【バスケ日本代表】ホーバスHC「びっくりしたのは(中村)太地」 アジアカップに向けて若手メンバーに手ごたえ
オランダ戦で16得点を挙げた日本代表の中村太地©Basketball News 2for1
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 バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング21位)は5日と6日の両日、有明アリーナでオランダ(同54位)代表と対戦。第1戦は70-78で敗れ、第2戦は74-53で勝利し、強化試合を1勝1敗で終えた。

 第1戦では、ディベロップメントキャンプからA代表入りを果たしたテーブス流河(ボストン・カレッジ)、佐土原遼(琉球ゴールデンキングス)がロスター入り。第3クォーター(Q)まではリードを保っていたものの、第4Qではターンオーバーやオランダの好守に攻めあぐねる時間帯が増え、最終的には70−78と惜敗となった。

 翌日の第2戦では、ロスター4名が変更され、中村太地(島根スサノオマジック)、狩野富成(サンロッカーズ渋谷)、山﨑一渉(ノーザンコロラド大)、渡邉伶音(東海大学)が新たにロスター入り。第1戦からディフェンスの修正をしてきた日本代表は、第1Qから速い展開で日本がペースをつかみ74−53で快勝した。

 中村は3ポイントシュート4本を含む16得点とチーム最多得点を記録。昨夏のパリ五輪でもプレーしたジェイコブス晶は、3ポイント2本を含む14得点と、二日連続で二桁得点を記録し、キャプテンのジョシュ・ホーキンソンは、10得点8リバウンド4アシストとオールラウンドなプレーでチームをけん引した。A代表初出場となったセンターの狩野は4得点5リバウンド4ブロックと存在感を示し、チーム最年少19歳の渡邉もA代表でデビューを果たした。

 8月5日から開幕する「FIBAアジアカップ2025」に参加するアカツキジャパンは、今月9日から14日にかけて韓国で第2次強化合宿を実施した後、19日と20日にはららアリーナ東京ベイでデンマーク(同59位)と強化試合を行う。

 オランダとの第2戦の試合後の記者会見では、トム・ホーバスHCとジェイコブスが記者会見に登場し、報道陣の質問に答えた。

オランダとの第2戦に勝利したアカツキジャパン©Basketball News 2for1

トム・ホーバスHCの試合後のコメント

ーオランダとの強化試合を終えて

 昨日(第1戦)も出だしは良かったけど、続かなかった。今回(第2戦)は10点差になって、20点差になって、あれは本当に若い選手のおかげです。練習で使ったときに(中村)太地選手とか狩野選手のディフェンスがすごい良くて、そこがこの試合の鍵だったと思います。そういう一歩が大きいと思う。この2つのゲームは(選手たちに)経験させたくて、選手たちも僕もみんなのプレーを勉強しました。これから韓国まで連れて行く。それもだいぶアウェイゲームだけれど、もっとレベルアップしないと大変だなと思います。でも本当に今日(第2戦)は、バウンスバックゲームはすごい良かったと思います。

ーこの2試合を通して印象に残っていることは

 良いことは、今日のエネルギーが最初から最後まですごく良かった。今日、ディフェンスプレッシャーがすごく大きかったかなと思っていました。昨日の試合では、相手のディフェンスのプレッシャーがすごくて、負けた。今日は逆になったと思います。プレッシャーをかけて、相手がちょっと疲れてきた感じになった。うちのディフェンスプレッシャーが続いたので、相手のオフェンスもちょっとおかしくなったと思う。それはすごく良かった。

 びっくりしたのは、やっぱり(中村)太地かな。太地はもう、彼は自分の役割は練習中全然できなかった。僕のイメージは須田選手みたいな感じで、動いてシュート、動いてシュート(という役割)。でも、彼はドリブルをしたい。キャッチングするときにいつもドリブルをしていたので何回も注意した。よく、注意すると2つのパートに分かれる。ダメになるか、怒って(僕はこうだと)気持ちを見せるか(どちらかの)パターンで、今日はその(後者の)パターンだった。彼はシューティングタッチはすごいです。 でもたぶん、Bリーグのチームの役割とこのチームの役割はちょっと違います。彼はもう(それに)気がついたかなと思います。そしてそれはすごく良かったと思います。

 もう一つは、狩野(富成)のフリースロー。狩野のフリースローは本当に一生懸命練習を頑張った。すごく綺麗になったと思う。彼は本当に上手くなりたい、そういう気持ちがすごくあります。

