Bリーグ1部・信州ブレイブウォリアーズ(中地区7位)は30日、ホームのホワイトリング(長野市)でファイティングイーグルス名古屋(同5位)と対戦。第2クォーターから徐々に差をつけられ、前半終了時点で28-43とリードを奪われる展開に。後半は小玉大智を中心にハッスルプレーや3Pショットなどで差を詰めるも、69-76で敗れ15連敗となった。
信州は栗原ルイスがチーム最多の12得点、ロン・ジェイ・アバリエントスと星野京介がそれぞれ10得点記録した。試合後、勝久マイケルヘッドコーチ、ウェイン・マーシャル、星野京介、小玉が記者の質問に答えた。
勝久マイケルHCのFE名古屋戦後のコメント
ーFE名古屋戦の総括
最近チームは正しい方向に向かっていると思っていた。全ての試合が勝たないといけない試合である中で、ピックアンドロールの読みがまだまだだとか、マッチアップが見えてなくてスマートにアドバンテージが取れなかったりとか、悪い判断からタフショットやターンオーバーなどもあった。そういうことは毎日成長をし続けないといけない部分。それ以前にスタートのエナジーがないというのは信じられなかったというか、非常にがっかりしている。
マッチアップゾーンをやっている時に、基本的には機能していることが今日は多かったと思う。だがまだまだ試合で使って日は浅いので、「ミスがあって正しいマッチアップができていないという時にオフェンスリバウンドを取られた」ということ以外では、21本のオフェンスリバウンド、前半で13本(許してしまった)。出だしから気持ちの差が現れているのが何よりもがっかり。
今日の明るいポイントとしては、(小玉)大智のハッスル。スタートに出る人間がそういうエナジーを持ってプレーして、トーンをセットするのが彼らの責任。シュートが入っても入らなくても、判断にミスがあってもなくても、エナジーという部分だけは今の状況で大智だけでなく、全員が40分エナジーを持って戦わないといけない。最初のタイムアウトから、大体はミスから始まっても最近はエナジーがあるから「どうやって修正するか」「何をすべきか」という会話ができていた。だが、こういう(強めの)トーンで話さないと目を覚まさないかなという展開でスタートした。後半だけでいうと、大智を後半のスタートにして勝っていたが、ゲームは40分。そういう大智という良いところもありながら、いつでもそうだが、特に今の状況の我々にとっては非常にがっかりな試合だった。本当に明日ハートがあるかというのを見たい。
ー出だしにエナジーが出せなかった原因
人によってはタフスケジュールで疲れがあったというかもしれないが、それは相手も一緒。結局はメンタリティーだと思う。そういう中でどうやってハートを掘り下げるのか、どうやって準備するのか、コンピート(競争)するのか。要はハートとメンタリティーだと思う。疲れがないかといったらもちろんそうではないが、それはみんなそう。
ーラスト3分を切ってからの、シュートの打ち急ぎや攻撃の停滞について
終盤以前からも課題はたくさんあるが、「打ち急ぎ」については、どういうシュートが良いシュートで、どういうポゼッションが良いポゼッションという理解がまだまだな人もいれば、そういうポゼッションを作るためにやらないといけない一つ一つのディテールが疎かになると、タフなポゼッションになって、そこが我慢強さであったり、高いレベルの遂行力のチームだったら、そういうところを最後までしっかりやるというところだったり。最近その「打ち急ぎ」で目立つのはプルアップの3ポイントシュート。何本か入るとそのシュートを好きになって、それを打ち続けてしまうが、全体的に長い目でシーズンを通して、試合を通して見ると非常に効率の悪いシュート。途中で何本かそういうシュートが入って、終盤それに頼り続けて結局入らない、効率が悪いというパターンで最後はそれでシュートを外してしまって、競っていた試合も落とすというのは要素のひとつとしてある。
また、オフェンスを上手く作れなかった時にそれ(停滞)を打開するというのが非常に少ないというのは今日も何度もあった。ショットクロックの終わりでプレッシャーをかけられて、シュートに持っていくどころかアタックができない。そういうことは非常に目立っている。本当は良いポゼッションを自分を含めチームみんなで作っていかないといけない。それができなかった時に、コートに立っている全員が、プレッシャーがあったらアタック。ショートクロックだったら、40フィートの3ポイントを打つのではなくて、ディフェンスにプレッシャーをかけられるように、しっかりとアグレッシブにプレーする。ショートクロックのシチュエーションで欲しいのは、アタック、ファール。それでもヘルプは必要なので、そこからキックアウトなど。ロールプレーヤーでも、キャッチアンドシュートの3ポイントが仕事でも、ハンドラー、クリエイトしてもらう選手でもそう。何も作れなかったら、ただのステップバックのディープスリーじゃなくて、アタックできるということがみんな必要。
