横浜ビー・コルセアーズ森井健太、最終節での新アリーナ初勝利に意気込み「プライドを持って戦っていきたい」
横浜ビー・コルセアーズの森井健太(右)©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)・横浜ビー・コルセアーズ(中地区6位)は28日、アウェイで信州ブレイブウォリアーズ(同7位)と対戦。前日(27日)の第1戦を79-69と制して、連勝で終えたかった横浜BCだったが、河村勇輝デビン・オリバーを欠く中、残留争いが懸かる信州の気迫を前に56-83と大差で敗れた。

 横浜BCはカイ・ソットがチーム最多の11得点、ジェロード・ユトフが9得点を記録。試合後、青木勇人ヘッドコーチ(HC)、森井健太が記者の質問に答えた。

青木勇人HCの信州戦後のコメント

ー信州戦の総括

 今日に関しては出場できない選手とかいろんなアクシデントがあった中でも、自分たちが準備してきたものを出している時間帯っていうのはしっかり我慢できたと思う。ただ、そこで自分たちが我慢できなかったときに、どんどんどんどん少しずつほころびが生まれて、その焦りからかタフなシュートに陥ってしまったり、チームの総意というよりは、やりたいことをやってしまうという時間帯があったときに少し差が開いた。

 ただ、その中でもしっかりとファイトしていた部分、自分たちがやるべきことに帰ったときに、ある程度試合を戻せた時間もあったと思うので、そこはチーム全員が感じたところだと思う。それを踏まえて今日(第2戦)の(信州の)ホーム最終戦。順位を争っている信州のパフォーマンスは素晴らしかったと思いますし、いろんなアクシデントがあったにしろ、しっかりとファイトした部分はあったと思う。

 まずはあと1週間。最後横浜に帰ってホームゲーム2試合、神奈川ダービー、川崎(ブレイブサンダース)戦に向けてもう一度しっかりと準備をして、最後強くこのシーズンを、このチームで戦って終われるようにこの1週間を過ごしていきたいと思う。

記者の質問に答える青木勇人HC©Basketball News 2for1

ーチャンピオンシップ(CS)に出場できない中、どのようなことを意識して戦い続けているか

 僕自身の考え方としてはバスケットボールを生業として戦ってる以上は、そこに真摯に向き合うことがまず大前提だと思う。なので、それは毎回伝えているし、周りの環境がどうのこうのじゃなくて、自分とバスケットボールがあって、バスケットボールを一生懸命やるという人間が集まっている組織だと思っている。なので、そこに対してモチベーションだったりとかネゴシエートがある必要はまずないと思う。

 ただ、それでも人間なので難しい部分は絶対ある。そのときに、まず最初に自分がここという場面でどうやって仕事に取り組むかというのは、自分にも返ってくると思っているし、それを見ている人は必ずいると思う。私はお天道様は絶対見ていると思うので、その言葉は使ってはないが、そういうメッセージは常に伝えていて。そこで自分たちがどういうアクションを起こしていくかが、自分の価値を上げることだと話している。

 もう一つは、「バスケットボールができる環境があるのは、自分だけの力ではない」ということを必ず感じてもらいたいと思う。いろんな方が尽力して、バスケットボールができる環境を作ってくださっている。また、いろいろな方が自分でいろいろな苦労をして、貯めたお金で、仕事をして作ったお金で試合を観にきている。その試合でどんなことを感じてもらうかってのは、僕たちの一番の大きな仕事。そこはもう常に言い続けている。それをどう受け取るかは、選手の受け取り方だと思うが、その中で、しっかりとファイトしてくれる選手はいる。なので1シーズン過ごしてきて最後、後味悪く終わるような終わり方はしたくないと多分みんなが感じていることだと思う。いろんなことがあったはずだが、最後しっかり自分たちのやるべきことをやって、このシーズンを終わろうという気持ちは、みんなが感じているものだと思っている。この1週間の過ごし方をもう一度大切にして過ごしていきたいと思う。

ー森井健太や田中力、カイ・ソットの評価

 苦しい状況の中でも、本当にチームを引っ張ってくれているのが森井健太選手。今年はセカンドユニットのところで彼をサポートするターゲットっていうのがなかなか出ない中で、アシスト数も減っているし、その時間帯はとても苦しい時間帯になっているのは、私もものすごく感じているし、彼自身も難しいと思う。だがその難しい舵取りを、むしろ自分の糧にしようとして、戦っているのが森井選手だと思う。それに加え、アップダウンのある厳しいシーズンの中で、彼は常にチームに声掛けをして、いろんな人を引っ張り上げて、とにかくポジティブに持っていって、チームとして戦えるようにという働きができる。本当にチームの魂だと思っている。河村選手もいるが、そことはまた別に、同じことをするのではなくて、彼なりの仕事をしっかりとシーズン通して表現してきた。それが森井健太という男。

