Bリーグ1部(B1)は、10日から12日にかけて各地でレギュラーシーズンの第17節が行われ、中地区4位のサンロッカーズ渋谷は11日と12日の両日、ホームの青山学院記念館で同地区3位のシーホース三河と対戦した。
第1戦、ケビン・ジョーンズが欠場となったSR渋谷は序盤に9-0のランを決め、ペースをつかむ。その後も三河に流れを渡すことなく83-74で勝利し、2025年を負けなしの3連勝とした。
翌日の第2戦では、ジョーンズに加えて田中大貴も欠場。第1戦で連勝がストップとなった三河が、出だしから強度の高いオフェンスでSR渋谷を圧倒。第2Qには一時16点差をつけられる苦しい展開となった。その後は12月にプロ契約を発表した特別指定選手のハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアが粘り強いディフェンスでSR渋谷に流れを引き寄せるも、なかなか点差を詰められず、28-37と9点ビハインドで後半へ。
第3Qになるとセカンドチャンスなどを生かしながら、徐々に追い上げをみせる。第4Q、リード・トラビスの得点で三河をとらえると、連続得点でついに逆転し、57-53と4点リード。その後はリードチェンジを繰り返しながら、第4Qを66-66で終了。オーバータイムまでもつれ込んだが、三河の攻撃を抑えきれず、69‐80で黒星となった。
第2戦では、先発のトラビスがチーム最長となる45分の出場で27得点10リバウンド、ジョシュ・ホーキンソンが43分54秒出場し、15得点13リバウンドでダブルダブルを達成。オーバータイムへ持ち込む同点ショットを決めたベンドラメ礼生は、42分17秒の出場で12得点4リバウンド2アシストの活躍をみせ、ローレンス・ジュニアはプロ契約後初となる得点を決めた。
第17節を終え、レギュラーシーズンは60試合中30試合が終了。SR渋谷は18勝12敗(勝率.600)とし、中地区4位をキープしている。オールスター後に迎える第18節は、同地区1位を独走中の三遠ネオフェニックスとアウェイの豊橋市総合体育館で対戦する。
第2戦後の記者会見では、ルカ・パヴィチェヴィッチHCとローレンス・ジュニアが記者の質問に答えた。
ルカ・パヴィチェヴィッチHCの三河戦後のコメント
ー三河戦・第2戦の総括
まずは、このものすごく重要な1勝、そして強度の高い試合を勝ち取った三河さんにおめでとうございますという声をかけたいと思います。我々としては、1勝1敗、いい結果で終われたと思います。今日(第2戦)の振り返りとしては、結果としては酸っぱい結果となってしまいました。ああいうふうにゲームを我々(の流れ)に戻して、オーバータイムまでもち込んで、結局負けてしまったんですが、こういう試合を勝てたら良かったな、という思いがあります。
この1勝1敗というのは、結果としては強い結果を成し遂げられたんじゃないかと思います。これからオールスターウィークに入りますが、ここでKJ(ケビン・ジョーンズ)がしっかり帰ってきてくれること、そして田中(大貴)の体調がしっかりと戻って、全員で戦っていけることを望んでいます。この(11月の)バイウィーク明けのセカンドフェーズというのは強く戦ってきた結果ですので、これをもう一度、僕たちが目標にしているところにたどり着けるように、この先もやっていきたいと思います。
ー第2Qでハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアを起用した理由は?
(ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアを)起用したポイントとして、エナジーをもたらせる選手、激しさを注入できる選手であったこと。そしてこのチームにはそこがどうしても足りなかったと思います。まだまだ、彼の組織感というのは足りないですが、彼がそこで我々が求めるものを表現したからこそ、もう一度試合をリセットすることができて、後半、我々は一瞬逆転した部分もありました。そういう結果につながったのは、彼がそういったもの(エナジーや激しさ)をもたらしてくれたからだと思います。
ーロスターが揃わない中で、出場機会を得ている選手たちの成長
Bリーグのスケジュールの半分が終わりました。この30試合が終わった中で、改めてコーチ陣の考えをアップグレードしないといけない。ローテーションの控え選手も役割を引き延ばしていくと考えています。どの選手もですけど、特に試合に絡んでいない選手もまだまだ上手くなれる部分がいっぱいあると思いますし、あとは本人たちがどれだけ、自分がこのチームに貢献して、活躍したいんだというところを見せてくれるかどうか。それをやってくれれば、その選手が個人的にも上手になるのはもちろんですけど、共にこのチームが全員で成長できる。そういうところを期待していますし、そういう(チーム内の)争いをこれからも見せてもらって、全員にもう一度争ってもらって、チーム全体で戦っていけるようになっていけばいいなと思っています。
ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアの三河戦後のコメント
ー三河戦・第2戦の総括
大貴さんがいないのがわかっていて、ルカに試合前に「常に準備しておけ」と言われていて、自分はいつでも出れるように常に準備していた。出たときに最初のディフェンスでしっかりストップができて、自分が目標にしている「チームにエナジーを与える」というのが出来たかなと思います。
ー昨シーズンは特別指定、今季はプロ契約となったが、ルカHCの戦術は頭に入っている?
去年もやっていて、東海(大学)にいるときも渋谷の試合とか見ることがあったので、どういうチームかっていうのは分かっていましたし、ルカがどういう人なのでどう動いた方がいいのかなっていうのも分かっていて入ったので。凄くやりやすかったです。
ー出場機会を得るために必要なことは
サップ(アンソニー・クレモンズ)とかも言ってたんですけど、どれだけ試合に出てインパクトを与えるかが大事って言っていたので、ディフェンスとかもそうなんですけど、オフェンスとかも細かいところだったり、ルーズボールだったり、どうにかしてインパクトを与えないといけないなと。それを今日出来たのは凄く良かったかなと思っていて、それを常に継続することが意識していきたいなと思っています。
ー今年は所属2年目となるが、チームの雰囲気は?
リード(トラビス)は今年入ってきて、去年は関わりがなかったので、常に自分からコミュニケーションを取ろうと思いますし、リードからも自分に声かけてくれるのですごく助かっています。今年のチームというか、去年と変わらなくい。凄く明るくて、常にみんながインボルブ(関わりあっている)で。トロイ(マーフィージュニア)とかも前から知っていたので、凄く馴染みやすかったです。
ーマーフィージュニアとは「ツインズ」と言われていた
あれは、自分たちミックス(日本と他国とのダブル)はその髪型しかできないんです。その髪型しか出来ないんで、似てるみたいに言われるんですけど、嫌ではないです。東海の時も中川(知定真)と似てるとかも言われていたので、どこに行っても似てる人がいるけど、別に嫌じゃないです。
ー後半戦に向けて
自分は、途中から入ってくる形になっていたので、遅れている。この(オールスター期間中の)バイウィークでどれだけチームに追いつけるのかが大事だと思うので、常に休みがあるんですけど、マインドセットは変わらず、みんなに追いつけるように頑張っていきたいと思います。
ー福岡第一の後輩で横浜BCの特別指定、佐藤涼成について
(Bリーグ出場は)先輩として嬉しいんですけど、やっぱり負けられないです。一番バチバチにやってきた仲間なので。そこは嬉しいんですけど、自分もここで止まるんじゃなくて、さらに上を目指していかないといかないといけないなと思いました。
(インタビュー=金野恵理)