
Bリーグ1部(B1)は2月28日から3月2日にかけて各地でレギュラーシーズンの第22節が行われ、中地区7位の横浜ビー・コルセアーズは1、2日の両日、本拠地の横浜国際プールで同地区5位のサンロッカーズ渋谷と対戦した。
バイウィーク明け初戦となった第1戦では、横浜BCが第1クォーターを17−22と出遅れたものの、ダミアン・イングリスを中心に攻撃を組み立て、流れを引き寄せる。ディフェンスでも高い強度を保ち、渋谷のリズムを崩すことに成功。第3Qに入ると57−47とリードを広げていく。その後は接戦にされたものの、最後は須藤昂矢がフリースローをきっちりと沈め、71−68で第1戦を制した。
翌日の第2戦では、アグレッシブなディフェンスから流れに乗り、第1Qで19-15とリードを奪う。特別指定選手として今節が最後のホーム戦となった佐藤涼成もコートに立ち、執ような守備でSR渋谷のアンソニー・クレモンズを封じると、会場全体が歓声に包まれた。後半に入ると、SR渋谷に押される展開となったが、キーファー・ラベナやゲイリー・クラークが攻守で存在感を発揮。安定したパフォーマンスで再び流れを引き戻した横浜BCが75−62で勝利をつかんだ。
第2戦では、イングリスが22得点9リバウンド2アシスト、クラークが18得点3リバウンド2アシスト、ラベナが10得点2リバウンド3アシストを記録。アシスト数がチーム全体で「20」を記録するなど質の高いオフェンスを見せた横浜BCは、ホームで約2ヶ月ぶりの同一カード連勝を飾った。
第22節を終えて、横浜BCは通算16勝23敗で中地区7位。同地区6位のファイティングイーグルス名古屋とはわずか1ゲーム差と射程圏内。一つでも順位をあげていくためには、今後もチーム力の高さが鍵となってくる。次節は5日、中地区首位の三遠ネオフェニックスとアウェイで対戦する。
第2戦後の記者会見では、ラッシ・トゥオビHCとラベナ、佐藤が記者の質問に答えた。
ラッシ・トゥオビHCのSR渋谷戦後のコメント
ーSR渋谷戦・第2戦後の総括
本当に素晴らしいゲームでしたし、このチームを誇りに思います。今節に関しては、この2連勝はチームにとって大きいことですし、今まで上位チームとの対戦で2連勝するということもあまり出来なかったという状況だった。今回に関しては、チームが一丸となってこういう素晴らしい結果を成し遂げられたということは、本当に本当に、嬉しい気持ちでいっぱいです。

ーバイウィークの過ごし方、SR渋谷戦の入り方はどうだったか
正直にいうと、バイウィーク期間中に何をしていたか、(フィンランドの代表活動で)私はいなかったのであまり分からないのですが、いなかった間、山田ACやユッカACが指示をしてくれて、ディフェンスのところの強度を上げるというようなかたちで練習してきたと思う。今回の試合ではそこをしっかり見せてくれたと思うし、オフェンスどうこうというよりは、そこを起点にしてやってくれた。(第21節の)京都戦の時には疲れとかも見えていた部分もありましたが、バイウィークでリフレッシュして、改善できるところは改善して、こういう結果になったというのはすごく嬉しいです。
ー第1戦より第2戦の方がディフェンスの強度が上がっていたように見えた
昨日(第1戦)と今日(第2戦)の違いは、お互いをちゃんと信用、信頼していたというところが大きいかなと思います。戦術というよりは、昨日の試合の映像とかを見て、例えばクレモンズ選手の話なんですけど、「彼は1試合目はあまりやりたいことができなかった。次の日は絶対にアグレッシブにくる。それならそこの強度をしっかり上げよう」というような細かい話を選手たちがして、それを全員で同じ方向を向いて理解して、強度をあげていたというのが、この2試合目の結果だったと思っている。そういうところが素晴らしい結果につながったと思います。
ー今後の試合の目標は
まずは健康第一で。このシーズン中に外国籍選手が一人欠けて戦う試合というのが何回かあったので、全員がしっかりプレーできるように。その中で、徐々に自分たちがやりたいことの精度をあげて、4月には自分たちのベストのバスケットボールが出来るようにと思っています。
キーファー・ラベナのSR渋谷戦後のコメント
ーSR渋谷戦・第2戦後の総括
今日の試合に勝てて本当によかったと思いますし、昨日できたことを今日の試合でもできて、チームとしての成長がすごく見えた試合だと思う。これから、もっともっとこういうことを続けられるようにと思っています。

