
Bリーグ1部(B1)は2月28日から3月2日にかけて各地でレギュラーシーズンの第22節が行われ、中地区5位のサンロッカーズ渋谷は1日と2日の両日、アウェイの横浜国際プールで同7位の横浜ビー・コルセアーズと対戦した。
第1戦では、序盤から田中大貴の巧みなセットプレーを軸にオフェンスを展開。効果的に得点を重ねていき、第1クォーター終了時点で22−17とリードを奪う。日本代表としてアジアカップ予選に出場したローレンス・ジャン・ハーパー・ジュニアがディフェンスでチームを盛り上げ、39−37と2点リードで前半を折り返す。しかし、後半に入ると横浜BCの強固なディフェンスを前にターンオーバーがかさみ、得点に結びつけることができない時間帯が続く。第4Q終盤には1ポゼッション差まで追いついたものの、68−71でバイウィーク明け初戦は黒星発進となった。
翌日の第2戦、SR渋谷は粘り強く攻撃を仕掛けるが、横浜BCがより強固なディフェンスを徹底し、シュートを決めきれない時間帯が続く。26−35で迎えた第3Q、SR渋谷はベンドラメ礼生やアンソニー・クレモンズがペイントエリアに切り込んでファウルをもらい、フリースローで得点を稼ぐ。49−49と同点まで追いついたが、攻撃のテンポをあげてきた横浜BCを止めることができず、最終的には62−75で敗戦。バイウィーク明けは2連敗という厳しい結果となった。
第2戦では、ジョシュ・ホーキンソンが17得点7リバウンド3アシスト、クレモンズが13得点4リバウンド7アシストを記録。ベンドラメは9得点8リバウンド2アシストの活躍を見せた。
第22節を終えた時点で、SR渋谷は通算21勝18敗で中地区5位にとどまっている。同地区4位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとは1ゲーム差だが、チャンピオンシップ(CS)進出を狙うためにはワイルドカード圏内にいる千葉ジェッツとの4ゲーム差を詰めなければならず、今後も厳しい戦いは続く。次節となる第23節は、5日に東地区2位の群馬クレインサンダーズとホームの青山学院記念館で対戦する。
第2戦後の記者会見では、ルカ・パヴィチェヴィッチHCとベンドラメ、ハーパーが記者の質問に答えた。
ルカ・パヴィチェヴィッチHCの横浜BC戦後のコメント
ー横浜BC戦、第2戦の総括
今日(第2戦)も昨日(第1戦)と引き続き40分間、我々のやらなければいけないこと、求められる部分を遂行しきれなかった。ハードに戦ったのは間違いない。すごくモチベーションも高かった。我々がやっていかなければいけないところをやりきれない部分が出てきた時に、(試合は)我々のものではなくなってきた。しかし、後半の出だしは、我々が一度落としてしまった、やるべきことをできない状況を作ってしまったところからしっかり戻すことができた。その時に、もっとよくプレーするべきだったし、もっと一貫性をもってやり続けるべきだった。ここは、我々が間違った試合の進め方をしてしまった。そこに関しても間違いはないんですが、あのような試合展開を常にできた横浜さんに賞賛を送りたいと思います。
今、この強い2試合を戦い抜き勝ちきった横浜さんに「おめでとうございます」という言葉をかけたいとともに、我々の選手やチームには「もう一度落ちついて、しっかり休んで、次の来たるべく試合に向けてしっかり備えよう」と声をかけたいと思う。

