Bリーグ1部は24日、各地で第17節が行われ、富山グラウジーズは敵地で信州ブレイブウォリアーズに89-80で勝利。前日18点差で敗れたリベンジを果たした。富山のジョシュア・スミスは39分17秒出場とほぼフル出場でチームに貢献。チーム最多の20得点11リバウンドと大車輪の活躍だった。
前半は富山が主導権
試合は第1クオーターの出だしから前田が5得点などで富山が7-2と好スタートを切り、チームで4本の3ポイントシュートを沈めるなど、オフェンスが好調な富山優位の展開で進んでいく。
第2クオーターには岡田侑大、前田悟らが快調に得点を重ね、富山が一時11点リードするなど主導権を握る。信州も西山達哉の3ポイント、ウェイン・マーシャルの3ポイントプレーなどで盛り返し、48-43と富山の5点リードで前半を終える。
第3クオーター、信州がチームのアイデンティティであるディフェンス力を発揮し、差を詰めていく。
信州逆襲もミスに泣く
開始5分で富山の得点をリチャード・ソロモンのフリースロー1本の1点のみに抑え、オフェンスでは山本エドワードが2本の3ポイントシュートを決めるなど完全にリズムをつかむ。最後はマーシャルがブザーと同時に3ポイントシュートを沈め、信州がこの試合で初めてリード。流れをつかんで最終クオーターへ突入した。
第4クオーター、富山の前田が3ポイントプレーを決めれば信州の山本が3ポイントシュートを決め、序盤は両者譲らないシーソーゲームに。
残り5分15秒には富山の橋本晃佑が3ポイントシュートを決め、75-74と富山が1点リード。その次のオフェンスでは、橋本が落としたシュートをスミスがティップインで押し込み77-74とリードを広げることに成功。
信州は終盤に3回のターンオーバーを犯すなどケアレスミスが目立ち、フリースローやゴール下でのイージーなシュートで確実に得点を重ねた富山が89-80で前日のリベンジを果たした。
信州は今季最多となる89失点を記録。
試合後、勝久マイケルヘッドコーチは「ディフェンスが悪い場面が多かった。ハッスルゲームは1クオーターから負けてしまった。我慢し続けて逆転までいけたが、ファウルせずにストップという部分ができなくて、最後はターンオーバーで終わってしまった。今日から学んで次の成長につなげていければと思う」と険しい表情で語った。
オフェンスリバウンドから得点
富山は68得点に抑えられた第1戦から見事にオフェンスを修正。エース・マブンガを欠く中で、インサイドではスミスが得点を重ね、アウトサイドからは前田悟や松脇圭志が3ポイントシュートを沈めるなどバランスの良いオフェンスを展開した。
浜口炎ヘッドコーチが「リバウンドのドミネートする(=支配する)ことを意識できた」と試合後に語った通り、オフェンスリバウンドでは信州の4本に対し富山は13本と強さを発揮。セカンドチャンスポイントでは信州の2得点に対し、富山は19得点と圧倒した。
3本の3ポイントシュートを沈め15得点をあげた前田は「シュートタッチが良かったので序盤から積極的にシュートを狙った」と話した。
「『ジュリアン(・マブンガ)がいないから富山は弱い』って言われるのは正直むかつきますし、そうじゃない、みんなできるっていうところを証明したかった」。
シックスマンとしてチームを支えた松脇はこの試合14得点を記録。「試合前に炎さんに『シュートを狙っていけ』といわれたので、それを続けていこうと思いました」と語った。
東地区でも「一発勝負狙える」
し烈な争いが続く東地区で現在4位の富山。
5位の秋田とはゲーム差なし、6位の川崎と1ゲーム差、7位のA東京と2ゲーム差と負けられない戦いが続く。
そんな中で、マブンガ不在のチームが敵地で接戦を勝ち切れたことの意義は非常に大きいと前田は話す。
「勝たなきゃいけない相手にしっかり勝って(東地区で)上位を目指していきたい。チャンピオンシップでも一発勝負を狙えると思うので。もっともっとチームを成熟させていきたいなって思います」。