ワールドカップに向けて大事な一戦
6月18日、千葉ポートアリーナで女子日本代表国際強化試合が行われた。女子日本代表は女子トルコ代表に77―49で勝利。強化試合の初戦を白星で飾った。
今年9月にオーストラリア・シドニーで行われるワールドカップに向けた大事な一戦。この日、アリーナには女子日本代表では過去最高動員数となる4,418人のファンが詰めかけた。
トルコの平均身長は183.3cmに対し、日本の175.7cm。サイズの大きなチームとの対戦となったが、日本はFIBAランキング8位、トルコはFIBAランキング9位と実力は拮抗。これまでの対戦は2勝2敗ということもあり、戦前から激戦が予想されていた。
オコエが1Q15得点と爆発!攻守共に隙なし
日本のスターティング5は#5安間、#8高田、#75東藤、#88赤穂、#99オコエ。
第1クォーターからオコエ桃仁花が3ポイントシュート3本を含む15得点と大爆発。負けじとトルコが果敢にアタックを仕掛けてくるが、日本は激しいディフェンスでターンオーバー7つを誘発。27-12でこのクォーターを終えた。
流れをつかんだ日本は第2クォーター、安間志織が5得点、#32宮崎早織が5得点、#52宮澤夕貴が7得点と攻撃の的を絞らせず、点差を広げ52-23の29点リードで前半を終えた。
後半、日本は第4クォーターに詰め寄られる場面もあったが、最終的には大差で勝利。ワールドカップに向けて自信をつける1勝となった。
第1クォーターだけで15得点を挙げたオコエは試合後、大勢のファンの前で「オリンピックは無観客だったので、今こうやってファンの皆さんの前でプレーできることを感謝している」と笑顔で語った。
恩塚HC「カウンターバスケットを目指した」
昨秋から女子日本代表のヘッドコーチ(HC)に就任した恩塚HCは試合後、 総括として「トルコと試合するにあたって、どっちがより戦術的にやれるか、そこがゲームの勝敗を分けたポイントだった」とコメント。
「そこで先手を取れると(試合を)有利にもっていけるし、それに対して裏を取られたとしても更に次の手を打つ。そういったカウンターバスケットを目指して戦おうということを送り出しました。カウンターのバスケットに関して言うと3Qまで満足いくプレーが多く見られた」と納得の表情を見せた。
快勝も油断なし「チームの完成度は50%」
この日、最多得点の15得点を挙げたオコエは総括として「日本らしい激しいディフェンスからブレイクが出せたので良かった部分と、オフェンスでバタバタした時間帯を明日は改善したい」と語った。
また、ワールドカップに向けたチームの完成度としては「50%くらい」とコメント。
「HCが変わって、皆さんもどういったバスケなんだろうと不安があると思うんですけど、ワールドカップで金メダルを取ることは大変なことで、(オリンピックでは)アメリカと試合したときにスイッチングディフェンスをされて全然攻めれなかったのが日本の課題として残った。それを全世界が見てたのでそのディフェンスを全世界でやってくるはず。そのディフェンスされたときの対処の練習を今はやっている。」と今後の修正点を語った。
高さのあるトルコに対しての戦い方として、「どのチームも大きいので、いつも通り日本は小さいので足を使って、プレッシャーをかけてターンオーバーを増やすことを意識してディフェンスをした。」とポイントを挙げた。
接戦が予想された第1戦は、結果的に日本が大差で勝利。第2戦も勝利し、9月に行われるワールドカップへ弾みをつけられるか。AKATSUKI FIVEの真価が問われる。
(吉本 宗一朗)