記者の質問に答えるトム・ホーバスHC©Basketball News 2for1

ージャン・ローレンス・ハーパージュニアと川島悠翔の評価は

 ハーパージュニアは昨日そんなにハーバージュニアっぽくない試合。でも今日は、本当にステップアップした。上手くなった。うちのコーチングのフィロソフィーがすごい効きました。昨日何回もトラップに来るときに彼は跳んでジャンピングパスをやった。あれはもうやめようと。そしたら彼は(今日)もう大体やめた。彼はそういう人です。本当にいいチームメイト、いい人だと思う。彼は上手くなりたい。彼は本当にいろいろ質問とか聞く。本当にいいと思います。

 川島は、昨日本当にすごい試合だった。本当に悩んでた。スタートメンバーどうしよう。(ジェイコブス)晶がベンチから(スタートになるか)どうしよう、どうしようといろいろ考えていた。でも僕は、この2ゲームで彼が出ると全然安心。それはいいことです。やっぱり、リバウンドもすごい、体も強い、ディフェンスもいい。ミスがまだあるんですけど、相手が跳んでから跳ぶとか。それは直さないといけないけれど、僕は試合中ベンチを見ると「あ、もう川島で行こう」と。だから、それはすごいいいことだと思います。

ー第2戦のチームは半分の6名が身長2メートル以上、今までの日本代表よりサイズがあって外打ちができる選手が増えたが、サイズアップしたことによる影響は

 やっぱり、3、4年前に男子のヘッドコーチになったときにスティールを増やしたかった。オンボールのディフェンスをアグレッシブにやっているとか、インバウンドプレイのトラッピングとか、トランジションのトラッピングとかいろいろやっているんですけど、レングス(長さ)がない。身長だけじゃなくて腕のレングスがないと、ディフレクションとかスティールが難しいです。速いローテーションをやっても難しいです。だから、身長も当たり前に大事だけど、身長より長さが大きいです。やっぱりうちのバスケットは速いから、動かないと。身長が高くても動かないと難しいです。

 ジョシュ(ホーキンソン)も結構やってるじゃないですか。ジョシュもすごい走ってるじゃないですか。だからそういう選手が必要。2メートル15センチより2メートル3センチとか2メートル5センチとか2メートル8センチとか、動ける選手、3ポイントシュートを打てる選手が、うちのバスケットにすごくフィットすると思います。昨日、川島選手のことを(会見で)いろいろ話したんですけど、あれは2メートルだけれど、本当に3番が一番いいポジションかもしれないけど、まだ技術がちょっと足りない。今は4番、5番(でプレーしている)。彼は2メートルだけれど、力ある。ドレイモンド・グリーンみたいな感じで、大きいセンターじゃないけど、ディファンスできる、リバウンド取れる、パッシングもできる、ドライブもできる。そういう選手がいろいろポジションできるとか、ポジションネスのチームがいいかなと思います。

ジェイコブス晶の試合後のコメント

ーオランダとの強化試合を終えて

 1試合目からステップアップできたと思う試合。完璧な試合にはまだだったけれど、経験のためにはすごい良かったと思うし、どんどんみんなの一人一人の役割、チームとしてもすごく分かりはじめていると思う。これから練習試合もいくつかあって、アジアカップの前にいいチームをつくるためにはすごく良かったと思うし、試合は良かったと思います。

ー自分の中でリーダーとして心掛けたことは何か

 そういう自信があると、(相手が)何が欲しいかって分かっていると、他の人にも教えられるっていう場面になってると思うんで。やっぱりみんな一人一人すごくリーダーシップを見せられてるって思うんですね。一人一人みんな経験がある選手が多いし、だから僕もそういう教えられることがあれば教えるし、誰かが教えてくれれば聞く。僕がリーダーとして上がったというよりも、みんな一人ひとり、チームとしてみんなリーダーになれていると思う。すごくいい役割を与えられます。

記者の質問に答えるジェイコブス晶©Basketball News 2for1

ー山﨑一渉に大人らしいと言われていたが、メンタル面で意識している部分はある?

 僕は自分の役割が分かっていて、シュートを打つ、あとはカッティングとか、自分ができるスキルを結構分かっていると思っている。そういうところでは自分も自信を持って、シュート一本外しても、「次のシュートは絶対入る」というメンタル。そういうのが大人らしいのかもしれませんが、そう(自分が大人らしい)は考えない。そう見えたら嬉しいです。

ーエーススコアラーとしての自覚、メンタルはあるか

 自分が一番点を取りに行くというメンタルとしてはそんなにないですけど、自分の役割として。僕のプレースタイルは、ガードがつくってくれるプレーやシュート。そういうプレーをガードがつくってくれることによって僕の点につながるので、自分がなんか一番点を取るというよりチームの動きで、合わせとしていいプレーが多いと思う。そういうのはチームバスケットボールがちゃんとできていると思います。

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