 田中力選手は本当に今いろんなことを学んでいるときだと思う。チャンスを自分の糧にするかどうかっていうところで、今は成長している段階。

 カイ・ソット選手に関しては、広島のときと比べるのはメンバーが違うので難しいが、横浜BCを選んできてくれて、そこでインサイドのターゲットだったり、いろんな彼の魅力っていうのが出るようなバスケットを展開できる時間帯が結構増えてきていると思う。チームにとっても、そこは新しいターゲットができたというところで一つオプションが増えて、すごく助かっている。彼自身も広島で試合に出ずにレンタルで横浜BCに来たということは、一つの分岐点というか。プロキャリアとしても難しい時期だったとは思うが、その中で、この横浜の地でしっかりと自分のできることを、周りの選手と共に良いアピールをして、しっかり表現してくれてるっていうのは本当に横浜のチームにとっても素晴らしい。彼自身にとっても、横浜を選んでくれて良かったと思ってもらえれば、こちらとしては有り難く、幸せ。そうできるのはやはり周りにいる河村選手や、他のウイングの選手。森井選手だったりとか、パスの上手い選手やベテランの外国人がいるからこそ、そういう活躍ができる。彼自身も辛い時期、リハビリを乗り越えて、新しい地でさらに昇華させてこのリーグで存在感を出してってということは、彼自身も成長を感じてもらえれば嬉しい。

ーホーム最終戦に向けて

 横浜ビー・コルセアーズは設立から、荒波にもまれてもまれて、もまれて、もまれて、この地に来ている。その中でB1リーグに参戦できて、そこからさらに降格の危機があったりとか、いろんな危機を乗り越えて、ずっと今はB1で戦えているのは、まずはビーコルが生まれたということが運命だと思う。そしてそれを繋いできて、信じた方たちがいる。そんなチームだと思っている。なかなか浮かばれる時期がない荒波に揉まれてここまで進んできた。そんな中でも昨年度はまだ厳しい環境だったりとか、いろんな条件がある中でも、チーム一丸となってCSという場に立てたのは去年のチームだったと思う。それはやはり支えてくれた方、本当に繋いできてくれた方、選手、スタッフ、クラブ、そして一番最後にそれをずっと信じて見届けてくれた方がブースターだと思っている。そういう方たちがいたからこそ、ここまで戦える。

 また、今シーズンも本当に厳しいアップダウンがある中でも、声援が聞こえてきたときに、本当に後押しをしてもらえるという有り難さを本当に感じる。そんなシーズンだったと思う。それをやっぱり私達が感謝で伝えるのは勝つこと。「試合を見に来て良かった」と思ってもらえるようなバスケットを展開することだと思っているので、最後、横浜BCを応援していて良かったと思えるような終わり方ができるように、皆さんの力を借りて最後まで戦いたい。

森井健太の信州戦後のコメント

ー信州戦の総括

 昨日(第1戦)久しぶりにチームとしては勝利をして、2連勝がかかったすごく大事な試合だった。序盤はエナジーもあって良いディフェンスができていたが、途中、少し流れが悪くなったときに、我慢ができずに自分たちのリズムを失ってしまった。信州さんのエナジーや気迫っていうのは本当に素晴らしかったと思うが、やはりその気迫やエナジーに、負けてしまうようじゃだめだと思うし、その部分で負けたっていうのはすごく悔しいゲームになった。

記者の質問に答える森井©Basketball News 2for1

ーケガ人がいたり、CSに出られない中でキャプテンとしてどんなことをチームに話したか

 なかなか勝てない状況の中で、「まず1週間でしっかり準備しよう」っていう部分は常にチーム全員に言いました。そういった意味では本当に1週間、素晴らしい取り組みができて、本当に昨日は良い形で勝つことができた。やはりそれを2日連続で続けられないというのが、今のCSに行けなかったっていうチームの現状になっていると思っている。

ーCSに行けるチームとの違いはどんな部分か

 一番は自分が何をしなきゃいけないか。自分の役割はシュートを打つ選手もいれば、ディフェンスを頑張る選手もいれば、リバウンドを頑張る選手もいるというように、一人ひとり違うと思う。去年のチームというよりは、良いチームは自分の役割を分かっている選手が多い。与えられた役割をやり切る力というのは、今シーズン一番足りていない部分だと思うし、そこのプライドというか、「自分はここなら負けない」っていう強い気持ちだったり、プレーの質っていうのは、まだまだ足りていないのかなと思う。

ー最終戦に向けての意気込み

 相手が川崎さんということで、昨シーズンCSで戦った相手でもあるし、川崎さんはCSが懸かった、本当にCSのような意気込みで戦ってくると思う。僕自身はすごくそれにわくわくしている。今年はCSに出られないが、CSのあの緊張感の中でのゲームは本当に選手としては素晴らしいものだと思う。その経験を来週できると思うので、チームとして1年間やってきたこと、そして自分自身チームとしても、最後の取り組みっていうのはすごく大事になってくると思う。最後まで全員で横浜BUNTAIという素晴らしいアリーナでまだ1勝もしてないので、そこにプライドを持って1週間戦っていきたいなと思う。

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