ー小玉大智の成長について
素晴らしいです。毎日、本当に毎日。彼も(山本)楓己もですけど。毎日意識高く成長しようと取り組んでいるからこそ、本人の努力がそういうところに繋がっていると思う。今まではファールトラブルや怪我人が出た時の緊急事態で出ることが多かったが、やっぱりプレータイムは増やしていきたいと思っている。
ウェイン・マーシャルのFE名古屋戦後のコメント
ーFE名古屋戦の総括
いつも会見場に来ると、40分間フルにやりたいことをやらないといけないという話をしている。今回の試合に関しても出だしから、40分やりたいことをやろうという意識を持っていたかもしれないがそれが上手くいかなかった。試合の最後で自分たちのやりたいことができたが、それを40分間やらないと、こういう試合になってしまう。本当にそういうところに集中していきたいなと思う。
ーハドルの重要性
ハドルはものすごく大事だと思う。ちょっとしたハドルだとしても、ディフェンスやオフェンスで何かしらのエラーがあった時に、そのハドルの中でチーム全員で話し合って解決できるチャンスがものすごくある。今回に関してもハドルが少なかった分、エラーが修正できなかった。どの試合に関してもハドルの中で「ディフェンスがこうしていたからこうやろう」とかそういう話が少しでもできれば遂行力も上がると思う。本当にハドルは試合の中でとても大事なものだと思っている。
星野京介のFE名古屋戦後のコメント
ーFE名古屋戦の総括
自分たちにとって一試合一試合が勝たないといけない試合。前半相手にオフェンスリバウンドを13本取られて、そこの時点でもっと自分たちがボールを欲しがらないといけないし、勝ちに貪欲にならないといけない状況。本当に絶対あってはならないことだと思っている。前半の流れが終盤まで続いたと思うので、最初の出だしの部分が重要だったと思う。
ー貪欲とは具体的にどういう姿勢か
一人ひとりが今日の試合で例を上げるなら大智みたいな、一つのディフェンスだったり、ひとつのルーズボールだったり。あのような姿勢を大智だけじゃなくて全員が見せないといけない。あの姿勢が自分たちが今やるべき姿だと思っている。自分も含めて大智のプレーを見て明日見習わないといけないと思うし、ああいうふうにやらないといけないと思う。
ー自身のコンディションは
怪我が続いていて、なかなかシュートも入っていない状況だったが、打ち続けないとシュートは入らないと思う。今日の試合も最初はずっと外していたが、久山コーチから『メンタルのスポーツだから強く気持ちをもってやらないといけない』というふうにいってもらった。それもあって自分の中では最後気持ちよくシュートを打てた。あの感覚を忘れずに、入っても入らなくてもやるべきことをやってシュートは打ち続けたいと思う。
小玉大智のFE名古屋戦後のコメント
ーFE名古屋戦の総括
まず今日の前半の部分でオフェンスリバウンドを13本取られてしまった。出だしを大事にしないといけない中で、一番やられてはいけないという部分をやられたのが前半で一番良くない部分だと思っている。ウェインさんが帰ってきたことによって、どうしてもそこに頼ってしまう部分が多くある。本当はそこをみんなで解決しないといけない部分をまかせてしまうっていうのは前半で良い流れを持ってこれなかった一つの原因だと思っている。
後半は徐々に自分たちの持ち味であるディフェンスから得点という部分が多かったと思う。だが試合後タッカー(ヘイモンド)もいっていたが、そこまでのスイッチの入り方を前半にも出さないといけなかった。そこに流れが来そうだから頑張るのではなく、それを最初から40分間やり続けないといけないというのがこの点差に繋がったと思う。
ープレータイムの増加でチームにエナジーを与えられるようになった自身の成長について
僕の考えるハドルを組む意味だが、「チームが一つになる」というのが大事だと思っていて、それはどの立場でも関係ないと思っている。でもそれをいうからには自分も姿勢を見せないといけないと思っている。成長する過程の中で、僕がみんなにエナジーを常に出し続けて「ハドルを組もう」というのを普段からいえるような立場を自分で作れるようにしている。
上手くいかない時は、チームが良い方向に向いていない。みんなが目を合わせなかったりするのが多いと僕は感じている。なので、それをコートに立った時はみんなが同じ方向を向けるようにしている。こういうと言い方が軽くなってしまうが、上手くいかない人がいたら引っ張り上げるし、上手くいっている人がいたら押し上げるというのを僕は大事にしている。成長とはまた違うかもしれないが大事にしているので、今日はそういうのを見せられたと思っている。