【優勝コメント】宇都宮ブレックス比江島慎「ケビンのために」勝利呼び込んだファイナル第3戦後半の活躍
優勝が決まり、涙を流す宇都宮ブレックスの比江島慎(右)ら©Basketball News 2for1
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 宇都宮ブレックスの優勝で幕を閉じた2024-25シーズンのBリーグ。第3戦までもつれ込んだチャンピオンシップ(CS)ファイナルでは、前半無得点に抑えられた比江島慎が後半だけで17得点を記録するなど大活躍。ファイナル賞とMVPをダブル受賞したD.J・ニュービルの勝負どころでの活躍も光り、最大12点差を逆転した宇都宮が琉球ゴールデンキングスとの大接戦を73-71で制し、3シーズンぶり三度目となるリーグ制覇を成し遂げた。

 故ケビン・ブラスウェルHCの死去など、試練を乗り越え頂までたどり着いた宇都宮。第3戦後の記者会見では、ジーコ・コロネルHC代行、ニュービル、比江島が記者の質問に答えた。

三度目の優勝を成し遂げた宇都宮
三度目の優勝を成し遂げた宇都宮©Basketball News 2for1

ジーコ・コロネルHC代行の琉球戦第3戦後のコメント

ーファイナル第3戦を終えて

 まずは4年連続でファイナルに出場した琉球さんに「おめでとうございます」と伝えたいです。琉球さんが素晴らしいチームでファイトしていたので、自分たちがそれを超えていくのはさらに難しくなりましたが、その難しいチャレンジを与えてくれたことに感謝を述べたいと思います。試合序盤はなかなか流れが来ず、苦しい時間帯が続いたが、自分たちが苦しい状況の中であきらめない、戦い続けるという気持ちをしっかり持ち続けられたおかげで、最後の最後でなんとかターンオーバーを誘発して、自分たちの得点につなげて勝つことができました。

記者会見で笑顔を見せるジーコ・コロネルHC代行©Basketball News 2for1

ー戦術的にどういう部分が大勝利につながったか

 ターンオーバーの話が出たんですが、試合の序盤、とても苦しくて勢いにのれないときに、何とか自分たちが後半やり返せるだけの点差で留めることができたのがその部分。(琉球から)ターンオーバーを誘発することで、何とか試合に残すことができたかなと思います。まだ映像を見ていないので明確なところは分かりませんけれども、第4Qは2日前(第2戦後)に「比江島選手がやってくれる」と言ったとおり、彼のパフォーマンスは素晴らしかったと思うし、あのパフォーマンスができるから、僕たちは彼(比江島)をコービーと呼んでいます。

ーHC代行が指揮を執る最初の試合が琉球との対戦だった

 最初ケビンHCが倒れた時は昏睡状態だったので、その時は少しの間、ケビンがいない間ちょっと代わりに役割を担ってすぐ帰ってくると思っていたので、その間の期間を何とか過ごすというつもりでいた。それが今シーズンは難しいだろうとなって、最終的には彼はスピリットとして自分たちと一緒にいるという状況になったんですが、その中で自分が役割として一番やらなければいけないなと思ったのが選手たちだったりチームのみんなをケアして、お互いに助け合って何とか乗り越えようとサポートするべきと思った。

 もちろん、試合の中でところどころ自分たちのパフォーマンスが十分ではなくて、話もしましたけれども、厳しい状況ができた時にお互いを信じあって助け合って、ケアしていくことが一番必要だったと思うし、そういうことをやらないといけないなと感じたのが自分にとっても大きな学びだったと思います。

D.J・ニュービルの琉球戦第3戦後のコメント

ーファイナル第3戦を終えて

 本当に素晴らしい試合だったと思います。(第3戦では)とても強度の激しい、厳しい戦いになりましたけれども、自分たちのチームやコーチ陣、スタッフを誇りに思います。コロネルHC代行もおっしゃってましたが、本当に自分たちに流れが来ず、劣勢な中でもチームメイトを信じて苦しい局面を耐え、チームで一丸になってプレーし続けることができたことが勝機を生んだと思います。

