【バスケ日本代表】ホーバスHC「信じてほしい、全員」アジアカップに向け若手中心の編成へ  「マコみたいな選手」湧川颯斗にはコンボガードとして期待
記者の質問に答えるトム・ホーバスHC©Basketball News 2for1
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 都内でFIBAアジアカップ2025に向けた第一次強化合宿を行っているバスケットボール男子日本代表は27日、メディア向けに練習の一部を公開した。

 ジェイコブス晶(フォーダム大)やテーブス流河(ボストン・カレッジ)などの海外組や、渡邉伶音(東海大)やジャン・ローレンス・ハーパージュニア(サンロッカーズ渋谷)、A代表合宿に初招集となった狩野富成(信州ブレイブウォリアーズ、サンロッカーズ渋谷)など、フレッシュな面々が揃った今合宿。ディベロップメントキャンプ(DC)から11名を残ったところにベテランの馬場雄大ジョシュ・ホーキンソンらが加わり、総勢18名でしのぎを削っている。

 アジアカップに向けては若手中心の編成で挑むことになるホーバスジャパンだが、7月5日、6日のオランダ(FIBAランキング54位)との強化試合、19日、20日のデンマーク(同59位)との強化試合などを経て、8月5日から始まるアジアカップに向けて準備を進めていくことになる。27日の練習後にはトム・ホーバスHCが今回の合宿についてや強化試合への準備について、そしてアジアカップへの意気込みなど、報道陣の質問に答えた。

テーブス海&流河の兄弟は「面白い」

ー今の招集メンバーから変更する可能性は

 絞ります。有明の試合と韓国の遠征もあるので。(最終的には)15、16人くらいかな。バック・トゥ・バック(連戦)ですから、(選手は)チェンジします。ジョシュ(ホーキンソン)は帰化選手で一人ですから、全部のゲームに出したくない。彼はオフシーズンの時間が短かったので、まだまだ100パーセントじゃない。でも勝ちたいです。

ー狩野富成を招集した理由は

 日本人のビッグマンが少ない。狩野は今シーズンのプレータイムが結構あった。彼がアスレチックな、走る、飛ぶ、の選手なので。(代表合宿で)見たいです。彼はディベロップメントキャンプから。もっとよりできると思う。(渡邉)飛勇とすごく似ている。

ー合宿中、狩野とどんな話をしたか

 ちょっとショックだった。(狩野は)英語ぺらぺらです!全然知らなかった(笑)。彼は面白い人です。今23歳で日本代表の初の合宿だからいろいろ考えているとは思うけど、使えそうな感じです。

ー(取材時は)合宿5日目となったが、印象に残っている選手は

 ポイントガード(PG)だとテーブス流河。面白いです。ペイントタッチも上手に入るし、パスもいいし、シュートも入る。おもしろい。ハーパージュニアもいい。2番は(山﨑)一渉。一渉はシュートが入る。彼は2メートルあるけど、2番3番が絶対できる。(渡邉)怜音も、すごい頑張っている。ぜんぜん悪くない。(ジェイコブス)晶がけっこうステップアップした。21歳だけど、若い選手のリーダーかな。なんかすごく自信ある。経験もあるから、あれはけっこう良い感じ。

ー若手の名前が上がったが、若手も代表に定着する可能性もあるか

 可能性あるよ。パリ五輪が終わってから、選手がターンオーバー(交代)するじゃないですか。例えば、(比江島)マコが引退するかどうか。今渡邊(雄太)がいなくて、富樫はいろいろ話したんですけど、今回はまだ決まっていないんですけど、アジアカップで使うかどうか今話しています。でも、今もし若いメンバーすごい頑張っていたら、そこまで(アジアカップまで)行くなと思います。河村選手、富永選手がサマーリーグに行くか、そういうクエッションもけっこうあります。

ーテーブス兄弟は兄弟での合宿参加は初めてだがHCから見てどうか

 タイプは全然違います。海がフィジカルなPGじゃないですか。ペイントアタックもフィジカリティをよく使っていて、パスとかもすごい上手。経験もある。流河の方が速い。速さをよく使う。で、シュートがいい。流河のシュートの精度の方が(いい)。海も悪くないんですけど、流河の方がいいかなと思う。面白いです、本当に。あの二人が練習中にけっこう真面目。負けたくない、二人とも。

