「覚悟を決めて移籍を決めた」京都ハンナリーズ新加入の小川麻斗「勝たせられるPGに」
京都ハンナリーズの小川麻斗©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)西地区の京都ハンナリーズは9月14日、ホームのかたおかアリーナ京都で2部(B2)西地区の神戸ストークスとプレシーズンゲームを行い、81-60で勝利した。

 京都は序盤からディフェンスでオールコートプレスやトラップを仕掛けて神戸のミスを誘い、主導権を握ると、第1クォーターで27-15と12点のリードを奪う。前半終了間際には新加入のホール百音アレックスが3ポイントシュートを沈め、京都が15点リードで前半を折り返す。後半もリードを保った京都はそのまま逃げ切り、今季初の有観客試合を勝利で飾った。

 京都はアンジェロ・カロイアロが19得点、チャールズ・ジャクソンが15得点、澁田怜音が10得点、ベンチから出場のジョーダン・ヒースが12得点を記録。試合後には、伊佐勉HC小川麻斗、澁田が記者会見に登場し、記者の質問に答えた。

伊佐勉HCの神戸戦後のコメント

ーー神戸戦の総括


ディフェンスのインテンシティ、エナジーのところはすごく満足しています。最初に出た5人がトーンをセットしてくれたおかげで、結果的に神戸のオフェンスを40分間僕らのディフェンスでコントロールできたかなと思います。

ーーKBLチームとの練習試合に続いて今季初の有観客試合だったが、伊佐HCが目指しているバスケと現状とのギャップについて

今日(14日)は試合に勝てたというのもありましたけど、選手がやろうとしている姿勢が見れました。そこにエラーやミスはありましたけど、シーズン最後までそういった課題は出てきます。練習してきたことを信じてチームでやるんだという気持ちが見られたのが僕は一番嬉しかったです。

今季から指揮を執る伊佐勉HC©Basketball News 2for1

ーー昨季はファウル数がリーグで一番少なかった京都だが、今季ディフェンスシステムを大きく変更する中で、一番重視している部分は

ボールプレッシャーをみんなでしっかりかけたいのと、選手一人だけではプレッシャーをかけられないので、周りのサポートが必要っていう話をしています。ここ数年の京都さんのスタイルとは違うと思うので、そこから脱却させようとこの一カ月はやっているところですが、まだ癖が抜けないので、そういったところを「もう一歩、もう半歩」とやっています。こちらから攻めるディフェンスをやりたいので、ギャンブルにはならないように強度を保ちながら精度を上げていきたいです。

ーーアジア枠の選手を使うのは伊佐HCにとって初めてだが、ジェイミー・マロンゾについての印象は

正直なところ、もう少し(身長が)大きな選手が来るイメージでした。(実際は)少し小さかったのですが、今日の試合ではビッグマンとして使いました。来週から正規のポジションをやらせようかなと思っています。彼は今日やったことのないポジションをずっとやらされていましたが、彼なりにアジャストしようという彼の人間性が出ていました。来週から彼の本来のポジションでシュートとアスレチックなところを引き出せてあげたらなと思います。

ーー主力の岡田侑大が抜け、ブースターからは小川と澁田に期待がかかっている思うが、その二人についての印象は

岡田選手とはタイプが違いますけど、二人とも点を取れますし、周りにタレントが揃っているので、一箇所にボールが止まらないように、彼らも攻めながらチームをクリエイトすることに期待しています。

小川 麻斗の神戸戦後のコメント

ーー神戸戦の総括

昨日(13日)が初めての試合だったんですけど、観客がいての試合は初めてで、感覚や慣れもあると思うんですが、最初にしては良い入りができたと思います。京都のバスケがこんな感じだとブースターの皆さんに見せられて、体現することが出来たと思います。全体的に見て、なくせるミスはあったんですけど、良い入りだったと思います。

