京都ハンナリーズ前田悟、加入2年目で目指す高み 「CSに出て、京都をもっと盛り上げたい」
インタビューを受ける京都ハンナリーズの前田悟©Basketball News 2for1
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 Bリーグ1部(B1) 京都ハンナリーズは第24節を終え、ここまで21勝20敗。シーズンの3分の2を消化し、西地区4位につけており、チャンピオンシップ(CS)進出圏内の千葉ジェッツとも6ゲーム差と好位置につけている。そんな好調のチームを支えるひとりが前田悟だ。

 昨季は怪我もあり、本来の力を発揮できなかった前田。加入2年目の今季は、チームで5番目となる平均7.1得点を記録しており、3ポイントシュート成功率もチーム4位の36.5%と高い水準を維持。平均出場時間でもチームで4番目に長い24分42秒を記録しており、攻守でチームを支えるキーマンとなっている。

 2月24日の練習後、バスケットボールニュース2for1では前田にインタビューを敢行した。現在のチーム成績やベテラン選手の加入による変化、後半戦への意気込みなどについて語ってもらったインタビューの一部をお届けする。

シーズン前半戦は「もっと勝てる試合はあった」

―まず今シーズンのこれまでのご自身のパフォーマンスについての評価をお願いします

 もっとできるようになるというところもあるし、あとは調子に波があったりとか、良いときと悪いときの波が激しかったり、そういうところをもっと埋めていけたらもっとよくなるのになと思いながらプレーしています。

―シーズン後半に突入しますが現在のチームの成績についてどう感じますか

 もっと勝てる試合はあったと思いますし、もっと上の順位にいてもいいんじゃないかなと思っているので、全然満足はしていなくて。自分のパフォーマンスも含めて、後半戦ここから本当に一つも負けられないと思うので、そこはシビアになってやっていきたいなと思います。

―勝てる、勝てないのギリギリの差というものはどの辺りに感じますか

 本当にオフェンス、ディフェンス一つ一つのプレーの遂行力だったりとか、ちょっと気を抜いたりとか、雰囲気もそうですし、チーム全体として誰が出ても同じことができるのが「チーム力」だと思います。これから過密日程にもなってきますし、数人ができているだけでは多分勝てなくなってくると思うので、そこはチーム全員が同じページにいて、同じことが遂行できたらもっと良くなってくると思う。そこはチームで意識してやっていきたいなと思います。

―チームで意識する部分で、ロイ・ラナHCが求めるクオリティに対しては現在地はどのあたりでしょうか

 6、7割ぐらいですかね。数字的な部分でいろんなところを分析して、自分たちのいいところを伸ばすっていうのと、悪いところを解決していくっていう時間になっています。

理想に対して現状は「6、7割」だという©Basketball News 2for1

ベテラン陣から刺激 「いいところを盗んでいきたい」

―今季、京都の大きな変化としてベテラン選手の加入がありますが、どういった影響がありましたか

 特に川嶋(勇人)選手なんかはやっぱり雰囲気を変えてくれる。去年だったらちょっと沈んでしまうところでふざけるじゃないですけど、チームの士気を上げてくれて、ムードが変わるっていうのがやっぱり一番大きなところかなと思います。川嶋選手の周りは明るいというか、それでチームの雰囲気が上がるような気がします。去年は逆に真面目すぎたというか。

―経験豊富な選手たちのアドバイスで印象に残っているようなことはありますか

 フルさん(古川孝敏)とは同じポジションなので、あの人が習ってきたことだったり、経験というのを僕は教えてもらっていて、「もっとできるよ」というふうに言われてますし、自分のプレーの幅を広げられる一つだと思うので、そこは素直に聞き入れながら良いところを盗んでいきたいなと思っています。

―古川選手の良いところは

 バリエーションが豊富というか、秋田時代のスキルコーチに習ったって言ってました。3ポイントだけじゃなくて2ポイントで得点も取れると思うし、ファールももらえると思う。3ポイントだけだとスカウティングだったり、シュートが入らなかったり、点数が伸びてこないと思うので、そこを2ポイントだったり、ドライブだったり、そういう相手との駆け引きのバリエーションを増やすっていうのが僕の今の一番の課題なので、そこがすごいなというところはあります。

―開幕前に現役NBA選手のユスフ・ヌルキッチ(シャーロット・ホーネッツ)が飛び込みで京都の練習参加されていましたが、一緒に練習されてみてどうでしたか

 規格外やなって思いました。NBAすごいなって。あのサイズで平気で3ポイントがバンバン入りますし、普通にハンドリングだったりいろんなことできてるので。NBAではそんなにあんまりしないですけど、でも、やっぱり規格がすごいなって思いますね。

―Bリーグにも海外からすごくいい選手がどんどん入ってきますが、それでもやっぱり違いましたか

 サイズ感が全然違うなって思いました。Bリーグに来てるビッグマンよりもでかいし、インサイド強い選手って結構いると思うんですけど、ゴリゴリ(のビッグマン)でスリー打てる選手ってあんまりいないような気がするんで。そういうところはやっぱりNBAで何年もプレーできてるところなのかなって感じましたね。

インタビュー中に笑顔を見せる前田©Basketball News 2for1

ロイ・ラナHC体制3年目「集大成の時期」

―昨シーズン移籍されてから怪我で途中離脱されてましたが、その時の心境やリハビリ期間中の支えになったことはありますか

 支えというか、必ずまた復帰するというのはありましたし、(松島)鴻太社長だったり、渡邉拓馬GM、ロイさんにもすごい必要とされてたので、それでここに来て開幕前から怪我してて引きずって、ちょっとはプレーしてましたけど、なかなか自分の思うようなプレーができなくて。思いに応えたいというか、自分ももっとやれると思ってましたし、必ず治して前よりもパワーアップして戻りたいなっていう(思いがあった)。京都のために貢献したいなっていう思いで、それを糧に頑張ってました。

―焦りみたいなことはありましたか

 最初は焦りがありました。最初離脱した時は原因が分からなかったんで。復帰して、また痛くて、また離脱してって繰り返したんで。原因が分からない時はすごく焦っていたし、そういうのはありました。

―京都に移籍して関西で生活することには慣れましたか。オフはどのように過ごされてますか

 はい、だいぶ慣れました。(オフは)いろいろやりますけど、出かけたりもしますし、カフェ行ったりとか。カフェで本読んだり、家でゆっくりする時もあるし、日によって違います。

―最後に、チームとして後半戦ではどんな戦い方を見せていきたいですか

 ロイ・ラナHCの3年目で本当の集大成の時期だと思いますし、ベテラン選手も入ってくれて雰囲気も変わって、ここまでもっと勝てるなっていうところもあります。非常にいい形で来れていて、CSを狙える圏内にもいますし、ここは必ずこういうチャンスをものにして、CSに出て、京都をもっと盛り上げたいなと思います。また自分自身ももっといいパフォーマンス出して、チームに貢献できたらなと思います。

「京都を盛り上げたい」と前田は意気込む©Basketball News 2for1

(金澤朱志)

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