千葉ジェッツが8季連続CS進出に前進 原修太「優勝できる自信がある」
シュートを放つ千葉ジェッツの原修太©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)は13日と14日の両日、各地でレギュラーシーズンの第32節が行われ、千葉ジェッツ(東地区3位)はホームで群馬クレインサンダーズ(同4位)と対戦。13日の第1戦は96-65と大勝。14日の第2戦では、前半は群馬がペースをつかみ、第2クォーター残り5分41秒で最大14点をリードされるも、そこから巻き返し42-47で折り返す。後半は千葉Jがオフェンスからペースをつかみ、後半だけで46得点を記録。88-75とホームアリーナとして使用する船橋アリーナでの最後の公式戦を連勝で締めくくり、有終の美を飾った。

 千葉Jはゼイビア・クックスが23得点13リバウンド、ケガから復帰したジョン・ムーニークリストファー・スミスがそれぞれ20得点12リバウンド、13得点を記録するなど5選手が2桁得点を記録し、勝利に貢献した。

CSへのカギ「ケガ人を出さずに勝利すること」

 7季連続でチャンピオンシップ(CS)進出している千葉Jは現在、33勝20敗と過去のシーズンの中でも最多の負け数を記録している。CS進出圏内のワイルドカード(WC)1位につけているものの、WC2位・島根スサノオマジックと3位・広島ドラゴンフライズとはわずか2勝差と、決して油断はできない状況だ。

 そんな中迎えた群馬戦。試合前の時点で3勝差に迫られており、もし連敗すればCS進出圏外へ順位を落とす可能性もあった。ジョン・パトリックHCは第2戦の試合後、「CSの出場に向けてすごく大事な週末だったので、連勝して良かったと思います」と安堵の表情を浮かべた。群馬戦の前まではムーニーやスミスを欠いていたこともあり、アウェーで琉球と秋田に接戦ながらも3連敗を喫しており、群馬戦は絶対に落とせない試合となっていた。

 第1戦ではケガで戦線離脱をしていた大黒柱のムーニーと得点源のスミスが復帰し、CS進出に向けての重要なピースがそろう形に。インサイドの厚みが増した千葉Jは第2戦、リバウンドを49本(オフェンスリバウンドは16本)獲得し、ビッグマンをケガで欠いていた群馬を圧倒。セカンドチャンスポイントでも17得点を記録するなど、ゴール下を制圧した。

 主力が戻り、東アジアスーパーリーグ(EASL)や天皇杯を制した時の勢いが戻った感がある千葉J。パトリックHCと富樫勇樹は試合後、「怪我をしないこと」がCS進出へのカギだと口にした。実際、ここまで33勝20敗としている千葉Jだが、負け試合の大半で主力選手を欠いている。昨季からの主力である原修太とムーニーが同時に出場した試合に関しては、今シーズン18勝6敗(勝率75.0%)と好成績を収めており、これはリーグ全体4位相当の勝率である。

 その状況について指揮官は「CSに向けて、休みがないスケジュールの中ではケガが心配なので、1人のメインの選手がケガをするとCSの可能性もパフォーマンスも変わってくると思います」と語り、司令塔の富樫も同様に「ケガ人をこれ以上出さずにしっかり勝利することが重要だと思うので、それができたのは良かったと思います。まだまだ100%じゃない選手がたくさんいるのでCSに向けてコンディションを上げていけたらと思います」と語った。いかにケガ人を出さずに健康状態をケアしながら勝利を重ねていけるか。残り7試合のカギになりそうだ。

記者の質問に答えるジョン・パトリックHC©Basketball News 2for1

史上初の3冠視野 パトリックHC「チャンスある」

 3月にはEASL優勝、そして天皇杯を制し、リーグで唯一3冠を達成できる可能性を残している千葉J。群馬戦での連勝でCS進出マジックが「5」となり、最短で今週末の第34節にもCS進出が決定する。ただ、裏を返せばまだまだCS進出を逃す可能性も残しており、千葉Jにとっては初めて終盤までCS出場権を争っている状況だ。

 チームとして油断はできない状況だが、原はその状況を楽しんでいるという。

 「今シーズンは予想以上に負けていて、それはそれですごくいい経験だなと思います。こうやってこの時期までワイルドカード争いしているなんて本当に(過去に)なかったので。このスリルというか、シーズン終盤まで気の引き締まった試合ができるっていうのを楽しんでいます」

 原は続ける。

 「僕たちの今後のスケジュールはかなりタフな試合ではあるんですが、まずは目の前の試合に勝つことにフォーカス出来さえすれば、優勝できる自信はあります」

 もちろんチームに手ごたえを感じているのは原だけではない。パトリックHCも「シーズンの前はリビルディングの年で優勝とかそういう話はありませんでしたが、ゼイビアが来てクリスが戻って、現在はプレーオフで優勝するチャンスがあると思います」とチームに自信をのぞかせる。主力選手がケガから戻ってきた千葉Jは、史上初の3冠に向けて視界良好といえそうだ。

記者の質問に答える原©Basketball News 2for1

“ラスト船アリ”に感慨 富樫「たくさんの思い出に感謝」

 メインのホームアリーナとして、群馬戦が最後の公式戦となった船橋アリーナ(北習志野駅)。2011年の千葉Jのプロリーグ参入からホームコートとして活用されてきた「船アリ」に、両日とも満員となる約4,500人の観客が集まった(※船橋アリーナは来シーズンも数試合で利用予定と田村征也代表取締役社長より発表)。

2024-25シーズン以降は新設される「LaLa arena TOKYO-BAY」(南船橋駅)をメインアリーナとして利用することが決まっており、収容客数は約11,000人と現在の収容客数の2倍となる夢のアリーナでのプレーに期待が膨らむ。

盛り上がりを見せる船橋アリーナ©Basketball News 2for1

 数多くの名勝負を繰り広げ、地元ファンにも愛されてきた船橋アリーナ。地元・船橋市出身でミニバスの頃から船アリ利用してきた原は感慨深げに語る。

「まずに高校のときにバスケを辞めようと思っていたので、今ここにいるのはすごく感慨深いですし、それこそ習志野高校で県ベスト32とか16ぐらいで僕は負けていて、この船橋アリーナで全部何回も負けていたので、まさかここに立っているとは思ってなかったです」

 また、千葉Jに9シーズン所属している富樫も「これまで9年間本当にたくさんの試合をここでしてきて、いろんな人のサポートのおかげで今の千葉ジェッツ、そして、僕があると思う。このアリーナでのたくさんの思い出に感謝したいと思います」と思いを述べた。

 新たなホームコートとなる新アリーナへの期待も高まる。

 「チームとしても新しいアリーナに行くことは嬉しいことだと思う。この(船橋アリーナ)付近に住んでいた方が毎回のようにたくさん応援に来てくれていたと思います。また南船橋の方まで来てもらえるような、そんなチームを作っていけたら千葉ジェッツとしてはいいのかなと思います。そして、ファンの方々で埋め尽くされたアリーナでプレーすることをすごく楽しみにしています」

 地元ファンとともに船橋アリーナで築き上げた歴史を胸に、新アリーナでさらなる飛躍を目指す千葉ジェッツ。まずはCS進出を決め、優勝で船アリラストシーズンを締めくくりたい。

(吉本 宗一朗)

記者の質問に答える富樫勇樹©Basketball News 2for1

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