満身創痍の信州ブレイブウォリアーズ、B1復帰叶わず 勝久マイケルHC「いつの日かこの辛い気持ちを埋める成功は必ずある」
信州ブレイブウォリアーズの勝久マイケルHC©Basketball News 2for1
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 Bリーグ2部(B2)は11日、各地でプレーオフ(PO)セミファイナル(SF)の第2戦が行われ、信州ブレイブウォリアーズはアウェイの千葉ポートアリーナでアルティーリ千葉と対戦し、66-75で敗れた。

 主力のテレンス・ウッドベリー渡邉飛勇エリエット・ドンリーらビッグマンを欠き、SFに臨んだ信州。大差で敗れた第1戦(10日)とは異なり、序盤からペイント内の争いでは狩野富成を中心に激しさを見せ、A千葉のトランジションに対してもチーム全員でカバーをする修正が見られた。しかし、途中で三ツ井利也が負傷し、足を痛めたぺリン・ビュフォードも自ら交代を要請するなど、チームは追い詰められていく。第3クォーター(Q)終了時点では53-56と競り合っていたものの、第4Qで力尽き、最後は9点差で敗戦。B1復帰は叶わなかった。

 セミファイナルの結果を受け、POファイナルに勝ち上がったA千葉と富山グラウジーズは2025-26シーズンのB1昇格が決定。信州は、17日から行われる3位決定戦で、アウェイでライジングゼファー福岡と対戦することとなった。

 信州は第2戦でビュフォードが17得点、ウェイン・マーシャルが14得点、狩野が7得点13リバウンド(内オフェンスリバウンド9本)を記録した。試合後、勝久マイケルヘッドコーチ(HC)、石川海斗栗原ルイスが記者の質問に応じた。

勝久マイケルHCのA千葉戦第2戦後のコメント

ーA千葉戦 第2戦の総括

 まずは千葉におめでとうございますと伝えたいです。 長年あのメンバーで積み重ねてきて、B1昇格にふさわしいチームだと思っています。 本当におめでとうございます。

 ゲームに関しては、昨日(10日の第1戦)よりゲームプランの、規律正しく、我慢強く、遂行力という部分は全然違って、今日(11日の第2戦)のファイトも違いました。要所でのターンオーバーからの失点だったりっていうのが本当に痛かったんですけど、 選手たちは本当にハードに戦ったと思います。 

 B1昇格の瞬間に反対サイドにいるのは初めてですけど、自分の選手たちのことを思うと、本当に彼らのことを思っています。 このチームを成功させようと、責任感を持って、常に正しいことをやろうとして良いチームメートでいようとして、思いを本当に込めてやってきたメンバーが、全員ではあるんですけど、本当に何人かそういう選手がいて。彼らのロッカールームでの表情を見ると、やっぱり悲しいですし、シーズン中絶対に言い訳はさせませんでしたけど、本当にハードな状況の中、ずっと本当にハードにハートを見せて戦ってくれた選手が何人もいます。

  今は本当に辛いんですけど、 いつの日かは、この辛い気持ちを埋める成功は必ずあると信じているので、今はみんな、我々は辛いんですけど、千葉におめでとうございますという気持ちです。

 そして我々はあと1週間このチームで一緒に戦える。そして、いつかまた、何か達成して、気持ちを晴らすことができる将来を信じています。

記者の質問に答える勝久マイケルHC©Basketball News 2for1

-3位決定戦をどのような気持ちで臨むか

 3位決定戦っていうのはリーグの人間じゃないので分からないですけど、本来多分誰がB1ライセンスあるか分からないからあるものなのかなと思っていたんですけど、選手からしたら優勝かあとはみんな負けなので。あるいはB2のケースではやっぱりB1昇格か優勝。その2つなので、3位決定戦っていう思いはきっと、それを目標にやってきていない分(どうなるか。)

 でもいざコートに立ったら必ず闘争心は出て「良いバスケットがしたい」「負けたくない」という気持ちは必ず現れると思います。いざコートに立ったらそうなるのは分かっている。 だからこそ、今週しっかりと大事にしようっていうのと、やっぱりこのメンバーでいろんなことがあった。 1年でユニークなチーム、そして引き続きタフな状況かもしれないですけど、一緒にやれるのはあと1週間なので、それを大事にして、コンピートしようというふうにきっと話すと思います。

