17連勝の宇都宮ブレックス、2年ぶりCS進出決定も慢心なし 渡邉裕規「チャンピオンじゃなかったら意味がない」
宇都宮ブレックスの渡邉裕規©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1)宇都宮ブレックス(東地区1位)は30日、アウェイでシーホース三河(中地区2位)と対戦。88-78で勝利し、チーム最多連勝記録を「17」に伸ばした。また、この日の他チームの試合結果により、リーグ最速でのチャンピオンシップ(CS)進出を決めた。

  宇都宮はグラント・ジェレットが23得点6リバウンド、渡邉裕規が18得点、D.J・ニュービルが15得点7アシストを記録。三河はザック・オーガストが24得点8リバウンド、ジェイク・レイマンが20得点7リバウンドを記録した。

 試合後、宇都宮の佐々宜央HC渡邉裕規が記者会見に登場し、記者の質問に答えた。

佐々宜央HCの三河戦後のコメント

ー三河戦の総括

 非常に激しい試合の中、前半も流れ掴むのも難しかったですけど、本当に選手たちがイニシアチブ取りながら試合してたのも良かった。今日(第1戦)の数字も出ているように相手も多分比江島(慎)のところ非常に激しく潰そうというところ、出口のところでちょっと捕まってしまったところでフラストレーションがチームにたまっている状況があったと思う。でもその中で、今のシーズンを振り返ったときにズルズルズルズルいくというチームではなくなって、今日は特にバックアップの選手たち、渡邉(裕規)も(鵤)誠司もグラント(・ジェレット)、ギャビン(・エドワーズ)も本当に強いチームというかスタートだけじゃなく(ベンチの)深みに変わって、こういう勝ちパターンを見つけていく(ことができた)。

 ただ、後半の出だしのところで捕まっているケースは多くて、まだまだ選手たちのところでもう1回、状況を整理して入っていかないと本当に痛い目に遭うと思っている。そこは反省点として多く残っていますが、バスケットっていう流れのスポーツなので、そういう時はあるかなという中でも解決してる素晴らしさがあると思う。これからも頑張っていきたいと思いますし、また明日(第2戦)しっかり戦っていきたいと思います。

記者の質問に答える佐々宜央HC©Basketball News 2for1

ーホームコート開催がかかる中でリーグ全体の順位争いへの意識

  CSに去年出られなかったというところ。ブレックス史上、Bリーグになってからプレーオフ(CS)に行けなかったシーズンが自分がヘッドコーチになってから付けてしまった汚点だったので、必ず今年はそこには戻るというところがありながらも、ゴールはそこじゃないので、やっぱりこのチームは王者を目指していくっていうところは変わりありません。

 ホームコートに関して、追い上げられて負けるゲームの反省点も、ほぼアウェーなんですよね。いつもそういう時、ホームとアウェイだと全然状況が変わってくるので。選手たちもその中でも前節の千葉戦もちょっと苦しい場面があったり、この三河戦も逆転された後にそこから跳ね返しているのは本当に本当に簡単なことじゃないので。三河さんも素晴らしいあの雰囲気と、この会場も結構好きでアウェイ感をすごく感じましたし、そういう中で(CSを)宇都宮でやれることに越したことはない。本当にここからコンディション次第だと思いますけど、深追いしすぎて、よく最近Bリーグである、結局ケガ人が出てプレーオフを戦えないのは一番ダメなので。行けるとこまで、もちろん今も毎試合毎試合戦いながら、ぜひ宇都宮で(CSを)やりたい気持ちはめちゃくちゃあります。

―三河に追いつかれた後にまた引き離すことができた要因

 うちの選手たちは記者会見でよく「優しい」っていってるんですけど、あの状況でも燃えて来ないのかっていう。今日も燃えてきたのが結局、渡邉(裕規)が最近そういうモードに入ってきていて、そういう状況になってきて「やるぞ」っていう状況になっていかないと。全員が全員っていうの難しいかもしれないですけど、強気に「ここで打ち切るぞ」って。

