
Bリーグ1部(B1)は、2月1日と2日の両日、各地でレギュラーシーズンの第20節が行われ、西地区首位の琉球ゴールデンキングスは、アウェイの国立代々木競技場第一体育館で中地区2位のアルバルク東京と対戦した。
2016‐17シーズンから始まったBリーグの開幕戦を彷彿とさせる対戦となった今節。第1戦では、第1クォーターの出だしからA東京がペースをつかむ。琉球も果敢に攻撃を仕掛けるものの、なかなか得点には結びつけられず。徐々に点差が開くと、最終的には67-87で敗れ、1月29日の大阪エヴェッサ戦から2連敗となった。
翌日に行われた第2戦では、第1Qから攻める守備でA東京を圧倒し、第1戦とは真逆の展開に。第2Q終了間際にはジャック・クーリーがブザービーターを決め、47-37と10点リードで前半を折り返す。後半も堅い守備でA東京を苦しめ、第4QではA東京をわずか9得点に抑える好守を披露。83-58で快勝した琉球は連敗を「2」で止め、伝統の一戦となっているA東京との対戦を1勝1敗で終えた。
第2戦では、クーリーが14得点21リバウンドのダブルダブルを達成。琉球が獲得した45リバウンドのうち、約半分を担う大活躍をみせた。第1戦では4得点に留まった岸本隆一は、13得点2リバウンド8アシスト、フリースロー成功率100%(8/8)と気を吐いた。
第20戦を終えた時点で琉球は、通算25勝10敗としており、西地区首位をキープしている。5日に行われる天皇杯ではホームで現在15連勝中と波に乗る中地区首位の三遠ネオフェニックスとセミファイナルを戦い、週末の第21節は中地区4位のサンロッカーズ渋谷とホームの沖縄アリーナで対戦する。
第2戦後の記者会見では、桶谷大HCと岸本が記者の質問に答えた。
桶谷大HCのA東京戦後のコメント
ーA東京戦・第2戦の総括
昨日(第1戦)の試合を受けて、ああいうゲームになった時に、間違ったらだめなのが、みんな特効薬を欲しがる。特効薬は欲しいけれど、それを使ってその瞬間は良くはなるけれど、でもやっぱり人間は、耐性をつけたり、自分が一回しんどい目をみて、それに対してどうやって立ち向かうかというような、そういうことが必要な、そういう1節だったんじゃないかなと思っています。
昨日と、今日(第2戦)のプランの何を変えたか…正直変えていないです。何も変えていない。ただ、やってほしいのは、ディシプリンとインテンシティ、この2つ。規律正しく、インテンシティ上げていきましょう、というところ。それをやって、それを表現してくれた。本当それだけです。もちろん、自分たち(琉球)のシュートが入りました、相手(A東京)のシュートが入らなかった。昨日は逆でした。そういう、1個のシュートで流れが変わったりする。そういうバスケットなので、こういう点差になったりするんですけど、バスケットなので。特効薬というよりも、自分たちがどういうふうにして人間として強くなっていくか、プレイヤーとして強くなっていくか、チームとして強くなっていくか、というところが今日本当に、この1節でみんなが理解してくれたことじゃないかと思います。

ー第1戦と作戦は変えていないといっていたが、第2戦では攻撃的な守備が印象的だった
ボールピックのところですよね。ボールピックのところの、本当にひとつ、押し上げられるかというところ。ボールピックだけじゃなくて、エントリーのところも、もう本当1歩でいい、どれだけ押し上げられるかというところ。そうすれば、その後にファイトオーバーも取れるし、アンダーも取れるっていう、駆け引きができるようになる。
昨日も「やりましょう」といったんですけど、昨日はそれが全然できていなくて。スタートからそこのインテンシティも落ちていたし、やりましょうっていう規律も正しくなくて。結局、相手もシュート決めて、気持ち良くなっていっていってという流れがあったので、今日はまず、最初のところをちゃんとやろう、と。それを、スタートメンバーがちゃんとやってくれたから、こういうゲームになったと思います。
ーリバウンド数の向上も、インテンシティの部分が影響した?
リバウンドは負けたくなかったので、今日の采配として、(第1戦からの)ひとつの解決策として、ヴィック(ロー)がいないときに、スーパースリービッグを使ったところですね。ヴィックとジャック(クーリー)を使っている時と、スーパースリービッグで、ジャックを残したまま、ケヴェ(アルマ)とアレックス(カーク)を一緒に入れるところ。いい解決策というか、相手にとっても嫌なラインナップになったんじゃないかと。これは分からないですけど、相手に話を聞いてないので。ただ、嫌がっていたなと思うので、そこは良かったかなと思います。
ー天皇杯は一発勝負となるが、今節を終えての課題や手ごたえは?