ーバイウィーク明け初戦の入り方はどうだったか
今回、昨シーズンからで初めてジョシュ(ホーキンソン)がいる状態でバイウィークを過ごすことができた期間となりました。その前(バイウィーク前)に問題があった選手が何人かいましたけど、彼らもこのバイウィーク中にしっかり戻ってきてくれて、本当に、いいことをたくさんできたバイウィークでした。
本来であれば我々はこの2試合、バイウィーク明けで強い自分たちというのを見せるべきでしたし、それが今までだったらできていたが、この2試合を振り返ってみて、それができなかった。今言えるのは、もう一度チームとして落ちつきを取り戻して、この先の残りの試合というのを競い合って目指すべきところに行けるように準備していきたいと思います。
ーCSを狙うには負けられない状況だが、今後の試合に向けてどう臨んでいきたいか
今シーズン、ここまでも、前半戦でも負けてはいけない、もったいない試合をいくつか落としてしまっている。それは、怪我であったりという、いろいろな要素があったんですが、やはり、負けるべきではなかった試合がいくつかあって、もうすでに勝ち星を何個か逃してしまっている。ここからもし、プレーオフにいくのであれば、もしいきたいのであれば、負けられないですし、負けないつもりでやっていかなければならない。しかし、これは我々がそう思っていても、(バスケットは)相手がいてのスポーツです。相手のプレーを上回るプレーをして勝つしかない。
この2試合を振り返ってみてみなさん分かる通り、このリーグというのが、競争率がすごく高くなっている。どんなチームでも、どこに勝つか分からないところまでどのチームも出来上がっている中で、この2試合負けてしまいましたが、これをもう一度モチベーションととらえて、次に来る一勝、次に来る試合に目を向けて「ひとつひとつ勝ち星をあげていく」という戦い方をしていきたいと思います。
ベンドラメ礼生の横浜BC戦後のコメント
ーバイウィークから今節までを振り返って
バイウィークは毎年、チームの底上げというか、チーム全体のステップアップに向けて、ディフェンスのポジショニングだったり、基本のところから振り返るんですけど、今回もそうやって一つ一つの動きの質をあげて、チームで練習できたかなと思います。ただ、バイウィーク明け、横浜との2連戦というのは、同じ中地区ですし、すごく大事な試合でした。結果的には2連敗してしまった。何が悪かったかというと分からないですけど、バイウィークやってきたことが間違いじゃないように、(やってきたことを)正解にするために自分たちでコートの上で勝ちをつかみとらないといけない。また水曜日にすぐ試合がありますし、しっかり休んで、1試合1試合をもっと気持ちを全面に出して、なにがなんでも勝ちをもぎ取りにいくという姿勢をチーム全体でもっと作りだしたいなと今日思いました。

ー今後の試合への目標
それはもちろんチャンピオンシップに出て優勝することが一番ですし、個人の目標というのはそんなに今、シーズン終盤になってきて気にしていることはない。目の前の試合を1試合1試合全力で、勝ちたいなと思います。
ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアの横浜BC戦後のコメント
ー横浜BC戦・第2戦の総括
昨日のゲームとは、個人としての入りがまったく違って、シュートも当たらないし、ターンオーバーも目立っていた。自分はディフェンスで流れを作らないといけない中で、なかなか流れをつかめずに、チームの流れを変えなければいけなかったのにそれができなかった。それが次への課題になったので、それをしっかり修正して、次に向けてがんばっていきたいと思います。

ー第1戦からスカウティングされてきた印象だったか
というよりは、自分たちで崩れたかなと思います。
ーバイウィークはどう過ごしたか
ほぼ代表のほうでバイウィークを過ごしていたんですが、3日、4日前くらいに合流して、チームに追いつかないといけないなかで、(全体)練習だけではなくて、個人練習のところでもスタッフさんに手伝ってもらって練習した。完全にはチームに追いつくことはできなかったが、試合に絡めるくらいのことは準備してきたので、それは良かったと思います。(疲れは)大丈夫ですね。フィジカルには自信があるので、体がきついとかそういうのはなかったです。
ー日本代表合宿、モンゴル戦について
チームの雰囲気はすごくよかった。その前の中国戦で結構やられてしまったんですが、みんなもしっかり切り替えることができたので、自分がモンゴルから合流した時もチーム全体が明るくて、すごくなじみやすかったかなと思います。試合は緊張とかもなく、あまり意識せずに自分の役割をまっとうしようと思っていたので、自分らしいプレーができたのかなと思います。
ー今後の試合に向けて
チームとしては全ての試合に勝ちたいですし、個人としてもやっぱり今のままじゃチームの勝利に貢献できないと思う。自分の持ち味であるディフェンスを生かしつつ、自分の課題を克服していきながら、残りの試合もがんばっていきたいと思います。
ー高校の後輩、佐藤涼成とのマッチアップはどうだったか
高校から、大学もずっとやってきて、お互い切磋琢磨してる中で、またBリーグの舞台で試合ができるというのは滅多にないことなので、この二日間はすごく楽しかった。またこれからも対戦できるように、自分も成長してがんばっていきたいなと思っています。
(金野恵理)