-ペリン・ビュフォードと試合中ベンチで話していたがどんなことを話していたのか

 試合中に「どうした?」って聞いたら「もう全身攣(つ)っている」と。 なので、本来そういうことを言わないので、前半のところどころの悪いディフェンスも彼のところがあったりして、結構限界来てたんだろうなっていうのが、全身攣ることによって改めて分かったんですけど。

 ケアをしながらベンチに戻ってきて、(トレーナーから)報告が来たんですけど、「一応、いけます」と。なので、本人と話してみて「いける?」って聞いたら「やってみる」って。 でもやっぱりコートに立ったら見ての通りだったので、あの状態ではやっぱりチームのプラスには(ならない)。それよりは動けるメンバーを出した方が良いと思ったので。 でも、それが2回ぐらいありましたかね。攣って戻ってっていうのが。そういう会話をしました。

-ビュフォードと1シーズン過ごしてみて

 P(ビュフォードの愛称)はとてもハートのある選手で、それと同時にコーチングするのがとてもチャレンジングなこともあって。今シーズン彼に対するアプローチで大変な時もあったんですけど、長い目で見たら、一対一でハートでの会話をする時に、その度に良い方向に行って。それこそ先週の鹿児島戦(POクォーターファイナル)なんかが良い例だったんですけど。

 とてもユニークで、とてもチャレンジングですけど、とても良いハートがあって。信頼関係を作るのは簡単ではなかったんですけど、どんどん良くはなったと思いますし、それが良くなる度にチームにはプラスになっていたと思う。 この1年一緒に働いてとても良い経験でしたし、本人にとっても、少しでもプラスなことがあったらなと思っています。

石川海斗のA千葉戦第2戦後のコメント

ーA千葉戦 第2戦の総括

 まず自分たちが目標にしていたB1へ1年で復帰するというところができなかったのは、やっぱり悔しいですし、ブースターも求めてくれていたと思う。ただ、シーズンを通してチームとして、今日もすごくみんな人がいない中でファイトしていたと思いますし、 アルティーリ(千葉)さんは全員が健康で最後まで戦えていた。 

  僕らはそうじゃなかったというところも含めて、やっぱり自分たちの課題だと思うし、そういうところも含めて今シーズン昇格っていうのは叶わなかったんですけど、ずっとそこはチームとして課題にされているところなので、そこを選手もそうだし、チームとしてもう一回向き合っていかないとと思う。来シーズンはBリーグが最後なので、昇格っていう形ではないけど、そこでちゃんと勝って最後終われるように来週もあるので準備していくことは必要なのかなと思います。

記者の質問に答える石川©Basketball News 2for1

-3位決定戦をどのような気持ちで臨むか

 来週どういう人がいるかわからないけど、でもその中で勝ってシーズンを終われるのは1位と3位だけなので、やっぱりシーズンを良い形で終えたい。それがどんなメンバーになろうと勝って終えることが、次のシーズンの弾みになるわけではないですけど、 負けて終わると昨シーズンもそうでしたけど、どんよりしたまま終わってしまう。なのでいるメンバーでちゃんと準備して、ファイトできるようにしていきたいと思います。 

栗原ルイスのA千葉戦第2戦後のコメント

ーA千葉戦 第2戦の総括

 チーム状況的にもタフではあったんですけど、昨日(第1戦)と違って今日(第2戦)は全員が最後までファイトできたのかなとは思っています。 それが数字だけで言うと、昨日に比べるとリバウンドのところだったり、単純に点差のところで現れたのかなと思いますけど、やっぱり勝負ごとなので一歩及ばずという結果になりました。まだ来週も試合があるので、 昨日とは違って今日みたいなエナジーもそうですけど、遂行力だったり、何よりハートを見せれる試合をしたいと思います。

記者の質問に答える栗原ルイス©Basketball News 2for1

-3位決定戦をどのような気持ちで臨むか

 正直、僕もすごい難しい心境というか、今までこういう立ち位置に立ったことがないのですが、まず第一にまだ応援してくださっているブースターさんはいるし、その人たちのためにもちゃんと試合をしなきゃいけないし、その人たちのためにも勝ちたい。あとはこのチームでやれるのが最後っていうのは決まっているので、もちろん楽しくはやりたいですけど、自分たちのバスケを最後ちゃんと表現できるように、頑張りたいと思います。

(芋川史貴)

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