを立ち上げる。日本代表やBリーグからNBA、WNBAまで国内外さまざまなバスケイベントを取材。スポーツライターとしても活動している。

 Bリーグ1部・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区1位)は12日、ホームのドルフィンズアリーナでシーホース三河(中地区2位)と対戦し、84-75で勝利。チャンピオンシップクォーターファイナル(QF)を2連勝で終え、チーム史上初となるセミファイナル(SF)進出を果たした。

 第1クォーター、前日の第1戦同様、両者譲らず18-19と1点ビハインドで終える。続く第2Q、残り7分38秒にインサイドの柱であるスコット・エサトンが3つ目のファウルを犯しベンチに下がると、三河はダバンテ・ガードナーを中心にペイント内で得点を重ねる。三河に流れをつかまれ最大11点差までリードを広げられた名古屋Dが、41-47と6点ビハインドで前半を折り返すこととなった。

 後半、第3Q早々に齋藤拓実の3Pシュート、エサトンのレイアップシュートなどで1点差に詰め寄ると、その後は一進一退の展開に。第4Q残り6分4秒、斎藤からパスを受けたエサトンがバスケットカウントワンスローを決め、62-60とリードを奪い返すと、真っ赤に染まったドルフィンズアリーナは熱狂に包まれる。その後、リードを二桁に広げた名古屋Dは、三河の猛追で一時1点差まで詰め寄られる場面があったものの、最後はフリースローゲームを制し、2勝0敗でシリーズを勝ち抜いた。

 名古屋Dは齋藤拓実が2戦連続チーム最多となる23得点8アシストを記録。他にもエサトン19得点7リバウンド、ティム・ソアレスが14得点11リバウンドのダブルダブルを記録し、チームの勝利に貢献した。レギュラーシーズンからの連勝を「8」に伸ばした名古屋D。SFでは三遠ネオフェニックス(中地区1位)を破った広島ドラゴンフライズ(西地区3位)との対戦が決まり、両者ともに勝てばチーム史上初のファイナル進出となる。

 試合後、名古屋Dのショーン・デニスHC中東泰斗、齋藤が記者会見に登場し、記者の質問に答えた。

ショーン・デニスHCの三河戦後のコメント

-三河戦の総括

 苦しい試合になることは分かっていました。相手がすべて出し切ってくることも分かっていましたし、(前半の)エサトン選手のファウルトラブルでバランスが崩れた部分もあって、そこを相手がうまくつけこんでリードを奪いました。

 1年を通して、本当にうちの粘り強さがどんどんよくなっていました。今日(第2戦)もその粘り強さを発揮できたし、3Qが終わって4Qが始まる前に、選手の顔を見たり選手の話を聞いていると、自信がすごくあることが分かり、自分たちのシステムを信じて進んでいました。それが本当に嬉しかったです。その後、(中東)泰斗や(佐藤)卓磨がすごく貢献してくれたことで、須田選手をそのままベンチに残すことができた。チームも選手もすごく良かったし、特に斎藤選手が素晴らしいプレーをしていて、最近は本当に違うレベルでプレーしていると思います。

 三河も本当に今年は素晴らしいシーズンだったと思いますし、新しいコーチの下で、素晴らしいチームになりつつある。本当に正しい方向に向かっていることは素晴らしいです。後半のディフェンス、相手を後半に28点に抑えたのは素晴らしいところだと思います。4Qの中盤ぐらいからうちのディフェンスで相手が崩れ出して、そこで試合が決まったような感じでした。そこは本当に素晴らしかったです。

記者の質問に答えるショーン・デニスHC©Basketball News 2for1

-チーム史上初のSF進出を決めた時の心境

 (セミファイナル進出は)本当に気持ちがいいです。チームの歴史を作っている部分もあるし、この3年間、チームとしてコア、メインの選手は変わってないし、心のために新しい歴史をどんどん作っていっているというのはすごいと思います。これは過去からずっと応援してきたファンのためにもやっていると思いますし、先週、(レギュラーシーズン最終戦の)佐賀でも、うちのファンが(西地区優勝を)喜んで泣いていたという場面もありました。今日も本当にファンも楽しんでいると思うし、(ファンも含めて)一丸となってやっているので、本当に全員が家族として進んでいる。そこは本当にありがたいです。

-両手でのガッツポーズには過去2年間の思いがこもっていた?

 はい、そうです。普段はあまり感情を見せないですが、やっぱり今日みたいに(偉業を)達成できた時には感情を出して喜ぶようにしています。私も人間ですので(笑)。

大きなガッツポーズも飛び出した©Basketball News 2for1

中東泰斗の三河戦後のコメント

-三河戦の総括

 今日は簡単な試合じゃないということはチームみんなで理解していた。前半からビハインドの展開で、我慢して我慢して、という展開が続いた。4Qまでビハインドで、その中でもしっかりレギュラーシーズン(最後の)6試合のように粘り強く、粘り強く、自分たちのペース(が来ることを)を待って、自分たちが勢いに乗れるときに一気に離すという、レギュラーシーズンの最後のほうでできていた展開がしっかり出し切れて、このような結果になったのかなと思う。

 誰が調子がいい、調子が悪いとかは関係なくやれることが今の自分たちのいいところだと思いますし、去年、一昨年と苦しい、ケガ人がいる中でのCSを経験したからこそ、今の厚みがある試合ができている、今の自分たちを作っているのかなと思います。

記者の質問に答える中東泰斗©Basketball News 2for1

-初のSF進出について

 本当にこの2年間、悔しい思いをしたし、去年の(QFでの)琉球戦も特にすごく悔しくて。それがあっての日本人選手全員(契約)継続で、こうやって集大成としてやっていこうということだったので、本当に今まで越えられなかった壁を越えたということが、すごくシンプルに嬉しかったです。

齋藤拓実の三河戦後のコメント

-三河戦の総括

 昨日(第1戦)以上に我慢をする試合だったと思うんですけど、昨日、40分の試合から、今日も最初の3Q、30分の試合をずっと自分たちのテンポでバスケットを続けてきたからこそ、4クォーターでああいうふうに点差を離せたのかなと思う。どんな状況であれ、自分たちのバスケットスタイルを見失わずに戦い続けたのが勝因だったのかなと思います。

会見で笑顔を見せる齋藤©Basketball News 2for1

-歴史的な勝利について

 チームとして地区優勝もそうですし、セミファイナルに進出するというのもチームの歴史に(名を)刻むということで、チームとしての士気もものすごく高かったです。本当にしっかり勝つことができて、地区優勝含めセミファイナル進出、一つ一つの目標をしっかり達成できたことはすごく誇りに思います。

関連記事

Twitterで最新情報をゲット!

おすすめの記事