
バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング21位)は12日、FIBAアジアカップ2025予選ウインドウ3に向けた合宿の公開練習を行った。
今回の合宿では、初招集メンバーと育成強化選手を含めた21名を招集。西田優大(シーホース三河)、松脇圭志(琉球ゴールデンキングス)、山口颯斗(長崎ヴェルカ)がコンディション不良などで不参加となり、総勢18名のメンバーで合宿が行われている。
チーム編成で注目なのは、メンバーが若手選手中心に招集されていること。富樫勇樹や渡邊雄太、比江島慎らパリ五輪の主力組は招集されておらず、今回の合宿が日本代表の初招集となったのは津屋一球(三遠ネオフェニックス)、佐土原遼(ファイティングイーグルス名古屋)と、不参加となった松脇の3名。そこに、昨年11月のウインドウ2にも参加した福岡大学附属大濠高校3年の渡邉伶音(アルティーリ千葉)や、渡邉と共に2月のディベロップメントキャンプに参加していたハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア(東海大学、サンロッカーズ渋谷)と星川開聖(宇都宮ブレックス)が育成強化選手として加わっている。
キャプテンにはこれまでにも日本代表の経験があり、トム・ホーバスHCのバスケットを熟知している吉井裕鷹(三遠ネオフェニックス)が選出。平均年齢24.8歳と若手中心の構成となっており、ウインドウ3では日本代表の新しいケミストリーに期待がかかる。
そんな中でも注目を集めているのが代表初選出となった佐土原遼だ。25歳の佐土原は今季FE名古屋でここまで全37試合にスタメン起用されており、キャリアハイとなる平均12.4得点3.8リバウンド1.9アシスト、フィールドゴール成功率47.2%、3Pシュート成功率35.2%を記録するなど充実のシーズンを過ごしている。代表招集が発表された後のコメントでは、今回の代表合宿について「通過点」と語っており、気合は十分だ。
10日からアジアカップ予選に向けて合宿を行っている日本代表(FIBAランキング21位)は、20日と23日にアウェイで中国(同30位)、モンゴル(同109位)とそれぞれ対戦する。12日の公開練習後には、佐土原が記者の質問に答えた。

佐土原遼の公開練習後のコメント
ー日本代表初招集、今回の合宿について
まず、このフル代表に呼んでいただいて、個人的にはここを目指していたのですごく嬉しい半面、メンバーを見たときにいつもと違うメンバーだったので、ちょっと、残念ではないですけど、本来、自分が目指してていたところではないかな、というのが正直な感想でした。けれど、これは「通過点」だなと個人的にはすごく思っていて、ここからアジアカップだったり、ワールドカップ、オリンピックってあると思うんですけど、そういうところに名を連ねるいい機会だと思うので、まず、トムさんのバスケットを覚えることから始めて。今も練習は3回くらいやっているんですけど、頭を使うバスケットなんですが、自分的には好きなバスケットスタイルではあるので、覚えやすいですし、自分のやりたいようにバスケットが出来ているので、すごく今、充実した練習をできてるように思います。
ー自分が一番アピールしたいポイントは。どんなプレーを見せていきたいか
個人的に、自分が好きなプレーというのは、ペイントエリア内に入ってシュートを打つことだったり、3ポイントはここ最近確率良く決まっているので、そこは武器になりえているのかなという部分があります。もう一つ持ち味なのは、ディフェンス。誰についても守れるというところが、自分の強みだと思っている。オフェンスでもディフェンスでもフィジカルにやれる、というのが自分の持ち味の一つではある。今後代表に入っていくにも、ヨーロッパやアメリカの選手はみんな体も大きいですし、フィジカルも強い。そういうところに対抗できる力をつけている途中ではあるんですけれども、今回のウインドウ3、アジアの大会で、ちょっとでも周りの国を驚かせられるような、フィジカルなプレーだったり、そういうのができればいいなと思っています。

ーホーバスHCはフィジカルには言及しているが、自身のフィジカルをどう評価しているか
自分はまだ、国際ゲームというのをちゃんと大会としてやったことがないので、どれだけ通用するかというのは分からない。ですが、Bリーグの外国籍というのは、チームに(最大)3人いて、アジア枠も1人いて、帰化枠も1人いて、というところで、結構マッチアップすることも多いので、やりやすい部分もある。彼らとやり慣れているからこそ、アジアでもやれるんじゃないかと自信は少しあるんですけど、たぶん、面は食らうと思うので、そこは構えて臨んでいきたいなと、フィジカル面的には思っている。
(自身のトレーニングに関しては)トレーナーに任せてあって、代表のトレーナーもそうですし、自チーム(FE名古屋)もそうですけど、トレーナーに任せてはいるので、個人的にここがどうというのはない。ですが、「フィジカルつけても、俊敏に動けるようにトレーニングにして」という話は結構、トレーナーにはしてます。
ーホーバスHCのスタイルが好きと言っていたが、どういったところが自身のプレー合うと感じているか
自チームでもそうなんですが、スピーディなバスケットが自分は好きで、(相手に)決められても、速いスピードで攻めにいく。ディフェンスリバウンドを取ってから、スピードの速い展開でバスケットをするというところが、すごく自分には合っている。あとは3ポイントシュートのところ。(ホーバスバスケットは)多投すると思うんですけれども、そういうところも自分的には好きなスタイル。バスケットは点数を取らなければ勝てないスポーツなので、そういうところも含めて、点を取れるシステムになっている。個人的にも点数を取りたいと思っているので、そういうところがトムさんのバスケットに合っているなと思っています。 (トランジションの部分も)自信を持ってできているのかなと思います。
ー今が『通過点』という言葉があったが、ウインドウ3と今後の日本代表に対しての気持ちは
今回の2試合、アウェイ戦ですけれど、アウェイということもあって会場も向こうの雰囲気になっているけれど、自分はどちらかというとそういうアウェイゲームが好きなタイプなので、この2試合は(ロスターに)選ばれたら、楽しく競い合いながら成長できればと思っています。
それ以降は、ワールドカップやオリンピックも含めて、12人のロスターに入って試合で活躍することが自分の最終目標。そういうところにいくために、毎日、この合宿が終わったとしても、レギュラーシーズンで成長できるようにやっていけたらと思いながらバスケットをしています。
(金野恵理)