ー流河は体重が12キロ増えたそうだがそのことについてはどう考えている

 それは大きかったと思います。ボストン・カレッジでやっているから、力がないんだったら試合に出れないから、そこをすごいディベロップメントの時に(強調していた)。晶も10キロくらい増えている。アメリカでは、ちゃんと力がないと難しい。あの二人は本当すごいと思う。

合宿で汗を流すテーブス流河©Basketball News 2for1

ーPG陣にはアスレチックな選手が残っているが、狙いは

 ハーパーはディフェンスだね。でも、彼もうち(チーム)のオフェンスでけっこう打っている。全然オフェンスは悪くないんです。これからもっともっと上手になると思う。流河はディフェンスぜんぜん悪くないけど、流河を考えたらオフェンスを一生懸命アタックしてやっているような選手です。でも二人とも(身長が)183、4くらい、だからちょっとサイズアップ(しないといけない)って感じです。二人とも力がある。

ー二人ともトランジションバスケットの構想がある中での選出か?

 この合宿もこれから。やっぱりワールドカップのトランジションバスケットボール良かった。パリ五輪もデータを見るとすごい良かった。トランジションがあのくらいのインテンシティがあるから増やしたい。これからもっともっともっとパスプレーしたいです。そういう練習をやっています。

ー比江島のような選手としてイメージできる選手はいるか

 湧川(颯斗)。湧川はおもしろい。身長194㎝で、パッシングも(いい)。ポイント(課題)はメンタリティだけど、シュートも綺麗です。彼に言ったんですけど、「この合宿はもっとアグレッシブにショット探して」と。ポイントガードはいるから、コンボガードになるともうちょっと彼の3ポイントシュートが見たい。彼はすごい頑張っています。パッシングも上手。

本番でステップアップできる選手を

ーオランダ戦、韓国戦、デンマーク戦と確認したいことや仕上げていきたいことは

 オランダは、新しいコーチもいる、選手たちもすごい変わっているから、たぶん上手にスカウティングがあまりできない。だから、とりあえずこのメンバーでいいチームが作りたいです。新しいオフェンスもやっている、新しいディフェンスもやっている。みんなが考える中で頑張っている。

 僕のイメージは、いつもステップアップしたい。足りないことをステップアップしたい、上手くなりたい。今回は若い選手がいっぱいいるから、試合の時は勝負できるか分からない。だからそこを、(ステップアップできる選手が)何人くらいいるのか見つけたい。若い選手たちこれから使いたいけど、大事な試合、プレッシャーある時に勝負できるかどうか分からないじゃないですか。だから信じてほしい、全員。今練習中のバスケはレベルが高い。コンペティションもすごい。試合も見たいです。それは本当にチャレンジです。

 リバウンディングも結構やっている。リバウンディングもおもしろい。川島選手は本当にリバウンドを取る。一渉選手も本当にリバウンドを取るから、違うポジション、ジョシュだけじゃなくて2番、3番、4番ポジションも結構リバウンドをやっている。ハーパーも流河もリバウンドを取る。リバウンディングも上手くなりたい。

ー新しい戦術はどんなものか

 見る人からはそんなに変わってないかもしれないけど、選手たちが小さいルールがいろいろあるから、(慣れるまでに)時間がちょっとかかります。まだオフェンスが自然になっていない。トラッキングとか、動きの方をやっている。ディフェンスはだいぶ違う。試合のリズムをチェンジしたい時は、けっこうおもしろいと思う。

ーリーダーシップを期待する選手は

 やっぱりベテラン選手。馬場選手、ジョシュ、海も。さっき言った晶は若いメンバーのリーダーをやっている。あとヨシ(吉井)。ヨシもリーダーシップをやっている。ヨシは若い選手が間違えた時にあまり我慢できない。けっこういろいろ言ってる。でも、いいことです。

練習後にハドルを組むアカツキジャパン©Basketball News 2for1

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