今日と昨日の違いをみんなが理解すべきだと思います。本当に紙一重ですよ。全然、紙一重です。20点負ける、30点勝つ。全然、紙一重なので、最初に自分たちがコントロールできることを、どれだけコントロールしてやるかというところ。例えば、シュート入る、入らないはあるので、ただ、何がオッケーで何がだめでというところの規律をちゃんとみんなが理解してやる。昨日は混乱しだして、よく分からないところからオーバーヘルプに行ったりもあった。今日に限っては、その辺をみんなが修正した。修正したというか、ちゃんとやってくれたところ。それで混乱が起きなかったというのは、間違いなくあったと思います。
ー第2戦は気持ちが前面に出ていたが、桶谷HCの気持ちはチームでどのように共有していた?
今日は、穂坂(健祐AC)のスカウティングがめちゃめちゃよかったんですよ、まず。昨日も、正直ハマったら2連勝できると思っていたし、ただそれができなかったんですけれど、今日のミーティングの声掛け、穂坂の声掛けが「昨日よりもっとできるよね」っていう、その一言がめちゃくちゃでかくて。元々本来持っているものをちゃんと出しましょうという、それを引き出せた言葉だったんじゃないのかなと思っている。
「やりましょう」というのは言っているわけで、それをやるかやらないかだけ。(穂坂)コーチは、本人も言っていたんですけど、「コーチはスカウティングが出来るし、こうやったら勝てるっていう確率論的なものを持ってこれる。でも、コートには僕らは立てない。あなた(選手)たちは、コートに出たら全部判断してできる。それをやるかやらないかだけです。あなたたちはもっとできます」という話を試合前にしてくれた。それがポンっときたんじゃないかと思います。
岸本隆一のA東京戦後のコメント
ーA東京戦・第2戦の総括
昨日、本当に悔しい負けをして、今日、スコアにも表れている通りみんなでリベンジできた試合になったと思います。

ー3Pシュートを打たせてもらえない中、ゴールへのアタックを増やすことでチャンスを増やしていた
そこに関しては、昨日から変わってないかなと思っていて。もっと言うと、アルバルク東京だからそれを狙っているというわけでもなくて、自分たちはペイントにいかに侵入できるかというところをオフェンスの生命線だと思っている。リバウンドも、スタッツで出ている通り自分たちの強みですし、そこを生かすためにも、ペイントアタックということは常に意識した結果、今日上手くいったと思います。
ーレギュラーシーズンとEASL、タフなスケジュールを戦い抜く難しさはあるか
試合数が多いと、フィジカル的にしんどいというのはもちろんあって、そこから精神的にも追い込まれてきますし、そこは大変だなと。チームとして感じているかは分からないですけど、僕個人的には、試合数が増えてくるといろんなことに鈍感になりやすくなるというか。いつもだったら危機感を持って大事にボールを扱うところを、少しルーズになったり、「いつもだったらここを止めているのに、ちょっといいかな」というような。試合数が増えると、どうしてもそういう感覚に個人的にはなっていくので、ここの部分に対しての危機感をずっと持ち続けるというのが、今はすごい大変だなと思っています。
正直、オフェンスとかで、いわゆる『乗る』って言うんですかね、乗ってくるといろいろ勘も冴えてきますし、そうやって上手くチームに貢献できれば1番いいんですけど、なかなかそうもいかない時は、ボールを大事に扱いながら地道なことをひとつひとつやっていかなければいけないので、この辺のアジャストっていうのは大変だなと思っています。ただ、自分たちにしか与えられない特権でもありますし、必ずこういう経験が後々の自信に繋がると思っているので、そこは前向きに考えています。
ー天皇杯セミファイナル、次節に向けて
(5日に)天皇杯もあるんですけど、正直、今日みたいなバスケットが出来れば理想ですけど、何が起こるか分からない。当日選手が揃わない可能性もある。どんなことがあっても、今日持てる力を全て出したよねと思えるような、そういう試合に出来たらいいかなと思います。そのうえで、勝った負けたはありますけど、最終的に力を出せていれば、自ずと結果はついてくるかなと思うので。何が何でも勝てるように、という部分と、過程の部分に自分たちがしっかりフォーカスして戦えたらいいかなと思います。
(金野恵理)