ー自身がディフェンスから試合の流れをつくったように感じた
自分はいつもチームのために何ができるか、何をしてチームに貢献できるかを常に考えてプレーしているんですけど、昨日の試合では田中(大貴)選手にやられた時間帯がかなり多かったので、今日の試合に関してはラッシHCから、田中選手を止めるというチャレンジを与えてもらったので、それにしっかり応えられるようにということを頭に入れて、フィジカルにディフェンスをしようという意識をもってのぞんだ。いい結果となってよかったです。
ー今のチームの雰囲気は
このチームは、最初の方は波のあるチームでした。その中でも、ここにいる全員が常に成長しようと思っていて、そういう姿勢やコミュニケーションを取るようになっていて、どんどんチームがよくなってきている。今回(の試合)もそうなんですが、全員が同じ方向を向いて成長したいという姿勢、気持ちをしっかり保っていれば、もっともっといいチームになる。後半戦も、それができるように頑張りたいなと思います。
ーバイウィークではどんな準備をしてきたか
このバイウィーク期間中、ラッシHCが不在な中で、残っている選手たち、コーチ陣たちでこの渋谷戦に向けてかなりいい準備ができたと思っています。ラッシHCとコッツァー選手が戻ってきたのが試合の2日前で、その時までにはメンタル的にもフィジカル的にもしっかり準備ができたと思っています。(今節の勝利は)チームにとってかなり大きい勝利だったと思いますし、このチームは選手ひとりひとりではなくて、チームで一丸となって戦っているので、そういう面で、今節勝てたというのはチームにとって良かったことだと思います。
ーレギュラーシーズン終盤だが、今後の目標は
プロチームとしてCS(チャンピオンシップ)に出たいという気持ちはあるので、それに向かってがんばりたいと思いますし、その目標を達成するためには、健康第一で、怪我人がないように。その中で、今後自分たちがもっともっといいチームになれるように、いろいろ話し合って改善しながら、ひとつひとつ勝てるようにしていきたいと思います。
佐藤涼成のSR渋谷戦後のコメント
ーSR渋谷戦・第2戦後の総括
今日でホームゲーム最後の試合だったんですが、今日もプレータイムが少しもらえて、自分のやるべき仕事ができたと思う。その部分に関しては良かったかなと思います。また、2日連続、連勝できてチームにとっても良かったなと思います。

ー横浜BCはどんなチームだったか
話しやすく、いろいろなアドバイスもくれて、自分にとってすごくやりやすかったです。
ー今後のバスケ人生の目標は
この特別指定選手ということでビーコルに入らせてもらって、いろいろな経験ができましたし、これから大学でも代表活動だったり、他にもいろいろなことがあるので、そういうのを生かして、またBリーグという舞台に戻ってきてプレーしたい。あわよくば、海外でもプレーすることも考えていけたらと思っています。
ー特別指定選手の期間は自身にとってどんな期間だったか
「挑戦」という気持ちでやってきた部分では、すごくいい経験ができた。ほかに、フォーメーションの部分だったり、ディフェンスだったり、チームのプランを遂行することにあたっては、知識などをこの期間で学べたと思います。
ー大学とプロの世界の違いを感じたところはあるか
けっこう多いんですけど、ピックを使うにしろ、パスにしろ、さまざまな部分で細かいというか、もっと工夫してやらないといけないというところは、大学とプロの違いかなと感じました。
ー先輩でライバルのハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアとの対戦はどうだったか
今日はマッチアップすることはなかったですが、高校から一緒にやってきて、大学でもマッチアップして、いろいろな方から注目されている中で、昨日もマッチアップできたというのはすごく嬉しいことです。(ハーパー選手は)負けられない存在なので、これからも、どういうかたちでマッチアップするかは分からないですけど、どんどん、倒してやろうという気持ちでやっていきたいなと思っています。
ーラストの試合に向けて
もし試合に出れたなら、今までやってきたことをしっかり発揮したい。最後まで出しきりたい。まだ練習もあるので、少ない数日なんですが、学んで、がんばっていきたいなと思います。
(金野恵理)