 今年はやっぱりこの流れ(大きくリードしても追いつかれること)があるのは、どうしてもうちも3ポイントの試投数が多いので。入らない時間帯というのが出てくる。ただ、シュートが入らなくなっている時間帯のときにターンオーバーで細かいことをしてシュートを狙わなくて終わっていたりとか、そういうとき大体24秒かけてオフェンスしてるケース多くて、「打てよ」と思う。

 でも、ナベ(渡邉裕規)が出た後はそれをやるじゃないですか。それを今、本当に彼が体現してくれて、グラントもそうですけど、若干試合の流れが、打つの早いんじゃないのかなっていうケースもあるんですけど、今年に関しては「いけよ」「打てよ」っていう。バスケットって面白いんですよ。それでも打たないんです。ああいう状況とかアウェイとか、難しいですよ、本当に。「なんで打たない」なんてもちろんいわないし、「強くなろうな」って。

 この何試合かですけど、スタートが停滞したときにバックアップの選手、(今日は)誠司もでかいところでスリーポイントを決めていた。誠司は別にシューターじゃないし、でもそれでも「打てよ」っていうところで打ってるので。本当に全員ブレないで戦っていけたらいいなと思いますけど、今日勝ったのはそういうところだと思います。

渡邉裕規の三河戦後のコメント

ー2シーズンぶりのCS進出について

 僕がブレックスに入って、一度もそういうポストシーズンに出られなかった(ことがない)ということを何かこっそりと自分のプライドの中で持っていた。(昨シーズンは)絶対にCSに行くという(ことを)果たせなかったシーズンなので、非常に悔しい思いがありましたし、その反動で今ここまでやれているのかなと。

笑顔で記者の質問に答える渡邉裕規©Basketball News 2for1

ーCSホーム開催への意識

 自分たちがレギュラーシーズンを戦ってきて、一番最初の対価というか、得られるものはホームで試合できるという権利だと思っている。狙ってるというよりは自分たちのご褒美だと思います。それはブレックスのたくさんのファンの前で試合できるところですかね。

ーチーム最多記録17連勝について

  誰1人(連勝を)意識していないし、誰1人多分チャンピオンシップ(CS)のマジックも意識してなかったと思いますね。それぐらい無心にやっているということです。良いいい方で、興味ないですね。結局、この連勝を続けて、でもファイナルで勝てなかったら誰も覚えてないでしょ。「ブレックス強かったね」とはなるけど、チャンピオンじゃなかったら意味がないので。

 やはりそういう連勝を続けたりとか、(リーグ首位という)矢面に立つと、やっぱり僕らと当たる対戦チームの人たちって、ものすごいモチベーションで来るし、僕らが2年前に優勝したときもそのモチベーションで優勝した。その怖さというか、ありますよね。ハングリー精神を持ったチームとやらなければいけない、それはレギュラーシーズンの成績では僕らが上回っていたとしても、その反動っていうのも気をつけながらやらないといけないですね。

ー三河戦で一逆転されてから引き離せた要因

 (天皇杯千葉J戦のような)大きな試合でああいう負け方をしたことが、僕らの今、経験値になっている。今日みたいな逆転された試合でも盛り返すような、戻ってこられるような、それを押し払うような強さというのは、天皇杯の試合もそうですし、前半戦で逆転負けした試合もそうですし、勝ちきれなかった試合っていう僕らも悔しい思い、レギュラーシーズンでの負けの中で得たものを、ものすごくよく出せている。

 本当にちゃんと勉強になって、同じミスを繰り返さないレベルにあるんじゃないですかね。だから今日の追いつかれたとき、成長がなければあのまま逆転して、しかも三河さんのホームで勢いに乗ってた状況でそれを跳ね除けるっていうその力は付けてきてるんじゃないかなと思います。悔しくて、しんどかったところからの財産。それは本当にポジティブで、今それを跳ね返せる力があるんじゃないかなと思います。

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