
Bリーグ1部(B1)、2部(B2)に所属する東北6県のチームが参加する「東北カップ2025」が9月13日から15日にかけて岩手県盛岡市の盛岡タカヤアリーナで行われ、仙台89ERSは準優勝で大会を終えた。
14日に行われた準決勝では、青森ワッツと対戦。第1クォーターには青森にリードを許したものの、第2Qに29得点を挙げるなどして逆転すると、後半は新加入の杉浦祐成や岡島和真、今シーズンキャプテンとなったネイサン・ブースがチームに勢いをもたらし、93-80で勝利。決勝へと駒を進めた。
秋田とのB1対決になった決勝では、序盤に秋田に10−0のランを決められ、引き離される展開に。それでも第2Qには、アジア特別枠のセルジオ・エルダーウィッチがゴール下に果敢に攻め込み、フリースローを獲得するなどして得点を重ね、食らいついていく。26−39で迎えた後半、ジャレット・カルバーが連続得点で流れをたぐり寄せると、岡島が連続3ポイントシュートでその勢いを加速させる。しかし、序盤に引き離された点差を詰めることができず、最終的には69−78で敗戦。準優勝で東北カップを終え、3連覇とはならなかった。
秋田戦では、仙台は岡島が3Pシュート5本を含むチームハイ18得点を記録。次いでカルバーが17得点4リバウンド、ブースが14得点7リバウンドと貢献した。
東北カップを終えた仙台は、21日にリニューアルしたホームのゼビオアリーナ仙台でB2ベルテックス静岡とプレシーズンゲームを行い、10月4日と5日にB1・東地区の茨城ロボッツとホームで開幕戦を戦う。秋田戦後の記者会見では、ダン・タシュニーHCと渡辺翔太が記者の質問に答えた。

ダン・タシュニーHCの東北カップ決勝・秋田戦後のコメント
――3Pシュートの確率について
常々選手にはオープンの状態であればシュートを打ちなさいと伝えていますし、そういったところは全体練習でもそうですし、個々のワークアウトでも打ち続けてくれています。自分の仕事としては彼らに自信を持って打たせる、自信を与えることが一つの仕事だと思っています。やはりアウトサイドのシュートは入る日もあれば入らない日もあるというのが事実だと思うので、入らなかった時に何をしなければいけないのか。願わくば、もう少しアグレッシブに、(インサイドへの)アタックというのを見てもらいたい。そういったところは次のステップとして出来なければいけないなと思っていますけど、そのアタックに対して秋田さんの素晴らしいディフェンスがあってなかなかアタックしきれなかった部分もあります。だから自分たちとしては変わらずシュートは打ち続ける。これは伝え続けたいと思っています。
ーー岡島の活躍について
言い訳ではないのですが、実は岡島選手は木曜日(11日)の練習でけがをしてしまって、試合に出られるかどうか怪しい状態でした。実際、昨日(14日)の試合でプレーして試合に戻ってきて、試合をこなしたことによって調子も上がってきて、今日(15日)の結果だったと思います。
若くてタレントがあって、これからまだまだ伸びる選手です。ただ、やはりこれから成長するために目指していかなければいけないのは、ディフェンスの部分だと思います。シュートが入ったあとに良いディフェンスでチームに貢献していく。そこが彼の成長の鍵だと思います。

ージャレット・カルバーのアグレッシブさはチームにいいエナジーを与えていたように見えたが、カルバーの評価は
彼のアグレッシブなプレーというのは自分たちにとって必要な部分だと思いますし、好きなスタイルです。ただ、やはり考えなければいけないのは、秋田さんのようにコーチングがしっかりしていて、スカウティングがしっかりされているチームに対して、どうしていくか。ただただアグレッシブにアタックするだけではなくて、そこを守られているのであればどうやって仲間にボールを共有していくか。そういったところを学んでいってもらいたいと思います。それにはチームとして時間がかかると思います。日本での初めてのシーズンですので、日本のバスケットというのがどういうものなのか、フィジカルレベルがどういうものなのか学んでいかなければいけないと思います。試合後、ロッカールームに戻ってきたときに悔しい顔をしていました。悔しいということは、彼は秋田の試合から学んで成長できると思います。
ーー21日のプレシーズンゲームは久しぶりのゼビオアリーナ仙台での開催になるが、ファンへのメッセージは
約一年ぶりにホーム(ゼビオアリーナ)で試合ができるので、チームとしても個人としてもとても楽しみです。ホームで初めて新チームとして試合ができるので本当に楽しみです。これから時間がかかると思います。言い続けていますが、新チームなので「ダンダンよくなる」、これからよくなるチームです。やはり今リーグの中でベストのチームに勝てるかといったらそうではないですが、だんだん良くなって、仙台を代表するチームとなって、リーグ屈指のチームとなっていく。そういった過程の中なので、最終的なゴールに向かってだんだん良くなっていくと思っています。
渡辺翔太の東北カップ決勝・秋田戦後のコメント
――東北カップの総括
今回の東北カップはすごく課題の見える(大会になった)。例えばトランジションディフェンスだったりとか、リバウンドもそうですし。スタートのところで、スモールラインナップの時にキャッチアップを誰がするかとか、そういう部分で走られてイージーなポイントを与えたりだとか、そういったところが課題となる二日間でした。
ーー準決勝、決勝から見えてきた課題は
今日でいうと、田口さんのところ。彼はベストシューターなので、ミーティングのところで彼には打たせても絶対にタフショットだったり、まずは打たせないというところからはじめていこうという話があったんですが、ディフェンスでかなりイージーになってしまった部分があって、簡単に得点を決められてしまった。まずはスカウティングの部分でみんながしっかり意識してできなかったところとか、もっともっとハーフコートでもコミュニケーションをとって、しっかりとポジションの良い位置にいくだったりとか、チームディフェンスのレベルを上げていかないとなと感じます。

ーー21日のプレシーズンゲームは久しぶりのゼビオアリーナ仙台での開催になるが、ファンへのメッセージは
まずはゼビオアリーナで久々の試合ができるという楽しみというのをこのチームがしっかりと噛みしめて。しっかり体を休めて、今週の練習をしっかりといいものにしていこうと、HC含めさっきみんなで話しあった。久々のゼビオアリーナということで、お客さまも楽しみにしてくれているファンのみなさまも多いと思うので、そこで自分たちらしいバスケ、今年はこういうスタイルのバスケというのを目に見える試合にしていきたいと思います。
(東北支局)