ーー期限付き移籍で京都に加入して、今季にかける思いは誰よりも強いと思うが、個人の目標は

ムーさん(伊佐HC)のバスケは千葉Jのバスケとは違うので、個人のスタッツどうこうというよりは(チームを)勝たせられるポイントガードになれるように頑張りたいというのと、困った時に点を取ったりとかそういう選手になりたいです。今季は覚悟を決めて移籍を決めたので、しっかりやっていきたいと思っています。

シュートを放つ小川(中央)©Basketball News 2for1

ーー京都と千葉ジェッツとの違いとは

(千葉Jは)日本人選手が変わらず長年同じメンバーなので、阿吽の呼吸じゃないですけど、お互いを分かっていて、千葉でやっていたことの癖がついている。ムーさんに見られているところはあるんですけど、激しさやボールプレッシャーや全員でバスケするところが千葉Jとはまた違ったバスケかなと思います。

ーーブースターからの期待も大きいが、プレッシャーに感じているのか、それとも楽しみという面が大きいのか、今の心境は

プレッシャーはあまり考えたくないなと思っています。まずはブースターの皆さんだけじゃなくて、Bリーグを観てる人達にやれるというところを証明できたらなと思います。京都も良い選手が多いので、それを生かせるようなドライブだったりをやっていけたらなと思います。プレッシャーよりも楽しみながら結果を残していけたらなと思います。

ーー京都で練習を重ねる中で、一緒にプレーしていて楽しい選手は

CJ(チャールズ・ジャクソン)だったり、ジョーダン・ヒースは高さも力もあって、しっかりスクリーンをかけてくれるので、自分が自由に出来るし、シュートが外れたとしてもリバウンドを取ってくれる。まだ始まったばかりですけど、信頼関係を深めて、シーズン開幕前までにはしっかり準備して、良いコンビになれたらと思います。

澁田怜音の神戸戦後のコメント

ーー試合の総括

出だしから僕らが目指したいバスケができました。激しくディフェンスを一発目からアタックするところが出来たので、そこが一番かなと思います。その(ディフェンスの)インパクトで試合を優位に戦えたと思います。

ーーディフェンスのシステムが大きく変わったが、印象は

めっちゃきついです!40分間相手の嫌がることを前から激しくフルコートでやり続けるというのが大まかなコンセプトで、苦しめるための手段としてプレスというのがあって、特に相手のガードにつくことが多いので、激しさを伊佐さんから求められていると思います。

司令塔を務める澁谷怜音©Basketball News 2for1

ーー2月のインタビューではディフェンスの強度とバスケIQをスキルアップしたいと話していたが、岡田が抜けた分オフェンス面での役割も大きくなる。伊佐HCから求められている役割は

まずは得点を狙ってほしいと言われています。去年はほぼほぼリングしか見ていないというか、パスはあまり考えずにプレーしていたんですけど、今シーズンはそういうわけにもいかないので、上手くコントロールしなきゃいけない時間帯も絶対あると思うし、そうしなきゃ勝てないと思うので、昨シーズン同様、IQのところを突き詰めないといけないと思っています。

ーー今季ハンドラーとして大きな役割を担うと思うが、いかがですか

京都ブースターの皆さんが一番思っていることが(岡田)侑大の移籍で、今年の一番の不安材料というか、(岡田が)抜けて「どうなる京都」って心配というか問われているところだと思いますが、彼の役割をそのまま僕がしなければいけないというわけでもないです。去年は去年のバスケで今年は違うバスケをすれば良くて、去年より役割は増えていますけど、目標や目的は失わずにやっていきたいなと思います。

ーー背番号を以前の「3」に戻した理由は

空いたからです(笑)元々3番でした。僕が京都に移籍してきた時は水野幹太がつけていたので、「貰うね」って言って変えました。試合会場でも3番のユニフォームを着てくださってる人がたくさんいましたけど、幹太のファンがそのままつけているのかなって思って後ろを見たらSHIBUTAって書いてあるので、早く3番に慣れなきゃなと思っています。

(関西支局)

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