記者の質問に答えるD.J・ニュービル©Basketball News 2for1

ー非常に落ち着いたプレーだったが、逆転の3ポイントシュートの場面を振り返って

 試合の流れで苦しんで劣勢な状況が続きましたが、コーチが自分を信頼してくれてボールを託してくれたので、そこでシュートを決めることができて良かったなと。あそこの場面でのシュートは、今までやってきたこのチームを象徴しているなと思うシュートで、お互いを信じあって、一丸となってプレーしていたシーンだと思います。

 ジーココーチも、自分たちは今シーズン中、本当にいろんな苦しい状況だったり、すごい点差をつけれられて負けている状況からも逆転をすることができたりと逆境を乗り越えてきたので、「絶対自分たちはできる。跳ね返すことができる」と言ってくれたので、それを信じてプレーしていました。それに、自分が今までやってきた練習だったり、つぎ込んできた時間というのを信じてシュートに臨みました。あそこの場面でシュートを決めることができたというのは、本当に魔法のような時間帯だったと思います。

比江島慎の琉球戦第3戦後のコメント

ーファイナル第3戦を終えて

 本当に苦しい苦しい試合展開だったんですが、前半は我慢して相手について行って。後半も正直、なかなかいいリズムでいけない時もあったんですが、自分んも相当迷惑をかけていましたし、最後にチームを助けることができて良かったと思いますし、それまで僕のためにいろいろチームとしてサポートしてくれたことに感謝しています。相手のディフェンスが素晴らしかったのはあるんですが、全員で勝ち取った優勝だと思います。

記者の質問に笑顔で答える比江島©Basketball News 2for1

ー第4Q、フィールドゴールを5本中5本決めたが、どんな気持ちで臨んでいたのか

 点差が点差だったので、自分が調子悪いとか考えずというか、ただただがむしゃらにリングだけを見てアタックしようと切り替えられた。そのメンタルが第1戦からやっていればもっとチームを楽に勝たせることができたかもしれないですが、それまで自分のことを信じて使ってくれたジーコ(コロネルHC代行)もそうですし、チームメイトも自分のためにスクリーンだったり、スペーシングを空けてくれてという状況をつくってくれたので、強めにプレーすることと、チームメイトのために、ケビンのためにと思い、もう一回、第4Qの時に思い返しながらプレーしました。

ーこの2年間、ギャビン・エドワーズと一緒に戦ってきたことについて

 三河時代から彼とはいい感触があって、彼の中にもそれはあると思うんですけれど、ピックアンドロールする時にポップするのかダイブするのか、合わせだったりというのは彼も僕がパスをしてくれると信頼して動いてくれていると思いますし、たまにムービングスクリーンもありますけれど、しっかりズレをつくってくれる、スクリーンをヒットしてくれる存在。彼のピックアンドロールというところも、より今シーズンはアシストだったり、3ポイントの確率だったり、伸びたというところは彼との連携もあったからじゃないかなと思います。

ー試合が終わったあとしばらく上を見ていたが、ブラスウェルHCにどんなことを伝えていたのか

 最後、3ポイントシュートをケビンが後押ししてくれたと思っているし、(琉球の)アルマ選手のフリースローもケビンが少しプレッシャーかけてくれたと思った。ケビンが築き上げてくれたこのスタイルで優勝できたことが本当に嬉しかったので、そこの感謝の気持ちを伝えた。あと、こういう難しい状況で、ジーコも個性軍団のブレックスをまとめてくれて、本当に難しかったと思うんですが、ジーコにも敬意を表したいですし、そういったところも含めて感謝の気持ちを伝えました。

ネットカットで笑顔を見せる比江島©Basketball News 2for1

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